「でも……手負いの状態で勝てるかな?」
(確かに咄嗟なので利き手を使ってしまったのはまずい…!)
「ああ……勝つぜ」
「師匠!!」
サラフィナがハンブルの剣を握り、横に立つ。
「ハンブルの意思を継いで、私も戦います!!」
「!!……それでこそ俺の弟子だ。」
カムイが構えを作り、言う。
「狼だ。分かるか?」
「ええ、17番目の技でしょう?」
「!!さすがだな!」
ジュピットが剣を振り回しながら突進してくる。 それをカムイが受け流しながら技を発動する!
「狼」
攻撃を上手く受け流し、さらに斬撃を入れる。
「ヒューさすがだねー」
「サラフィナ!!突っ込むなよ!」
「ええ。戦いのコツは」
肩にサラフィナが斬撃を入れー
「基礎怠らず」
耳を裂きー
「〜!!」
「己を磨き」
最後に顔に傷をつけた。
「技を進化させる!!」
「さすがだ。」
「くっ…!!」
しかし、やはりジュピットも強かった。
「かハッ!?」
「!?」
ジュピットもサラフィナと同様細かい斬撃をサラフィナに入れていた。しかも小さい傷ながら急所を的確に突いている。これが裏魔天六角の実力だ。
「サラフィナ!!」
敵の眼前にサラフィナが倒れる。あのままでは一突きされて即死だ。すぐにカムイがサラフィナの下へと駆けていく。
「さようなりー」
「やめろおおおおおお!!」
間に合わなかったー鮮血が舞い、絶叫が響く。しかしそれは、ジュピットの声だった。
「い、痛えー!!!!!」
そこに立っていたのは、誰でもないカジだった。
「カジ!?」
「カジくん…!?」
「………裏魔天六角…極悪人か…」
カムイはカジの異変を感じ取っていた。
(カジ……別人のような圧…まさか…別人格!?)
カムイの暮らしていた街には、何でも知っており、カムイを犬神に入れた本人、ミナカタという老人がいた。
「カムイ……救世主という存在を信じるか…?」
「救世主……?」
「ああ……そいつは本気になった瞬間、火の神が宿り、赤髪が燃えたぎるような色に変わるらしい」
「はあ……?」
その時は、まだ幼子だったこともあり、信じていなかった。しかし、
「……本当だったんですねミナカタさん…」
「な、なんなんだよお前!!」
「お前を処刑するために来た……贖罪人だ!」
「カムイさーーーん!!」
「!リチナ」
洞窟の激しい道をリチナが登ってきた。かなりボロボロだ。
「なぜカジは歩けている…?高熱だったはずじゃ…」
「それが…いきなり飛び起きて、飛び起きたと思ったら髪の色とかが変わって、まるで別人みたいに…」
「あれが……火の神?」
「うおおおお!!」
猛虎の如く、ジュピットが叫びを上げながら、剣を振りかざす。しかし気づくと、ジュピットの背後にカジが立っていた。
「ま…、まだだ!!」
その時、ピキピキと音を立てて、ジュピットの刀が折れた。
「!?なっ」
「脆い刀よのぉ」
「遠雷炎!!」
目にも留まらない炎の一撃がジュピットを一閃した。
「かハァ、!!!」
その時、勝利したはずのカジがフラフラしていた。すぐさまサラフィナが支える。それを見てリチナがむっとしているが……まあいいだろう。
「カジくん!!」
「っ……この体も……依代としてはまだ脆い………な」
この言葉を最後にカジは瞼を閉じた。
山の山頂、裏魔天六角の一人、剣角のディアスは、ジュピットの気配が消えたことを感じ取っていた。
「……ジュピットの奴、自惚れるからだ。」
その時、サクサが立ち上がった。
「様子を見に行ってくる。」
フクローも続くように立ち上がった。
裏魔天六角
別名
裏世界の処刑人
コメント
4件
ハッ!! すごい...小説作るの上手いですね?!?!
何故…面白い〜😇 面白かったです!😇