花咲病
体から花が生え、その花に栄養を吸われることで死ぬ
発症原因:不明
治療法:不明
母親「あの、奇病を専門にした病院とお聞きしたんですが…」
薫「えぇ、花咲病ですかね?」
母親「はい、最初の方は、まだ落ち着いて居たんですが、最近は、土を食べるようになりまして…少し気味が悪くなり治療して欲しくて…」
薫「分かりました、お任せ下さい、それではお母様の方はこちらでお待ちください。莉珠(りず)ちゃんはこの部屋に入ってね」
薫は母親が座っている所に、飲み物を持っていく。
薫「お待ち頂く間にこちらをどうぞ」
そういい、コーヒーを差し出す。
母親「ありがとうございます。」
母親はコーヒーを口にし、苦しみ出す。
声を出すことも出来ず、ただその場で悶えるだけ
珀斗「さて、花咲病だね、されじゃあ少しこの部屋で眠ってて貰えるかな?」
莉珠「はーい、でも先生。花は盗らないでくださいね」
珀斗「大丈夫だよ」
莉珠は何時間眠ったのだろうか。
気が付くと病室のベットで寝ていた。
遠くから話し声が聞こえる
珀斗「サンプルは出来た、これであとは入れるだけで完成する。」
薫「あの子はどうする?もう用はないでしょ」
珀斗「処理しよう」
莉珠は本能的に殺されると感じた。
薫「あら、聞れてたのかしら、まぁ、どの道これから死ぬんだものどうでもいいわ。」
薫は莉珠の喉を刃物でかき切った。
純白だった病室は一瞬で赤く染まる
珀斗「死体はいつも通り薔薇園の下に植えとこう。」
珀斗「さぁ、お姫様のお目覚めの時間だ。」
薫「涼杏っ…」
涼杏(すず)「んっ…ここはどこ?」
少女が目を覚ました部屋は、研究室のような様々な機械が並ぶ部屋だった。
涼杏「パパ?ママ?どうして泣いてるの?」
珀斗と薫は涼杏を抱きしめる。
薫「良かった。目を覚ましてほんとに…」
涼杏「ねぇ、ママ?この植物ってなに?」
少女の全身には蔓や茎、花といった植物が身体中に生えていた。
珀斗「それは、パパが今から説明するよ。」
涼杏は、奇病にかかり、命が脅かされていた。
それに対抗する為に対となる病が必要となった。
花咲病をベースにその他の奇病の性質も組み合わせ、新たな奇病を作成したのだという。
そして、作成した奇病は、【戻華病】(らいかびょう)
花が生きている限り命が終わることが無くなる。
由来は、命の華が再び戻り咲くことを願い付けたのだと言う。
発症するには、特別な薬が必要なのだという。
涼杏「でも、それって他の人達を犠牲に私が生きてるってこと?」
珀斗「仕方が無いんだ、あの子達の奇病の治療は不可能だった。」
薫「そうなの、奇病自体あまり研究が進んで無くて、治療法も確立されてるまのも少ないの。仕方の無い事なの…」
涼杏「…そっか、私、他の子達の分も生きなきゃね、そして、天国であったら、【ありがとう】って伝えたい。」
薫「良い子に育ったわね、涼杏…」
涼杏「そうだ、パパとママ今の話の中だと何度も死んでるはずのことが起きてたけど…どうして生きてるの?」
珀斗「ん〜、今日はもう夜遅いから、また明日話すことにするよ」
珀斗は娘の頭を撫で、掛け布団をかける。
珀斗・薫「おやすみ、涼杏」
涼杏「おやすみなさい、また明日ね。」
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