この『世界』が始まって、どれほどの時間が経っただろうか、
楽しそうに聞こえてた子供の声も、口うるさい兄弟の声も、今はもう聞こえない、
自分には、何が残ってるのだろうか、いつもいつも、この『世界』を知ってしまってから、もうやる気もなくなり、【ボーン】と生きることしか、出来なくなってしまった。
グ「今日も来たのですね、sans。」
サ「あぁ、いつもすまないなグリルビー、今はランチタイムなんだ。」
こいつはグリルビー、オイラ行きつけのバーの店長をやっている、まぁ腐れ縁ってやつだ。
グ「最近はいつも来ておりますね……ときにsans、最近暗い顔を見受けますが何かありましたか?」
なるほど、彼には何もかもお見通しらしいな。
サ「ハハッ、お前さんには隠し事は出来ないな、前に話しただろう?この前『人間』が落ちてきたって、そして今日ここにその『人間』が遺跡からでてきた。」
そう言ってひとまずポテトを頼んだ。
この世界は『人間』と『モンスター』の二種類の種族に分けられている。
この二種類の人間は非常に仲が悪く争いも起きた、結果的にモンスターは負け、この『地下』という場所に封じ込められたのだ。
そして人間は、外の世界で『イビト山』と呼ばれる山の穴に落ちることで入ってしまう、
そしたらもう戻ることは出来ない、ここに足を滑らせて入ってしまったらもう、〇ぬしかないだろう、
ここで人間を〇す理由もあるが、今は割愛させてもらう。
問題なのはここに落ちてきたしまった人間にあるのだ。
サ「ただの人間なら兄弟とオイラでなんとか出来る。」
兄弟とはオイラの弟、パピルスだ。
サ「ただ、人間が来てからおばさんの声が聞こえなくなった。何度ダジャレを言ってもだ。」
おばさんとは、いつも遺跡という場所で、オイラとジョークやダジャレを言い合ってる仲の良いモンスターだ。
サ「考え過ぎかもしれんが、対策は取っておいて損は無い、まぁロイヤルガードが何としてくれると信じたいが…」
グ「彼達はとても強くフレンドリーだからね、彼達なら何とかしてくれると信じて良いかもね。」
そう言ってグリルビーがポテトの乗った皿を置く。
ロイヤルガードとは、対人間用チームだ。見た目は可愛らしいが、名前の通りの強さを持ったチームだ。
サ「ハハッ、そうだな、だが万が一も有り得る、兄弟は人間と話しに行ってしまったし、お前さんも、避難の準備ぐらいはしといてくれ。」
何か今回の人間は、嫌な予感がするし、念のために、な?
グ「あぁ、把握したよ、ちなみにキミはどうするんだい?」
サ「オイラも避難させてもらうさ、だが、兄弟に何かがあったらオイラも黙っちゃいれない。もしかしたら、オイラが止めるかもな。」
グ「ほう、キミが働くとは、珍しいね、どういう風の吹き回しだい?」
サ「別に、オイラは、何かしようという訳じゃないさ、ただ、兄弟に何かあったら許せないだけさ。」
兄弟はオイラのたった一人の家族だ、オイラはできるだけ、兄弟…パピルスを守ってやりたいよ。
グ「フフッ、分かったよ、キミ達は本当に仲が良いね、落ちてきた人間に注意する、だね、因みに今回の料理の会計なんだけど…」
おっと。
サ「今回もツケで頼むよ、今度払う。」
グ「はぁ、分かったよ、sans、気を付けて。」
こうして毎回、グリルビーはツケにしてくれる。そこら辺は本当に感謝している。
サ「あぁ、サンキュ、それと、気を付けるのはお互い様にな、それじゃ。」
こうしてオイラはグリルビーの店を出る、
兄弟は今、人間と話してくると言って、出てってしまった。
元々兄弟はロイヤルガードを目指しているのだが、その優しさから、入団出来ていないのだ。
サ「兄弟の優しさは大切な物だが、このような時は危険だ。」
とりあえず、オイラに出来ることは、兄弟の安否を信じることくらいだ。
サ「さて、そろそろ兄弟も話し合いを終わらしたか、少し兄弟に会いに行くか、早く兄弟に会って安心したいしな。」
そう口では軽く言うが何故か冷や汗が垂れる、いつもは焦ったり、走ってたりするタイプではないが、この時だけは全力で走っていた。
コメント
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めっちゃ良い! これからどうなるかが楽しみ😊