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りり
つな大福
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風楽奏斗side
ひばと出会って、半年。
僕はひばのことを好きになっていく一方で。
ダメだって分かってるのに好きになっていく。
これ以上、ひばを好きにならないために。
ひばを傷つけないために。
夏休みに、僕はひばに
僕の病気について話そうと思って。
どこで話そう…って迷った結果
ひばの家に決めて。
ゲームとか、
ひばの作ってくれたカレーを食べて
話すタイミングを見計らう。
お昼を食べ終わって1時間後。
僕はひばに全部を話した。
驚いた顔、悲しい顔、泣きそうな顔。
僕の見たい顔じゃないけど、
こんな顔をさせるのは
今日が最後だと言い聞かせて話していく。
そして、ひばから何か言われる前に家を出た。
⋯そんなことないとは思うけど、
追いかけられたら嫌だから少し走って。
近くの公園に駆け込んで。
誰もいない公園だからか、感情が溢れ出して。
我慢していた物が全部溢れて。
楽しかったな⋯とか。
あの日、ひばに出会えてなかったら⋯とか。
思い返すほど、いい思い出で。
苦しくて、辛くて。
⋯最後に言えばよかった⋯なんて思う。
ひば。
大好きです。
って。
公園でただ泣いてるだけじゃ何も解決はしなくて。
勢いで兄貴に電話を掛ければ眠そうな声がして。
「⋯ねぇ、僕さ話した。好きな人に」
眠そうとか関係なしに
ただ聞いてもらいたくて全部を話せば
「⋯頑張ったな。奏斗。
でもさ、相手の気持ちはどうすんの」
なんて言われて。
「⋯死ぬ僕より、元気で可愛い女の子の方が
好きだろうから」
なんて言えば
「⋯じゃあ、もう未練残すなよ⋯奏斗」
そう強く言われて、
電話を切ってすぐひばの連絡先を、削除した。
それから1ヶ月、本当に会わなくて。
学校が始まっても、時間が被らないようにして。
絶対にひばに会わないようにして。
そんな生活を1ヶ月も続けていれば、
慣れてくるもので。
ひばのことを思い出すことが無くなって。
それと同時に、見える色が減ってきて。
今までは見えてた青も黒に見えて来るようになって。
「⋯なんで⋯⋯」
訳の分からない現象に、自分を責めるだけで。
もう未練も何も残さないって決めたのに。
⋯ひば。
⋯⋯助けて。
なんて思い始めたある日の放課後。
「⋯⋯風楽」
なんて、声がして。
振り向けば、会いたくて会いたくなかった人。
大好きで、大好きだった人がいて。
困ったように笑っていて。
「⋯ひ⋯ば」
そう声に出せば「ん」なんて短いけど
返事をしてくれて。
「⋯言いたいこと自分だけ言って
逃げるなんてセコいじゃん」
なんて軽くパンチされて。
「⋯ごめ⋯なさい」
泣くのを我慢しながら言えば
「まぁてん僕も同じ状況だったらそうしてる」
なんて言われて。
「⋯もう僕には会いたくねぇかもだけど
もう1回僕の家来てくんね?」
会いたくないわけない。
会いたくて仕方ないのに。
ひばの隣は僕がいいのに。
行く。の意味を込めて首を降れば
「ははっ、良かった。
僕も話したいことあるからさ。
明日、一緒に帰ろ。
⋯じゃ、それだけ⋯だから」
なんて言って僕の前を歩いていくひば。
⋯ごめんなさい、ひば。
僕⋯まだひばのことが好き。
この気持ち⋯
もう一回だけ伝えてもいいですか⋯
コメント
1件
うわ、このエピソード泣ける…。奏斗くんの「ひば。助けて」って心の声が刺さりすぎる。病気を伝えて逃げた後も、色が減っていく描写で心情が視覚化されてて切なかった。最後にひばが追いかけてきてくれて良かった…「会いたくないわけない」って気持ち、わかるよ。続きめっちゃ気になる!