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それから俺は、これまで以上に仕事に精を出した。


けれど、相変わらず人手不足は解消しないし、責任だけを押し付けられ給料は上がらない。


もっと稼ぎたいのに、体力と時間(休み)がなくなっていき、そろそろ限界かもしれないと思った。


杏奈はそんな俺を黙ってサポートしてくれたけど、杏奈だって仕事を始めて忙しいのに、これ以上甘えるわけにはいかない。


俺は思い切って介護の仕事に転職することにした。


夜勤や残業をすれば、今の仕事よりも給料が上がるし、杏奈が仕事でいない時に圭太をみることもできる。


それに、いつかは自分の親の介護もあるだろうからいっそのこと、資格も取ることにした。


そんなふうに決めてからは、慌ただしく時間が過ぎていったけれど毎日が充実していて、たとえば飲みに行くことも、女遊びというやつもまったく興味がなくなった。


入園式や運動会に学芸会、遠足など、圭太の父親として参加できるものはすべて参加した。


これまで育児に関わってこなかった分を取り戻すかのように。


もし離婚しなかったら、ここまで圭太のことに関わらなかったかもしれない。



そうやって、3人の暮らしは穏やかに過ぎていった。






◇◇◇◇◇



どこにでもある、普通の家族の暮らしが続いた。


“慰謝料分の貯蓄ができるまではここで暮らす”


きちんと誓約書を交わしたわけではないけれど、そんな約束をしていた。


そのことについては杏奈が言い出すまでは、俺からは言わないつもりでいる。


経済的なことは杏奈に任せているから、出て行きたくなったらそう言ってくるだろう。


実際のところ、離婚してからのほうがお互いがお互いを思いやれていて、今のこの関係が居心地がいい。


少し歪だけれど、家族は家族だった。


夫婦ではないけれど、圭太の両親として過ごすことは思いの外、幸せだった。



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