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日暮ミミ♪
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latte
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#溺愛
星キラリ

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楽地みどり
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冬が近づいてきた。私が三十二歳になるのも近づいてきたってことだ。
私は派遣社員の指示担当からは外れて、今は元の業務についている。
私と白田くんは平日の夜によく会うようになった。私の部屋と彼の部屋に順番に泊まって、お互いの家に下着や服を置いておくまでになっていた。初めて彼の部屋に行った時、女の影はなかった。ただただ寝心地の良いダブルベッドがあるだけだった。
さすがにセックス抜きのデートも増えた。それでもくっついて手を繋いでいるだけで安心できた。必ずまた抱かれる自信があったから。白田くんがそう思わせてくれていたからだと思う。そして、する時は「したいからする」「抱きたいから抱く」という気持ちを全身で感じさせてくれた。私も自然と、
「今日はしたい」
と言えるようになっていた。たとえ疲れてるからと断られても次を楽しみにしようと自然に思えるようになっていたんだと思う。実際にはまだ、断られたことはないのだけど。
光田に「確実に綺麗になったよね」と言われたり、社内の男性社員に食事に誘われたりもするようになった。
いつも突っかかってきていた若い女子社員の子も、
「すみません、ここの書き方なんですけど……」
と普通に質問をしてきてくれるようになった。前はこんなことなかったのに。
「これで大丈夫だと思う! このまま進めてみて」
「ありがとうございます」
もしかしたら、彼女ではなく私の方が先に頑なな態度をとっていたのかもしれない。仕事ができなくちゃ完全に自分の存在意義がなくなると、余裕のなさが顔に出ていたのかも。自らお局の沼に両足を浸けこんでいたのだから。
そんな順調な日々を過ごしていたある日のデート。私たちは居酒屋で軽く食事をしてから彼の部屋に帰ることになっていた。半個室の居酒屋で食事を楽しんでいた時、裏側の席から聞き覚えのある声が聞こえてきた。前にもあったなこんなこと。ぼんやりと考えていたが、相手が誰か分かった途端、私は背中にどっと汗が吹き出てきたのがわかった。
洋介だった。同僚なのか同年代らしき男性と女の子二人と飲んでいるようだった。合コンなのかわからないけど、自己紹介をしあっていた。
私は早く出なくてはと思っていたが、料理はまだ全部出ていない。
「えー? 森さんバツイチなの? 素敵なのになんでぇ?」
あー、会社員とかの女性じゃなさそう。喋り方とか服装が。谷間出てるし。私はこっそり女性たちを覗き見た。
「こいつね、セックスレスで離婚されてんの」
「えー! 嘘でしょ。そんなの理由になる?」
「だよね。俺も頑張ったんだよ。でも何十回も抱いた女なんかにもう立たないじゃん。子供を作れば満足すると思ったんだけどね」
「えー、ひどーい」
ひどーい、の後にギャハハと笑う声が聞こえた。
「やっぱり若くてたくさんご奉仕してくれる子としたいよね。君たちみたいな」
「ご奉仕しちゃうしちゃう〜」
風俗の子との食事会か。聞くに耐えない。なにも変わっていない。どうして、大学生の時に見破れなかったんだろう。確かに多少自分本位ではあったけど、そんなの若い女の子にはわからなかったよ。
「どうした?」
多分顔が青ざめていたんだと思う。彼にも後ろからの会話は聞こえていたはずだ。まさか、私の元夫だとは思っていないだろうけど、内容的にショックを受けているんだとわかったのだろう。
「ううん。あまり客層良くないから食べたら早く出よう」
私は小声で言った。
絶対に顔を合わせたくなかったので、トイレにも行かず二人で黙って食事をした。味がしないなと思いながら。
「ごめんね。後でちゃんと話す」
「わかった」
そんな会話をしたその瞬間、洋介が立ち上がって、
「ちょっとトイレ」
と周りを見渡す気配がした。
そして、個室同士を隔てる木枠の隙間からこちらが見えたに違いない。
「美里……」
コメント
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この第11話、すごく心に響きました…。白田くんとの関係が少しずつ温かくなって、主人公も余裕を持ち始めた矢先に、まさかの元夫・洋介の再登場。あの居酒屋のシーン、読んでるこっちまで息が止まりそうだったよ。彼が全然変わってなくて、気持ち悪いほどに「あの頃のまま」ってのが逆に怖い。どうして当時気づけなかったんだろう、って主人公が思うのもすごくわかる。白田くんにどう話すのか、次が気になる…!