テラーノベル
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ある日、彼から聞いた。
奥さんと離婚について話し合い、無期限の
別居をすることになったという。
彼は実家で暮らすことになった。
私は、彼の状況が大きく変わったことを
知った。
これからどうなるんだろう。
彼は何を考えているんだろう。
不安がなかったわけじゃない。
それでも、彼と過ごせる時間は続いていた。
そんな日々の中、今度は私自身が限界を
迎えてしまった。
職場の上司から、仕事についていろいろな
ことを言われるようになった。
頑張らなきゃ。
迷惑をかけちゃいけない。
もっとちゃんとしなきゃ。
そう思えば思うほど、心が苦しくなっていった。
仕事に行くことを考えるだけで、気持ちが
重くなった。
それでも、なんとか毎日を過ごしていた。
だけど、とうとう耐えられなくなった。
私は翌日から仕事を休み、そのまま辞める
と決めた。
急な決断だった。
何もかもが苦しかった。
仕事のことも、これからのことも、考える
余裕がなかった。
ただ、ひとつだけ、どうしても諦められない
ことがあった。
彼とは、ちゃんと話したかった。
仕事を辞めたら、今までのように毎日会う
ことはできなくなる。
それだけは嫌だった。
だから私は、彼の実家へ向かった。
会って、いろいろな話をした。
仕事のこと。
今の自分の気持ち。
これからどうしたらいいのか分からないこと。
彼と話しているうちに、張り詰めていた
気持ちが少しずつほどけていった。
毎日会えていた彼。
毎日話せていた彼。
その彼に、もう簡単には会えなくなって
しまう。
それが、何よりも辛かった。
「もう会えなくなるの、寂しいです」
そういう気持ちが、心の中にずっとあった。
それから私は、週に2、3日、彼の実家に
泊まりに行くことも増えた。
一緒に過ごす時間が、私にとって大切だった。
仕事を失った不安も、先の見えない毎日も、
彼といると少しだけ忘れられた。
彼と話して、笑って、同じ時間を過ごす。
そんな何気ない時間が、私の支えになって
いた。
だけど、幸せを感じる一方で、私は心のどこかで怖がっていた。
この時間が、いつか突然なくなってしまう
んじゃないか。
彼がいなくなったら、私はどうしたらいいんだろう。
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そんな不安を抱えながらも、彼との日々を
手放せずにいた。
そして、あの日が来た。
コメント
1件
うわぁ……一気に現実の重みがのしかかってくる回でしたね。彼が離婚に向けて動き出したことと、仕事で限界を迎えて辞める決断をする場面が重なって、読んでいて胸がぎゅっとなりました。何より「ちゃんと話したかった」と彼の実家に向かう決意をするんだけど、その根底に「会えなくなるのが寂しい」という素直な気持ちがあるのが切なくて。毎日会えてた存在が急に遠くなる恐怖、すごく伝わってきました。あの「あの日が来た」で終わるラスト、次が気になりすぎます…!