…おかしい
なんだ?今日はやたらとシゲオが色っぽいぞ…
いや俺様は上級悪霊だし性欲はないんだが、
なんだ…この色っぽさは…
じゅるり、無いはずの涎が垂れる。
「…エクボ、汚い」
シゲオが浮いている俺様にジト目で抗議してくる。
おいおいおい!!!上目遣いに何故か火照ってる淡い頬とか…
簡潔に言うと、襲いたい。
「ぐぅ…すまん!俺様は一線を超えるぜ…!
刹那 エクボは横から乱入してきた黒いツンツン頭に吹き飛ばされた。
そう、茂夫の弟の律である。
「はぁ…全く。エクボはこんな低級悪霊も見えないのか?本当に上級悪霊なのか?そもそも兄さんに襲いかかろうなんて低級悪霊の考えだよ。本当に軽蔑するよ。今後しばらくは兄さんに近付かないで。」
と早口で捲し立てられた。
(ん?確かに凄く低級な霊の気配は感じてたな。)
と、真面目に考え始めたエクボを他所に律は茂夫を別室に移そうとした瞬間 ドアを豪快に開けて
「モブーーー!!!!大丈夫か?!?!」
と霊幻が土砂のように雪崩込んできた。
「えっっし、師匠?」
目をぱちぱちと瞬かせるモブとそれを抱き抱える律、そして真面目に考え込む悪霊。
「なんだ…このカオスな空間は」
「てか、霊幻さん勝手に家に入らないでください。住居侵入罪ですよ。訴えますよ?そして金輪際兄さんに近付かないでください。」
「ちょっ、律ぅ〜!俺はこの辺に人に取り憑いてその人を魅力的にさせる悪霊が居るって聞いたもんでな?」
「…出鱈目じゃないですか?僕は実際兄さんになんとも思いませんでしたよ。いつも通りです。」
「いや、取り憑かれた人の好きな人しか影響が出ないらしくてな」
「え、じゃあエクボが兄さんを襲おうとしたのって…」
「エクボにしか効かなかったってことは…」
皆が一斉に茂夫を見る。
そこには全身真っ赤にした茂夫が居た
茂夫は
「…そ、そうだよ…エクボの事がす、すき…」
と大変可愛らしく告白をした。
「え、お、俺様…も」
無事カップルが成立しましたが、エクボは
「悪霊のせいでくっ付いたのが納得いかん」
と怒り心頭だったそうです。
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