※attention※
・この物語は、一次創作(完全オリジナル)となっております。既存の人物のお名前は一切扱っておりません。
・誤字脱字等がありましたら、指摘していただけるとありがたいです。
これらを十分に把握した上でご視聴ください。
読み方
自分『』 他人「」
それ以外は心の声。
ふと、スマホの画面を見る。
今日は…2月30日、か。
はぁ。金曜日だし、学校行かないとな〜…
まぁ、明日からは休めるし…頑張ろう。
そこで異変に気が付かなかった俺は。
永遠のループに彷徨い続けることとなる。
【 第一章 異変 】
学校 教室
「おはよ!」
『おはよ〜』
元気に挨拶をしてくれたのは、俺の友達の詩音。
中性的な見た目をしているが、ちゃんと男だ。
「ちゃんと起きれた?」
『…まぁ。』
「絶対叩き起されたでしょ…?w」
詩音の言う通り、俺は朝に弱い。
だから、毎朝目覚ましは5分ごとに10回設定してるし、詩音にちゃんと起きたか電話で確認されている。
今日はそれでも起きれなかったので、母親に叩き起こされた。
「にしても、明日から3月か〜…僕達ももうすぐ卒業しちゃうね。 」
『うん。詩音は大学行くの?』
「僕は行くつもり。そっちは?」
『俺も同じ。そのために勉強してるし。』
…詩音とは、もうすぐ離れ離れになっちゃうな。
なんやかんやで仲良くしてくれてたし、少しは寂しい気持ちもある。
「もう授業始まっちゃうからまた後でね!」
『うん。』
放課後
「______でさ〜?w」
『なんだよそれ…ww』
俺は今、別の友達と立ち話をしている。
今日は外食に行くから早く帰って来いと言われているのに、俺はそれを忘れていた。
そして、話に没頭してしまい、時間はどんどん過ぎていって…
「てか今何時?」
『えーっと…』
俺はスマホの画面を見た。
17 : 56
『17時…56分!?』
「どうかした?」
『いや…俺、18時から予定あるわ…』
「はぁ!?」
「早く帰れ!お前の家は走れば1分くらいで着くだろ!?」
『わ、分かった!!また月曜日に!!』
俺は猛ダッシュをして家に帰った。
翌朝
今日もまた、目覚ましを止めるところから始まる。
えーっと…今日は…
2 月 3 0 日 ?
【第二章 今日は何日?】
2月…30日?
あれ?昨日が30日じゃなかったっけ?
お母さんに聞いてみよう…
「昨日が2月29日よ。ボケてる?」
『まだ18だよ💢』
やっぱり…俺の勘違いかなぁ。
まぁいいや。気にせず過ごそう。
学校 教室
「おはよ!」
『おはよ〜』
「ちゃんと起きれた?」
『今日は起きれたよ。』
「ほんと?よかったw」
「にしても、明日から3月か〜…僕達ももうすぐ卒業しちゃうね。 」
…昨日と、同じ?
『そうだね。あと少しで大学生かぁ…』
「ちょっと名残惜しいよね…w」
『うん。3年間過ごしてきたし…』
会話の内容は…昨日に似てる。
昨日は、俺の記憶が正しければ2月30日。
でも…みんな、29日って言うんだ。
俺がおかしいのかな。
放課後
「_______でさ〜?w」
…会話の内容が、完全に一緒だ。
やっぱり、俺は間違ってなかった…?
だったら、なんで30日が繰り返されている?
…明日、30日だったら。
流石に何か探すとしよう。
翌朝
…今日は、何日だろう。
一応、対策はした。
俺が2月30日を過ごした証拠を確保するために、念の為”カレンダーに赤い丸印を書いた。”
そして、俺は心の準備をしてスマホの画面を見た。
…あれ。
2月30日だ。
どういうこと?
なんで30日が繰り返されているの?
というか、カレンダーの印は____
…え
印が…
無い
【 第三章 存在しない日付】
なんで。どうして。
昨日、確かに俺は丸印をつけた…
…ん?
昨日は2月30日で…今日も2月30日。
…の、朝。
ってことは…
証拠も戻ってしまうのか…?
だったら…どうやったら元に戻れる?
どうやったら3月に入れる?
俺はカレンダーをよく見た。
2月の最後が2月30日で…
…あれ?
2月の最後って…
2月30日だっけ____
…本当に、30日が最後なのか?
…なんか、違う気がする。
他の月を見てみよう。
1月は…31日まで。
3月も…31日まで。
4月は…30日まで。
…頭がおかしくなりそうだ。
というか…確かうるう年ってのがあって…
今年はうるう年があって…
…!
そうだ。
本来2月は”29日”までだけど、うるう年だから”30日”まであるんだ。
いや〜、なんで早く気が付かなかったんだろう。
でも、それに気がつけたとしてもどうやってこのループから抜け出すか…
…ん?
…あれ。
2月30日って…
存在したっけ____
…一つだけ、勘違いをしている気がする。
2月は本来…何日までだっけ。
当たり前のように30日のカレンダーを見ていたから脳が狂ってたけど。
2月は本来…”28日まで”な気がする。
…もう、感覚がおかしくなりすぎてほとんど勘だけど。
でも…そんな気がする。
それで…さっき言った通り、今年はうるう年だから…
29日まであって…
…あれ?
30日は?
“30日”は?
…待って?
じゃあ…今いるこの世界は…なんなんだ?
30日なんて…2月には存在しない。
でも、俺が今いるのは2月30日…
…おかしい。
そもそもとして、どうして俺はこの世界に?
どうやって、存在しない世界線に…?
どうやったら帰れる?
…分からない。
…帰りたい。
本当のみんなに会いたい。
俺だけよくわかんない世界に来てて…みんなは向こうの世界に居て…
…一緒に、3月に入れると思ってたのに。
ずっとこのまま”ループ”するのかな。
その時、どこからか声が聞こえた。
《記憶消去》
「続いてのニュースです。」
「○○市に住む、_____さんが、突然行方不明になっています。」
「何か情報があれば、警視庁の方に提供を____」
《ループ》
【 2月30日 完 】