博麗神社前……
「あら、あんた達もう帰ってきたの?なら、宴会の準備を手伝ってくれる?」
私達はすぐさま否定しようとしたが無理やり手伝わされた。
宴会の準備はまず、料理班と準備班に分かれる。料理班はその名の通り宴会用の料理を作る。料理班には一人助っ人が来るらしい。
準備班は…簡単に言うと買い出しだ。
「じゃ、くじ引いて。」
班決めはくじ引きで行うらしい。
みんなが順番にくじを引く。
「私は…準備班」
「私は…料理班です〜」
「料理班。」
「準備班だな。」
最後にこちらの私がくじを引く……
「料理班。ね。」
圧倒的人数差……しかも料理班にはもう一人助っ人が来るのよね…
「うーん。人数的に準備班が少ないから…妖夢あげる。」
「料理班に配属されたはずなんですが…まあ、いいでしょう。」
妖夢は納得してくれたようだ。
私達は買い出しに博麗神社を出る。こちらの私は私達が見えなくなるまで見送ってくれた。
「お前らは…」
上空からかすかに声が聞こえる。
この声は……
「よっ!見ない顔だな……。あ!新聞に出てた奴らか!私は霧雨魔理沙。よろしくな。」
こちらの魔理沙が挨拶をする。その表情は一瞬でキラキラと輝き始めた。
自分と姿形が同じ人がいたらそんな反応にもなるだろう。
「お〜本当に私と同じじゃん!霊夢の言うとおりだったな。正直信じてなかったけど。」
こちらの魔理沙が笑顔でいう。そして、私達に手を差し伸べる。
「どうせ霊夢から宴会の買い出し頼まれたんだろ?そんなことなら私も一緒に行くぜ!」
こちらの魔理沙が呆れたように博麗神社を見る。
なんだかんだでこちらの魔理沙も私と仲がいいらしい。
「さ、ここで道草を食っている場合じゃないぜ!ゴーゴー!」
こちらの魔理沙が強引に私達を引っ張っていく。
料理班はというと……
「へぇ〜助っ人って咲夜さんだったんですね。ところで、どんな料理を?」
「うーん…お酒は欠かせないし…まあ、とりあえず色々作っちゃいましょう。」
霊夢さんが拳を突き上げながら言った。
咲夜さんはそそくさと準備を勧めている。
「ん?ふんふん。……いい匂いがしてきました〜これは?何のお肉なんでしょう?」
「これは…萃香が持ってきてくれた得体のしれない妖怪の肉。今日のメインディッシュにしてほしいみたいよ。」
咲夜さんが呆れたように肩を落とす。
そんな反応にもなるだろう。
「得体のしれない肉って……食べても大丈夫なんですか?」
「うーん。どうかしら。今までも何回か萃香がお肉を持ってきてくれたんだけど……いい思い出はないわね。」
こちらの霊夢さんが呆れたように言った。
食べたくはない。
私達は黙々と準備を進めていった。
「で、出来た〜たくさんできましたね。」
「霊夢はサボってただけなんだけどね。」
咲夜さんが霊夢さんを見ながら言う。
霊夢さんはバツが悪そうに目をそらす。
「ま、まあまあ。料理はできたわけですし。それにしても…とっても美味しそう……」
「つまみ食いしちゃだめよ?」
咲夜さんがこちらを見る。
「は〜い。」
私はそっけない返事をすると、料理を並べ始めた。
咲夜さんたちはお酒の準備。
しばらくして…
「よーし!できたー!」
「ただいま〜」
私達が帰ってくると、幽々子は笑顔で出迎えてくれた。
「よっ!霊夢!宴会の準備、捗ってるな!」
こちらの魔理沙が私の横からひょっこりと顔を現す。
「あんたもいたのね。何を買ってきたの?」
「ええと…こっちの魔理沙に頼まれて、なんかのキノコ。妖夢に頼まれてお子様用ーケーキ。」
「ケーキか…レミリアあたりが食べそうね。……魔理沙。またキノコ取ってきて…」
こちらの私が呆れたようにこちらの魔理沙を見る。
「まあまあ、いいだろ?それより、もう暗くなるぜ?宴会の準備はしなくていいのか?」
こちらの魔理沙が外を見て言う。
たしかに暗くなっている。
「そうですね。もう準備をしたほうがいいでしょう。私達も手伝います。」
妖夢がそう言って、料理を運ぶ。
「私も手伝う。よっと。」
魔理沙も料理を運ぶ。
数時間後……
ガヤガヤ…
「騒がしいわね。こっちでも宴会はしてたけど、ここまで騒がしくないわよ。」
私は耳を塞ぎながら愚痴を漏らす。
「お!お前らがへーこうせかい?から来た霊夢たちだな!サイキョーのアタイはチルノ!」
「チルノちゃーん!やっと見つけたよ〜。先に行かないでよ〜!あれ?あなた達は…新聞に乗ってた…私は大妖精です。よろしくおねがいします。」
大妖精が礼儀よくお辞儀をする。
文の新聞の影響力は強い。
「さあ、飲むわよ〜!」
こちらの私が拳を突き上げる。それと同時に歓声が湧き上がる。
「んぐっ…あんた達はお酒…飲まないの…?」
こちらの私が顔を赤くして言う。
「私はこっちの私と違ってお酒の味が苦手で…」
「私も霊夢と同意見だな。」
「私は一応飲めますが…ほんの少ししか飲めませんね。」
こっちの私は「変なの……」らしい。
お酒苦手な人もいるけどね。
「咲夜。このケーキ美味しいわね。」
レミリアがケーキを頬張りながら言う。
「ドカ~ン!咲夜、咲夜!私のぶんは?」
咲夜がクスリと笑うと…
「もちろん。用意しております。」
フランが目を輝かせる。
「くぅ〜やっぱりメインディッシュの肉と酒はサイコーだなぁ〜」
萃香が満足そうに声を上げた。その隣にはもいる。勇儀
数時間後…
「そういえば…あんた達に話したいあるんだけど…えぇとたしか…あんた達!明日にはこの幻想郷を出ていって。あんた達は力が十分ついた。だから……絶対に勝なさいよ!」
そう言って、こちらの私は酔いつぶれて眠ってしまった。
「おうおう、霊夢ぅ〜もう酔いつぶれてちまったのかぁ〜?私達の酒がもう飲めないってことはないよなぁ〜?さあ来い来い。まだまだ飲むぞぉ〜」
こっちの私は萃香に連行されていった。
「ふぅ〜美味しかったです……う、食べすぎました。気持ち悪い…」
「ここで吐かないでよ。幽々子。吐くなら外でやってきて。」
「対応ひどい…ううっ背に腹は代えられない!いってきますう〜〜」
そう言ってそそくさと外に出ていった。
そして私達は就寝することになった。明日からは遂に月の都攻略。きっと勝つ!
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