「落ち着いた?」
「うん」
数分後、私はやっと落ち着いた。
「俺は沙瑠ゝさぁーもん」
「俺は戸津瑠凸もり、凸さんって呼んで!あ、さもさんはさもさんって呼んであげて」
2人が名前を教えてくれた。
「あ、君の名前は?」
さもさんに聞かれる。
……名前か…
「……ないよ」
「「……え?」」
2人がとても驚いた表情で言う。
親にも「お前」とかで呼ばれてたから名前なんて知らないし…
「……ユキナ」
少しの沈黙の後、さもさんが言う。
「今日から君の名前は沙瑠ゝユキナだよ」
ユキナ…?
「さもさん、その名前って…」
凸さんが何か言おうとして、途中で喋るのをやめる。
「ユキナちゃん、よろしくね!」
さもさんが言う。
「…うん!」
初めてこんなに元気に返事ができた。
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続きが楽しみ