初ノベルに挑戦するよ!
意味深頑張ってみる!
すたーとっ!
《薄明の校舎と六つの影》
夜の学校というものは、昼とはまるで別の顔を持つ。
昼は笑い声が満ちているのに、夜はただの「空っぽ」と「記憶の残り香」。
六人が校門をくぐったのは、そんな時間帯だった。
ぷりっつ「……よし。誰も見てねぇな。鍵、ちゃんと開いてる」
あっきぃ「ほんとに入るんだよね!?
俺、補習より怖いんだけど!」
まぜ太「補習と比べんなよ……
まぁ、ビビってるあっきぃを見るのは楽しいけどな」
ちぐさ「俺は大丈夫だよ……多分。皆がいたら平気」
あっと「目的は“確かめること”だ。逃げるなら今のうちだぞ?」
けちゃ「ぼ、僕は行くよ……もし噂が本当なら、放っておけないから」
噂——
それは最近SNSで広がっている「夜の旧校舎の七不思議」の一つ。
『深夜0時に旧校舎の廊下を歩くと、六人目の足音が聞こえる』
六人で歩いているのに、足音は“七つ”になる。
だが、決して“七人目”の姿を見ることはできない。
ぷりっつ「よし、全員揃ってるか確認な。俺、あっきぃ、まぜ太、ちぐ、あっと、けちゃ……六人」
あっと「人数確認してから旧校舎入るとか、慎重だなぷり」
ぷりっつ「一度変なとこ入って人数増えてたらイヤだろ?」
あっきぃ「縁起でもないこと言わないでよ!」
■ 旧校舎の薄暗い廊下にて
六人が足を踏み入れた瞬間、蛍光灯がチカッと瞬いた。
薄暗い廊下が一気に息づいたように響く。
ちぐさ「……ねぇ、聞こえない? 音……」
しん、とした空気の中に、一定の間隔で——
コ……コ……コ……
けちゃ「これ……僕らの足音?」
まぜ太「いや、ズレてる。俺ら六人のリズムと違う」
あっと「つまり、一つ多い……ってことか?」
あっきぃが肩を震わせる。
あっきぃ「冗談だよね!? まだ0時じゃなくね!?」
ぷりっつ「腕時計……23時58分。ギリだな」
六人の足音に混ざって、もうひとつ。
確かに、七つ目の足音が続いている。
そのとき。
パリン!
廊下の奥でガラスが割れた。
六人は息を呑む。
あっきぃ「うわぁぁぁ今の何ッ!?」
ぷりっつ「うるさッ!」
まぜ太「……行くしかねぇだろ。原因、確かめに」
ちぐさ「い、いやだよぉ……けど……皆いくなら」
あっと「こっちおいで、ちぐ」
ちぐさ「あっとくん!!」
けちゃ「ぷりちゃん……いる?」
ぷりっつ「こっち。行くぞお前ら、離れんなよ」
■ 割れたガラスの部屋
割れたガラスは、旧音楽室の前だった。
中は真っ暗。
しかし——
ピアノだけが月光で照らされ、静かに佇んでいた。
ぷりっつ「……誰かいるか?」
返事はない。
しかし、ピアノの椅子がきぃと動いた。
あっきぃ「ッ! 動いた! 今勝手に動いたよ!」
まぜ太「見ろよ。椅子……“誰かがさっき座ってた位置”に戻ってる」
けちゃ「奏でたあとみたい……鍵盤に、指の跡」
ちぐさ「……さっきの足音の主?」
あっとが廊下側を振り返る。
あっと「……おい。足跡増えてねぇか?」
六人の足跡の横に、見知らぬ子どものような小さな足跡がひとつ。
ぷりっつ「……誰か俺たちの後ろについてきてるってことか」
静寂。
すると、ピアノが——
ポロン……
一音だけ鳴った。
あっきぃ「うわぁぁぁぁ!」
ちぐさ「いやぁぁぁぁぁ!!」
■ 最奥の教室へ
ピアノの音が鳴った瞬間、廊下の照明が一斉に点滅した。
まるで「ついてこい」と言わんばかりに。
ぷりっつ「誘導してる……ってことか?」
まぜ太「選択肢は二つだな。帰るか、進むか」
ちぐさ「みんな…帰ろうよぉ……」
けちゃ「けどはっきりさせたいよね…」
あっと「結局、行くしかねぇか」
六人は照明の点いた方へ歩いた。
すると足音がまた増える。
コ……コ……コ……コ……
ぷりっつ「今、何個だ?」
あっきぃ「あえて数えないようにしてたのになんで聞くのぉ!」
音は七つ……いや、八つ?
分からない。数えるほど混ざり合っていく。
そして六人は旧校舎の一番奥、
“3-4教室”へと辿りついた。
■ 黒板の文字
扉は自然に開いた。
中は無人。
しかし黒板に白いチョークで何かが書かれている。
まぜ太「……なんだ、これ」
けちゃ「“おかえり”……?」
ちぐさ「誰に向けて?」
その瞬間、黒板に——
コツコツ……
自動で文字が追加されていく。
六人は凍りついた。
あっと「……“六人は仲良しだね”……?」
ぷりっつ「……はは。悪趣味がすぎるだろ」
だが黒板はまた動き、
今度ははっきりと、六人全員の“名前”を書いた。
ぷりっつ、あっきぃ、まぜ太、ちぐさ、あっと、けちゃ——そして。
あっきぃ「……ちょ、おい見ろよ! 最後の名前!」
黒板の最後の行に書かれていたのは、見覚えのない一つの名前。
『——けど、なんで“ひとり”だけ、名前がないの?』
ぷりっつ「…………は?」
意味がわからなかった。
まぜ太「いや、七つ目の名前……“あるじゃねぇか”」
あっと「いや……違う。これ、七人“目”じゃねぇ」
けちゃ「文章……よく読んで。
“なんでひとりだけ名前がないの?”」
六人は顔を見合わせた。
誰のことだ?
全員名前がある。
なのに、黒板は——
まるで六人の中に“本当は存在しない者”がいると言っているかのようだった。
ちぐさ「……ねぇ。俺たちって、本当に六人?」
その問いの直後。
後ろから、聞いたことのない声がした。
『やっと気づいた? 僕、ずっと一緒にいたよ』
みんな「…!!」
六人は同時に振り返った。
しかし—— 誰もいなかった。
■ そして、静寂
黒板の文字が、音もなく消えていく。
まるで問いかけだけを残すように。
ぷりっつ「…………帰るぞ。今すぐだ」
誰も反対しなかった。
しかし廊下へ出たとき、六人は全員同じことに気づいた。
足音が——
自分たちのものと“もうひとつ”混ざったまま、
ずっと後ろからついてきている。
あっきぃ「……お、俺ら、六人だよな?」
まぜ太「当たり前だろ……当たり前……だよな?」
ちぐさ「誰かが……増えた? それとも……」
あっと「最初から、七人“だった”?」
けちゃ「わからない。けど……」
ぷりっつ「……“一人だけ名前がない”って、結局……誰のことだ?」
答える者はいない。
ただ足音だけが、六人と同じリズムで鳴り続けた。
まるで——
六人の中に“もうひとり”が混ざっていると証明するように
さて、君たちに問おう…
七つ目の足音は“誰”だったのか?
お疲れ様でした〜!
どうだったかなっ?
最近ちょっと意味深にハマっててやりましたっ!
好評だったら次回もしようかな!
おつるん〜
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