テラーノベル
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錯乱は戻れない
あれからずっと、私はなにも言えずにあの人の行動を見ていた
夜中にどこかへ行き、翌朝に食料や色々な備品を持って帰ってくる
それを知ってるのは、多分私だけ。
聞こうとしても、毎回はぐらされる
日に日に心が欠けていくような、虚ろな目をしているあの人を見るのが、
すごく、すごく心苦しくて。
必死になって、泣いて伝えても、謝られて抱きしめられるだけ
違う、違うんだ、私にしないで
私があなたにしたいんだよ
頼むから優しくしないで…
どんなに必死になっても
どんなに心を痛めても
あの人は私に罪悪感を植え付けるだけ
きっとあの子だったら……
なんて
考えても仕方がない
みんなのいる場所に戻ろうとしたとき
少し後ろのドアから大きな物音が聞こえた
思わず振り返る
たしかあの部屋は、あの人の……
何があったのか心配でドアノブに手を伸ばした
伸ばして、伸ばしただけで
触れずに、空を漂う手
開いていいのだろうか
そんな一つの疑問がいくつも枝分かれして
その戸惑いは震えになって
どうしよう、どうしよう、どうしよう、
このまま引き返したらいいのに
あの人がこのドアを開けるかもしれないのに
足が動かなかった
時間が何者かに引き延ばされているような感覚がして
「ヒュッ、カハッ、ゲホッぁぐ、」
ドア越しに聞こえた微かな声
あんなに迷っていたのに、咄嗟にドアノブを掴んで部屋の中に入る
大量の紙の中、必死に苦しそうに息をしている人
駆け寄り背中をさする
……
あの人がぎゅっと握りしめている手の中に、一枚の紙
広げて、中を見せてくれた
そこに書かれてあった
一つの計画
それは、恐ろしいもので
それは、素晴らしいもので
それは、終わりを意味するもので
それは、この上なく魅力的なもので。
あぁ、そっか、そうだね
確かに、こんな世界なら
誰も文句は言わないから
いいよ、やろう、二人で。
いつか全員を巻き込んで。
邪魔する人もみんなみんな。
これが私の
人間に、歴史に操られてきた私たちの
反逆の物語
コメント
1件
一体何が始まるんだ_?
40
#カントリーヒューマンズ
#とどひゅ