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第12話:「思想の咆哮」
📷 シーン1:砦の広間、迫る赫兵
星峰特区の山岳地帯に潜むカムリン族の秘密砦。冷たい風が吹き込む岩壁の広間に、ナヴィス、ゼイン、ギア、そしてジャムツァが並び立つ。
ジャムツァは黒と金の僧衣をまとい、長い黒髪を背中で束ね、碧色の瞳で群衆を睨んでいた。彼の立つ壇上には、碧族化されたカムリン族の若者たちが顔を揃える。
彼らは皆、赫共産部隊から逃れた者たち。だがその心には、「碧族としてどう生きるか」の答えがまだない。
そこへ、砦の外から銃声が響いた。
すずかAIの声が静かに鳴る。
「砦の外郭に赫共産部隊の先遣部隊を確認。推定25名。重火器装備、突入準備中です」
ゼインが黒い戦闘服の裾を翻して立ち上がる。
「言ってる間に来たか……行くぜ、迎え撃つ」
📷 シーン2:赫共産部隊との激突
砦の入り口、碧族たちが配置についた瞬間、赫共産部隊の突撃ドローンが襲いかかる。
「——《シャドウ・スピア》!」
ゼインの背後から放たれた碧素の槍が、ドローンの動力コアを突き抜けた。連続する斬撃で赫兵が次々と倒れていく。
ギアは岩陰から支援装置を展開。
「《碧磁界シール》起動。外部通信、遮断完了。10分は持つ」
そしてナヴィスが前へ出た。迷彩フードを脱ぎ、カメラの電源を入れる。
📷 シーン3:演説の火種
ナヴィスは碧族の若者たちに向き直り、壇上に立った。碧素が照らす彼の横顔は、意志に満ちている。
「聞いてくれ! 赫軍兵団が言っている“世界の秩序”ってやつ……それ、本当に正しいか?」
人々の間にざわめきが走る。
「“碧族は人間を超えた存在だ”——それは間違ってない。けど、それを理由に人間を支配して、虐げて、それで本当に誇れるのか?」
ジャムツァが横に並ぶ。彼の碧色の瞳は険しい。
「俺たちは、かつて赫軍に使い捨てられた。ただの兵器として。“生き延びた者”だけが、今ここにいる」
ナヴィスは拳を握る。
「だから、俺たちは選ぼう。奪うのではなく、導く側として。共に生きる未来を作るために!」
すずかAIが静かに解析を伝える。
「演説効果、影響範囲半径15メートル。碧族反応、揺らぎ上昇。信頼値上昇中」
砦の碧族たちは次々と立ち上がり、武器を構えた。
📷 シーン4:新たな共闘
「——来たぞ!」
赫共産部隊の主力が侵入したその瞬間、ジャムツァがローブを翻して手をかざす。
「《グラビティ・ドメイン》!」
碧色の重力波が広がり、赫兵たちの動きを鈍らせる。
ゼインがその間隙を縫って突進する。
「——《フォールトスラスト》!」
赫兵を空中に跳ね上げ、斬り裂いた。
ナヴィスは叫ぶ。
「この戦いで証明するんだ! 支配じゃなく、選ぶ未来を!!」
空を切る碧素の光が、戦場を照らしていた。