テラーノベル
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部屋のドアが勢いよく開く。
○○「ひー!危なかったぜー!」
○○「なぁなぁ、ボードゲーム持ってきた!」
🤍「いいね!」
🤍「やろやろ!」
ラウールがいつも通り明るく声を上げる。
🤍「ほら、康二も!」
🧡「うん!」
精一杯笑ってみせる。
さっきまで泣いていたなんて、
誰も気づかない。
いや、 一人だけ
ラウールだけは知っていた。
夜――。
部屋の明かりが消える。
修学旅行最後の夜。
ベッドは隣同士だった。
🧡「……っ」
静かな部屋に、
小さく鼻をすする音が響く。
🤍「……」
ラウールは目を閉じたまま、
そっと手を伸ばした。
指先が、 かすかに触れる。
🧡「……!」
向井が小さく肩を震わせ、
振り向く。
🤍「おやすみ……」
何事もなかったかのような声。
優しくて、
少しだけ不器用な声だった。
🧡「……おやすみ」
向井も小さく返す。
すると、
握られた手に少しだけ力がこもる。
離したくないとでも言うように。
ラウールは何も言わなかった。
ただ、
その温もりだけを残した。
忘れられない修学旅行になった。
失った恋。
そして――
新しく見つけた恋。
──────────────
それから――
ラウールは以前にも増して、
向井のそばにいるようになった。
自然に。
まるでそれが当たり前であるかのように。
そして――
もう二度と傷つかないように。
変な虫が寄ってこないように。
お昼休み――
後ろの方から、
須藤がちらちらと向井を見ている。
その視線に、
ラウールはすぐ気づいた。
🤍「……」
何も言わず、
さりげなく向井の後ろへ回る。
大きな背中で視線を遮るように。
🧡「ん?」
🧡「どうした?」
🤍「なんでもないよ」
ふっと笑う。
そして、
その手は自然と向井の腰へ。
🧡「ちょ、ちょっと!」
🧡「ここ学校…!!」
顔を真っ赤にする向井。
🤍「いいじゃん」
🤍「付き合ってるんだから」
そう言って、
耳元で小さく囁く。
🧡「ラ、ラウ……っ」
🤍「ふふ」
余裕そうに笑うラウール。
だが本当は、
誰にも渡したくないだけだった。
🤍「かわいいな」
🧡「もう!!」
守るだけじゃない。
慰めるだけでもない。
彼氏として。
一番近くで。
一番近い場所で、
この笑顔を守りたい。
🤍「俺さ」
🤍「ボディーガード兼、彼氏だから」
🧡「なにそれw」
二人で顔を見合わせ、
思わず笑い合う。
向井の隣は――
もう空いていない。
これから先も、
その場所は俺がちゃんと埋めるから。
================
~スピンオフ 須藤の後悔~
昼休み――
教室の窓際。
視線の先には――
ラウールと向井がいた。
ラウールが自然に向井の隣へ座る。
その距離は近い。
けれど、
二人にとってはもう当たり前なのだろう。
🧡「ラウ、それ取って」
🤍「はいはい」
当たり前のように手を伸ばす。
自然すぎるやり取り。
🤎(……なんであいつが)
胸の奥がざわつく。
声をかけようとして、 やめた。
今さら何を言う。
「戻ってこい」?
そんな資格、
もう残っていない。
あの日の修学旅行――
🧡「俺は須藤くんの何なの!?」
あの時の顔が、
今でも忘れられない。
泣きそうなのに。
必死に答えを求めていた瞳。
🤎(……めんどくせぇ、なんて)
🤎(言わなきゃよかった)
本当は 告白された時、
少し嬉しかった。
毎日のLINEも。
何気ない連絡も。
“俺を好きなやつがいる”
その事実が、
どこか心地良かった。
だから甘えた。
だから雑に扱った。
失うなんて、
少しも思っていなかったから。
廊下――
ラウールと向井が並んで歩いている。
自然に肩が触れる。
楽しそうな笑い声。
🧡「こら!」
🧡「ここ学校!!」
🤍「いいじゃん」
🤍「ちょっとくらい」
🤎「……」
立ち止まる。
――友達優先。
――気分次第。
――“別れるか?”
軽く言いすぎた。
脅しのつもりだった。
向井なら離れないと思っていた。
でも違った。
あれは、
ちゃんと突き放していたんだ。
🤎(あいつ……)
🤎(何回泣いたんだろうな)
胸が痛む。
🤎(俺、最低だな)
夕方――
一人で歩く帰り道。
何気なくスマホを開く。
向井とのトーク履歴。
🧡「今日もお疲れ様!」
🧡「おはよう!」
🧡「おやすみ!」
明るい言葉ばかり並んでいる。
俺はそのほとんどを、
既読だけつけて終わらせていた。
スクロールしても、
もう新しい通知は来ない。
指が止まる。
🤎(今からでも……)
そう思った瞬間、
画面を閉じた。
謝る?
戻りたい?
違う。
あいつはもう、
前を向いている。
俺じゃない誰かの隣で。
笑っている。
🤎「……っ」
悔しい。
でも、 それ以上に
寂しい。
こんな感情、 初めてだった。
翌日――
教室。
ラウールの隣で笑う向井。
ふと、 目が合った。
🧡「……」
向井は小さく会釈をする。
ただ、それだけ。
もう特別じゃない。
もう、
自分だけの存在じゃない。
胸が痛む。
けれど、
もう手は伸ばさない。
伸ばせない。
小さく息を吐く。
教室の窓から吹き込む風が、
少し冷たかった。
そして初めて――
心の底から後悔した。
──次回・番外編
コメント
7件

なんか、、、須藤さんのことも可哀想に感じてきました(._. ) でも、やっぱりこーじを泣かせたことは許さない(´◉ᾥ◉`)
🤍🧡の安心感がなぜか半端ない...🤭 須藤さん、ちょっと可哀想に思えてきちゃいました笑😅
(っ 'ω'c)ウゥギャァァァァァ(?) なんか毎回叫んでる気がします。 最高すぎますよぉぉぉ!! 須藤さんもちゃんと心があるんだなぁって思いました(失礼すぎだろ) 中学頑張って良かったぁぁぁ\(*⌒0⌒)♪