テラーノベル
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〈うたい視点〉
「…外に、出る…?」
「うん」
ニグさんは驚いた顔をしていた。
「やっぱり体動かさないとかなって…入院生活で色々鈍ってるし…」
「…そっか。けど心配だから俺も着いて行っていい?」
…そっか、僕、心配されてるんだ。
無理もない。だって僕は自殺しようとしたらしいんだから。
何をするか分からないかもだし、今の僕には外は危険かもしれないし…
…それよりも
これって、ニグさんと一緒に出掛けるってことだよね…?
僕の心臓はドキドキしていた。
好きな人と一緒にお出掛けって…僕の心臓持つかな…
〈ニグ視点〉
「うわあ…ここのショッピングモール広いね…✨」
目を輝かせながら上を見上げるうたいさんに、俺は思わずくすっと笑ってしまった。
「笑わないで…///」
顔を赤くしながら言われたら、ますます愛おしくなってしまう。
…けど、叶えてはいけない。
凸さんと、うたいさんは…
「美味しい!」
オムライスを頬張るうたいさんは、なんだかハムスターみたいだった。
ああ、やっぱ俺は、うたいさんのこと…
…駄目、だって、やめろ
「…あ、キーホルダー…」
雑貨屋さんの前で、うたいさんの足が止まる。
「うわ、めっちゃ種類ある…」
「ね、これodmnの皆にあげたいな。」
うたいさんは皆のイメージのキーホルダーを一つ一つ手に取っていく。
「…あ、凸さんにもあげないと、会えるかなあ…」
その言葉に、俺は胸が締め付けられた。
「…落ち着かないと会えないかも、べるさん経由で渡そ?」
「うん!」
…凸さん、ごめんなさい。
本来なら、今うたいさんの隣に居るのは、俺なんかじゃなくて…
「楽しかったね!」
「うん。すっごく」
うたいさんの笑顔が太陽に負けないぐらい眩しい。
「…ね、ニグさん」
俺は自然と足が止まる。
「その、この前の返事って、その…あ、全然今じゃなくていいから…」
………もう、終わりにしよう。
はっきりしないままの関係でいたら、俺の心が壊れる。
だから、ここで、断…
ドンッ
「………………はぇ…?」
自分でもアホみたいな声を出したと思う。
だってうたいさんは…
「!?!?!?!?!?!?う”ぇ”…」
とてつもない吐き気。鉄の匂い。
倒れ込んだうたいさんを中心に、鮮血が広がっていく。
ねえ、なんで、ねえ
俺はうたいさんの体を抱き寄せる。
止まらない。血、あっ…あ…
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺はこの日、トラックが大嫌いになった。
コメント
4件
見てる側も辛いけど、物語のおどみんメンバーの精神的にも辛そう…生きててくれ…
ひか…れ…た…ま…た?……え…悲し…
やばいどうしよう我ながら描いてて辛い