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???「今日は保護者会だな」???「そうですね」

???「オレ親と会いたくねぇな……」


「橙」、「兎白」、「瑠璃人」は、保護者会の準備を手伝っていた。


橙「妖怪のオークションや誘拐の件など、この学園では大きな問題が立て続けに起こってますからね」

兎白「もっと早く保護者会を開いても良かったんじゃないか?」

瑠璃人「オレみたいに親と関わるのが嫌な人いるでしょ?そんなこと言ってる場合じゃないにしろ雫さんなりに考えた結果なんじゃないすか?」

橙「そうですね……」

兎白「よし、保護者の人たちを誘導しよう」


校門を開くと、保護者が入ってきた。


瑠璃人「なぁ。橙、兎白さん!」

橙「何ですか?」

兎白「何だ?」

瑠璃人「保護者会ってことは……雨花の親も来てるんじゃないすか?」

橙「それが何ですか?」

瑠璃人「雨花の親に色々聴き出せば、雨花のことを知れるチャンスが来るかもしれないっすよ!」

兎白「雨花の親なら来ないぞ。雨花が保護者会の紙をみせなかったらしい」

瑠璃人「はぁ!?何ですって?!……くそぉ。あいつの弱みを握るチャンスだと想ったのに〜」

橙「というか雨花さんと桃時さんはどこに?」

兎白「あの二人なら生徒会室で仕事をしている。流石に保護者会の方に生徒会全員で行う訳にはいかないからな。生徒会の仕事もあるし」

瑠璃人「オレもやっぱりそっちの方が良かったな〜」

橙「あなたは私の親に会いたくてこちらへ志願したんでしょ?」

瑠璃人「別に後悔してるわけじゃねぇけど、オレ親に会いたくねぇんだよな。絶対厳しいこと言われるしよ……」

兎白「瑠璃人の親御さんはどんな方なんだ?」

瑠璃人「勉強とか作法とかにめっちゃ厳しいっすよ?もちろん昔ほどじゃないんすけど……それにひねくれてるし、裏でネチネチ海音の悪口言うし……あぁ!!関わりたくねぇ……!!」

兎白「でも保護者会に来てくれるんだな」

瑠璃人「まぁ子供を守ろうとする責任感はあると想いますよ?でもそれが強すぎてオレたち子供から言うと空回りしてるというか……」

橙「良いところもあるなら良かったです。苦手以外にも感じてるものがあるなら。もちろん瑠璃人さんや海音さんは大変だと想うんですが……」

瑠璃人「そうだな。……少し親と話してみるよ」

橙「!、はい」

兎白「あっ俺の母さんだ」

橙「相変わらずお綺麗ですね」

瑠璃人「他の生徒の母親と比較しても超綺麗……すげぇな」

兎白「ん?俺の母さんと話しながら入ってるのは……」

橙「あっ!私の父親です!」

瑠璃人「名札付けてるから親同士誰の保護者か分かるんだろうな」


兎白の母親……虎月と、橙の父親は話しながら会場の方へと向かった。


瑠璃人「…………」


どうせならうちの親とも仲良くして貰えないかな


……できるわけないか。オレの親じゃ……


保護者会が始まるまで、虎月と橙の父親は喋っている。


橙「何話してるんでしょう?」

兎白「少し近づいて聴いてみよう」

瑠璃人「俺も何話してるか気になる!」


橙たちは、二人に近づくことにした。


虎月「橙ちゃんのことはよく兎白から聴いてます。とても頼もしい方だそうで……」

「私も橙からも聴いていますよ。今はとても楽しいと。兎白君にも良くして頂いてます」


橙「な、何か恥ずかしいです……」

兎白「そうか?俺は割といつも通りだが……」

瑠璃人「あの空間だけ何かふわふわしてますね」

橙「まぁ兎白さんのお母様も私の父も、天然なところがありますし」

瑠璃人「(ますますオレの親を会わせる訳にはいかないな。特に橙の父ちゃんとは……)」


虎月と橙の父親は引き続き話している。


「うちの娘はしっかりしているようで、少し抜けてるようなおっちょこちょいのような部分があるんですよ」

虎月「そうなんですか?あらあら。どんなところか聴いてもよろしいでしょうか?」

「いいですよ」

橙「……え」


橙の父親は話す。


「随分前のことなんですが、筋肉屋というラーメン屋さんがありまして。そこへ娘と二人で行ったんです。その時の娘はそれはもう沢山食べていました。ラーメンもチャーハンも餃子も。全部大人サイズをあんな小さい体に全て入れたんです。その時は満足して帰っていました。でも、次の日クラスメイトにその姿をみられていたことが分かり、それ以来、橙のあだ名が筋肉娘になったんですよ」

虎月「あらあら。それは随分と可愛らしいあだ名ですね」

橙「むぅーーーー!!!!」

兎白「橙!落ち着け!!」

瑠璃人「き、筋肉娘……ごっふ…ふふっ…」

橙「ぬぅーーーー!!!!」


橙は兎白と瑠璃人に押さえつけられながら、必死に我慢している。


「それからですね。こんなこともありましたよ。当時橙と私が住んでいた家は、沢山人がいた時があったんですが、その時みていたアニメに「女には墓場まで持っていく秘密がある」という決めゼリフがあるんですが、それを家にいた者たちにずっとキメ顔で言い放していたんです。よっぽど気に入ったんでしょうね」

虎月「そのアニメ、うちの息子もみてましたよ!そのセリフを聴いて「じゃあ俺は男だからそういう秘密を抱えてる女の人を守らなくちゃいけないな」と言ってました。うふふ」

「おぉ!なんと素敵な息子さんなんでしょう」

橙「むぅー!!!!むぅー!!!!」

瑠璃人「落ち着け!橙!」

兎白「…………」

瑠璃人「兎白さんも無言で恥ずかしがらないで!!」


瑠璃人は、必死に橙を押さえ、兎白は恥ずかしさに胸を焼いていると……


「あなたたちが、橙さんと兎白さんの保護者の方ですか?」

虎月「?」

「そうですよ!あなたは……あぁ!」


「「瑠璃人君のお母さん」」


瑠璃人「げっげっ!!」

橙「あの方が、瑠璃人さんのお母さんですか?」

兎白「凛とした方だな」

瑠璃人「堅物の間違いですよ。そんなことより……」


お願いだから変なこと言わないでくれよ……?

マジで!!


瑠璃人の母親は虎月と橙の父親に話しかける。


「はい、そうです。瑠璃人の母親です」

「そうですか。そうですか。瑠璃人君にも良くして頂いてますよ。」

虎月「こんにちは。瑠璃人くんのお母さんなんですね。兎白がお世話になってます」

「挨拶の仕方がお上手ですね。生徒会の中でも特にお行儀の良い方たちの親御さんのだけありますね」

「お行儀よく育てたつもりはないですよ。本人たちの好きなように育てていきたいと勝手ながら想っているので」

虎月「良いことも悪いことも本人たちが決めることですから」


虎月と橙の父親はニコッと笑う。その笑顔は悪意なき子供を想う純粋な優しい眼差しだった。


「!、そう、なんでしょうね。きっとあなたたちの言う育て方の方が子供のために……私のやり方は……」


瑠璃人の母親は下を向く。


瑠璃人「お母さん……」


すると、虎月が瑠璃人の母親に手を重ねる。


虎月「自分のやり方を正しいと信じ込むのは、良くないことですが、他人のやり方を正しいと信じ込むのも、自己意識が消えていってしまって、子供のことを考えられなくなってしまいます。大切なのは、子供がどうしたいかです。子供の感じてること、想ってること。それを少しでも忘れないでいてあげること。子供の意志に百パーセント沿わなくても良い。自分なりのやり方で子供の考えを尊重すること。それが大切なんです。そしてそのやり方で子供を傷つけたら治していけば良い。少しずつ。少しずつ。だから正しいとか間違いとかそういうものに小分けしないで下さい。あなただって一人の人間なんですから」

「…………そうでしょうか。息子は家に帰ってきても、あまり良い顔をしませんし、子供のことを考えるとつい、言い過ぎてしまったり、悪口を言ってしまったり、こんなんじゃダメだって分かってるんですけど……」

「なら、これからは大切にしていけば良いんです。ダメだって気づけたならこれから少しずつ態度で示していけば良いんです。……子供のことを愛していると」


橙の父親は優しく笑う。


「……すみません。ありがとうございます。色々話を聴いて貰えてスッキリしました」

「いえいえ。瑠璃人君はうちの息子にもなるかもしれませんし!」

「……え?」

虎月「あら」


橙の父親はニコニコしながら話す。


橙「あっ」

瑠璃人「くぁw背drftgyふじこlp;@:「」」

兎白「何だ?二人は婚約してたのか?」

橙・瑠璃人「そんなわけないでしょ!!!!」

兎白「あっおい。バレるぞ」


橙と瑠璃人は顔を真っ赤にしている。


「どういうことです?」

「あっ知りませんか?うちの娘が瑠璃人君のこと話す時、とても幸せそうに言うんですよ。それに瑠璃人君も橙のこと好きみたいなので」

「そうなんですね。……あの子好きな子なんていたのね」

「瑠璃人君は、良い子のようですよ。うちの橙じゃダメでしょうか?」


橙の父親は、首を傾けて質問する。単純な質問のつもりのようだ。


瑠璃人「ごくり」


結果は……


「もちろん。構いませんよ。それに私じゃなくて二人が決めることですから」


瑠璃人「!」

橙「だそうですよ。瑠璃人さん?」

瑠璃人「そ、それはその……まさか一番難しいって想ってた親の許しを簡単にクリアできるとは……」


※この二人はまだ付き合っていません


兎白「桃時の親はいないんだろうか?」

橙「言われてみれば確かに……」

瑠璃人「ん?会場の入口前でこっちをじっとみてるのって……」

橙「絶対桃時さんのお父さんですよ!」

兎白「桃時のお父さんは、口下手だからな。うちの母さんたちに何を話したら良いか分からないんだろう」

瑠璃人「オレたちで連れてってやろうぜ」


橙たちは桃時の父親を連れて行った。


虎月「あら。桃時ちゃんのお父さん」

「ど、どうも……」


虎月はニヤニヤしている。


橙「兎白さん。どうして兎白さんのお母さんはあんなにニヤニヤしてるんですか?」

兎白「我が家にはああいう口下手な方がいないからな。うちの母さん少しSっぽいところあるし、面白がってるんじゃないか?」

瑠璃人「面白い母ちゃんっすね」


その後、橙たちと橙たちの親御さんは保護者会を終えると、帰っていった。

橙、兎白、瑠璃人も生徒会室へ戻って行った。


今回出番なし

雨花「桃時ちゃんのお父さん来るんだっけ?」

桃時「来るわよ?兎白のお母さんは来たら面白がるでしょうけど」

雨花「ん?何の話?」

桃時「何でもないわよ」

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