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翌日――
愛空「……よし」(制服に袖を通す)
(ちとせさん、休めって言ってたけど……)
スマホを見る
父親からのメッセージ
愛空「……行かねぇと、めんどいしな……」
(体もほぼ平気だし……大丈夫っしょ)
愛空「……ま、怒られるよりマシっすよね〜」
学校――
ガヤガヤとした教室
友達「おい川合!昨日倒れたってマジかよ!」
愛空「あー、ちょっと熱出ただけっすよ〜」
女子A「もう大丈夫なの!?無理してない?」
愛空「大丈夫っす大丈夫っす」(軽く笑う)
席に座る
ふぅ、と一息
愛空「……」
(……ちとせさん……)
愛空「……」
(いやいやいや)
愛空「……普通だろ、これ……」
(男友達と一緒っしょ……あれくらいの距離感……)
愛空「……うん、普通普通……」(小さく頷く)
授業中――
先生「ここは重要だからなー」
愛空「……」(ノート開いたまま動かない)
(“また会えたら嬉しいですね”……か……)
愛空「……」
(あれ、普通に言うか……?)
先生「川合ー、聞いてるかー?」
愛空「……え、あ、はい!聞いてるっす!」
クラス「(クスクス)」
愛空「……っはぁ……」
(やべ、集中できねぇ……)
休み時間――
友達「なぁ川合、お前さっきからボーッとしすぎじゃね?」
愛空「……そんなことないっすよ〜」
友達「絶対なんかあっただろ」
愛空「いや、なんもないっすって」
(言えるかよ……)
友達「てか顔ニヤけてね?」
愛空「……は?ニヤけてないっすよ」
友達「いやニヤけてるって」
愛空「……マジで?」(自分の頬触る)
(え、そんな出てる……?)
女子A「川合くん、なんかいいことあったの〜?」
愛空「いや別に……普通っすよ普通……」
(普通……だよな……?)
昼休み――
屋上
愛空「……はぁ……」(フェンスにもたれる)
空を見上げる
愛空「……ちとせさん……」
(昨日……手、繋いだままだったよな……)
愛空「……」
(いやでもあれ、看病だし……)
(普通……普通……)
愛空「……でも……」
額に手を当てられた感覚
近い距離
82
落ち着く声
愛空「……」
愛空「……普通の男友達であんなドキドキするか……?」
一瞬、固まる
愛空「……いやいやいやいや」
愛空「……しないか……?いや、するやつもいるか……?」
(わかんねぇ……)
愛空「……」
少し黙って
愛空「……でも……」
愛空「……また会いてぇな……」(ぽつり)
風が吹く
愛空「……」
(これ……なんなんだろ……)
教室に戻る途中
女子A「あ、川合くん!」
愛空「ん?」
女子A「今日一緒に帰らない?」
愛空「あー……」
一瞬考えて
愛空「……今日はいいっす」(断る)
女子A「えーなんでー?」
愛空「……なんとなくっす」
(もしかしたら……)
愛空「……また会えるかもなんで……」(小さく)
女子A「え?なんて?」
愛空「なんでもないっす!」
放課後――
愛空「……さて……」
校門を出る
少しだけ、周りを見る
愛空「……いるわけ……ねぇか……」
(そりゃそうっすよね……)
少しだけ肩を落とす
その時――
見覚えのあるスーツ姿
愛空「……え」
(……嘘だろ)