第2章「仄暗い願い」その5
――中央には、二脚の椅子が置かれている。向かい合って鎮座するそれに、二人の人物が腰掛けた。
一人は、大柄な男だ。肌が浅黒く、筋肉質な身体は存在感が強い。
もう一人は女。内に少しカールした短い髪に、人形のように整った顔立ち。その顔には現在、呆れが浮かび上がっていた。
「……はぁ」
ため息で吐き出しても、女の顔に張り付いた呆れは取れない。
「何ため息ついてんだ?」
不思議そうな顔で、男は女に尋ねる。外見の割に、男の表情に圧迫感はなく、むしろ幼い子どものようですらあった。
「なんでさ、こう人間っていうのは争うことが好きなんだろ、って思ってさ」
「争い?」
「どっかしら戦争だとか、攻め込むとか攻撃支援するとか言ってるし。話し合いをしますーってなったら意見の叩き合い、潰し合い……相手を攻撃するようなことばかりしたがるのか理解に苦しむよ。疲れないのか***********
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