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◆ 包囲戦:フランス&中国 vs 全軍
四方から、軍隊が押し寄せる。
戦車、歩兵、空挺部隊――
政府の命令は絶対。
『対象:フランス、中国。理由:命令違反。排除対象。全軍、即時攻撃開始。』
「クソ……本気で潰しに来たヨロシか……!」
中国は歯を食いしばり、大剣を肩に構える。
「上等アル……!」
横でフランスは涼しい顔をしている。
「やれやれ。……政府は、私たちを本当に処分できると思ってるのかねぇ。」
フランスは拳銃を抜き、髪をかき上げながら呟いた。
「ねぇ、中国。ここで死ぬ気ある?」
「死ぬ気なんか、微塵もないアル!」
「だよねぇ!」
──轟音。
四方八方から弾幕が降り注ぐ。
中国は大剣を一閃し、前線の戦車を両断した。
「ふざけんなアル!我は政府の奴隷じゃないヨロシ!」
フランスは、機敏に敵の懐に飛び込み、拳銃を至近距離で撃ち込む。
「命令に背くことが悪なら、私はいくらでも悪になってやるよ!」
軍隊は、絶え間なく押し寄せる。だが二人は、止まらない。
フランスと中国は政府に背いた国家。
それでも、自分の「意志」で立っている。
「……やっと、面白くなってきたアル。」
中国は血まみれの剣を掲げ、フランスは不敵に笑った。
「さぁ、もっと来なよ。命令に殺されるか、私に殺されるか、選びな。」
⸻
◆ ナチスの異変
別戦線。
ソ連との戦闘は、未だ続いていた。
「なぁ、ナチス……そろそろわかってんだろ?オマエ、自分が本当はどうしたいのか。」
ソ連は笑いながら言う。
「オマエ、本当は命令がなくても……動きたいんじゃねぇのか?」
「……俺は……」
ナチスの銃口がわずかに震える。
『次、命令。フランス、中国、排除。協力せよ。』
通信機からの新たな命令。
「……フランスと……中国を……殺せ?」
ナチスは、ゆっくりと拳を握りしめた。
「……了解。」
だが、その声はどこか曇っていた。
「いいのか?オマエ、本当に命令に従うだけでいいのか?」
ソ連はニヤリと笑う。
「……そのうち、オマエの『命令』も、オマエを裏切るぜ?」
ナチスは、しばらく沈黙した。
「……命令に従う。それが……俺の存在理由だ。」
だがその目の奥で、
小さな、小さな『ノイズ』が生まれていた。
⸻
◆ イギリスの静かな決断
イギリスは戦況データを見つめながら、静かに呟いた。
「……ナチス殿が、フランス殿と中国殿に向かった。」
アメリカがニヤニヤと笑う。
「イギリス、どうする?あいつが政府の命令どおり、二人を撃つなら、それで終わりだぜ。」
イギリスは通信機を握りしめた。
「貴殿は、命令に従い続けるおつもりですか?」
「俺は面白い方に乗るだけさ。」
イギリスは、静かに立ち上がる。
「……ならば。」
彼は、通信を開いた。
『こちらイギリス。命令を破棄する。』
アメリカが目を見開く。
「は?」
イギリスは静かに続ける。
『フランスと中国の排除命令に、私は従わない。ナチス殿を追う。』
「イギリス、正気かよ?」
「貴殿が『面白い方に乗る』と言ったでしょう?」
イギリスはわずかに笑った。
「私は、ナチス殿が命令を破る瞬間を見届けたい。」
彼の指が、通信機を握りしめる。
「――私も、貴殿方と同じく、“命令”から自由になる。」
⸻
物語は、
命令の呪縛を断ち切ろうとする者たちと、
それに従う者たちの戦いへと、加速し続ける。
次に向かうのは――
ナチス、フランス、中国の運命の邂逅。