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🖤視点
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阿部ちゃんにバレて
佐久間くんを一人占めにしてた生活も終わりを告げた
今のままじゃダメなんだって
そんな事は始めっから分かってたよ
分かっていたけど、側にいたかったんだ
今のままでいたい俺に佐久間くんは言った
「いるよ」って
さも当たり前のように
「一緒にいるために終わらせるんだよ」
ここでの生活がバレないように
俺に矛先が向かないように
俺が一番の元凶なのに
佐久間くんは俺が世間的な傷を負わないような計画を立てた
なんでって聞いても
全部終わってから話すの一点張りで
こうなると頑として口を割らない
そして
あろうことか阿部ちゃんを巻き込んで、佐久間くんが考えた案に阿部ちゃんが修正を加えていく
佐久間くんと阿部ちゃんの距離が近いのがムカついて、その夜は結構強引に抱いたら、次の日阿部ちゃんに怒られた
「誰のためだよ!!」って
佐久間くんが動くのは俺のため
『幾ら目黒の事が好きだからって、こんな事、許されないんだよ、佐久間』
阿部ちゃんが言った言葉の真意も聞けてない
モヤモヤが募る中、急な仕事が舞い込んだ
人気俳優の降板に代役として抜擢された
その俳優の人気を考えたら俺でいいのかってくらいに光栄なこと
案の定、佐久間くんは大きな瞳をキラッキラさせて「すごいじゃん」って喜んでくれた
そんな風に喜ばれたら見せたいよね?
でも場所は海外
しかも撮影は1週間
毎日、佐久間くんと過ごしていたのに1週間も離れ離れなんて考えられない
それでも佐久間くんは
「行っておいで」って俺の背中を押す
この時にはもう決行するって決めてて
正直、俺が邪魔だったんだ
だから行かせたかったんだ
海外での撮影を終えて空港に降り立つと
俺はすぐに報道陣に囲まれ、佐久間くんが見つかったと聞かされた
しかも、怪我してるって
意識不明で病院に運ばれたって聞いて血の気がひいた
取り乱して、搬送先は、どこの病院ですかって質問ばかりしてくる記者に逆に聞いていた
だって何にも聞いてなかったから
マネージャーの方にも連絡がなかった
事務所の方も急な展開にバタバタしてて、こっちのマネージャーに伝わるまでに時間がかかったらしい
俺はスマホを機内モードにしたままだったから、皆とのグループLINEが動いていた事にも気付かなかった
何も知らなかった事で
リアルに取り乱した事が逆に響いて
次の日の新聞にはメンバー愛がどうこうと、なんか美談っぽい扱いになってた
この事は、後で佐久間くんに褒められる事になる
何となくの計画は聞いていた
それで上手くいくのかと、疑念を抱いてもいたが
「上手くいなくても上手くいくよう強引にでももっていくのッ」
多少強引でも突き進むと
それはとても佐久間くんらしいと思った
でも
こんな無茶をするなんて聞いていない
計画段階ではなかったはずだ
そもそも阿部ちゃんがそんな無茶を許すはずがない
佐久間くんはオタクだけに
設定やらシチュエーションが気になるタイプだ
勝手に演出を加えたに違いない
佐久間くんが見つかり、SNSも大荒れ
記憶喪失なんて実際にあるのかと、見つかった事の安堵や同情の声に混じって嘘くさいと、計画を聞いた時に思った事が、他人の言葉で拡散されていく
佐久間くん自身は面会謝絶で会見どころではない
警察の聴取には応じたようだが、失踪に関しての情報は得られず、そのまま事故として処理されるだろうと聞いた
どうなるんだろうと思っていたら
記憶喪失とは何か、佐久間くんの症状はどんなものか、と医師の診断を元に特集が組まれたりするようになった
脳神経外科や脳神経内科の医師、脳科学者などが登場しては意見を述べ、果ては本当の記憶喪失を体験した人などがメディアに引っ切り無しに登場すると、嘘が本当に変わっていった
ここまで計算に入れていたとしたら凄い
風向きが完全に変わった頃
面会謝絶が解かれ、俺は…俺たちは佐久間くんと漸く会える事になった
事前に佐久間くんのお母さんから話があり、佐久間くんの現在の状況とそれに伴う退所、及び引退が伝えられ、俺は酷く動揺した
どこまでが本当で
どこまでが嘘なのか
海外から帰ってきてからの展開が早すぎて、今まで一緒にいた時間も、ただの妄想だったのではないかと思えた
短い話し合いだったが、継続か解散かはすぐに決まった
全員が目標を新たに進む決意をした
俺が奪ったものは大きい
佐久間くんの入院している病室は個室だったが、流石に全員でのお見舞いは許可がおりず、先にふっかさん、岩本くん、しょっぴー、舘さんの年上組4人が入っていった
残された俺たちは
壁に寄りかかりながら順番を待つ
「あっけないもんやなぁ」
康二が呟いた
解散が決まったばかりで現実を受け止めきれないのだろう
「揉めるよりいいじゃない」
喧嘩別れする訳じゃない
8人で続ける選択も出来たが、佐久間くんのいないSnow Manを想像出来なかっただけ
「そやけど…また、遊んでくれる?」
「うわ、こども~」
「康二が寂しい時はいつでも会いに行くよ」
「あべちゃ~ん」
「これからは時間的に余裕も出来るしね」
「そうだね。ちょっと走り疲れたかな」
全力で駆け抜けてきたから
前だけを向いて
もっと要領良く、バランスが取れていたら…俺もバカな事はしなかっただろうか?
「めめは?遊んでくれへんの?」
ひょいっと顔を覗き込んでくる康二
「遊ぶよ。また、皆で集まれるよ」
「うん。せやな」
その時は、佐久間くんを連れて行けるだろうか
我慢、出来るかな
ずっと一緒にいても不安だったのに
別室で待機していた看護師さんかやってきて、佐久間くんの病室をノックした
「お見舞いの方はそろそろ退席をお願いします」
10分という制限つきの面会
退室を促され、それぞれに声をかけて出てきた4人は笑っていたが、泣いてもいた
「少々お待ち下さい」と、声をかけた看護師さんが中に入っていく
軽い問診やチェックを行い、次の面会に耐えられるかを確認しているらしい
「見た目きついから、覚悟してな」
小さく報告したふっかさんは心配な目をしていた
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