「やぁ、影山君!」
彼は花沢君。以前に超能力を使って戦った事があるんだけど、何故か仲良くなって今ではよく遊ぶ友達になっていたんだ。
今日だってもう何回目か分からないけれど、それでいいんだ。
実は僕、花沢君が好きなんだ。
今はまだ花沢君に言わない、ううん、きっと言えない。
花沢君に相応しくなってから告白して振られよう。
とにかく、今花沢君と校門で合流してファミレスに向かってるよ。
遊ぶのにファミレス?って思ったでしょ。今日は2人だけの勉強会なんだぁ…へへ
「影山君、ドリンク取りに行こう!」
「影山君、寒くない?」
「影山君、ここ分かる?」
「影山君!」
…やたら気にかけてくれる
うぅ、普通にしてても大好きなのにそんなに気を遣ってくれたらもっと好きになっちゃう…
だめだめ、花沢君は真剣に教えてくれてるのに!
「うん…///」
僕は最低だ。花沢君に頼み込んで勉強会を設立して貰ったのにさっきからずっと花沢君の顔ばかりチラチラ見ちゃってる。
瞬間、何かが茂夫の右腕から落っこちた。
「あっ。」
アルコールマーカーだった
「影山君、大丈夫かい?」
「あ、だ、大丈夫だよ」
好きな人の前でそんな失態を犯してしまったことが恥ずかしくて心配してくれたのにどもってしまう茂夫。
一度席を立ちアルコールマーカーを拾おうとする茂夫を横目に
「影山君、僕の方が近いから僕が拾うよ?」
「えっ、そこまでしなくて大丈夫だよ」
茂夫が机の下に潜ると同時に花沢も下へ潜る。
机の脚を挟んで2人の目が絡み合う。
刹那、花沢がニコリと笑い、茂夫の白くて細い指に自身の少し武骨な指を絡めた。
しかし驚いて言葉も出ない茂夫を見て
「アルコールマーカー拾ったから、早く机の上に戻ろ?」
と小悪魔な笑みを零す花沢。
表面上はこのように経験が深いように見せかけて、花沢はとても焦っていた。
何故かというと 今日花沢は茂夫が男の子と仲良さげに居る所を見てしまい、何が何でも今日告白しようと考えていたのだった。
無事勉強会が終わり、茂夫も疲れ果てていた。
花沢は緊張で今にも破裂しそうだった。
(よし、今だ…)
「ね、ねぇ影山君」
精一杯平常心を装う花沢と今から何を言われるか分からない茂夫。
「その…ううぅ…」
なんてことだ…自分がこんなに意気地無しだなんて。
「ど、どうしたの?花沢くん」
ほら見ろ、影山君が心配してるじゃないか。
絶対今日告白するって思ってたけど、下の名前を呼ばせてもらうだけにしよう…
「今度からし、下の名前で呼んでもいい、かな…?」
「なんだぁそんなこと。いいよ、じゃあ僕も呼んでいい?」
「!!!も、もちろん!」
「えっと…し、茂夫…君」
「うん、なぁに?輝気君」
うん、まぁ一歩前進だよね!
今直ぐ告白してイチャイチャしたいけど、こういう甘酸っぱい雰囲気もいいよね、