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絶対辰哉
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junp_Sn-Fk.
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#あべさく
夢花𓂃𓂂ꕤ*.゚
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最初は夢だと思った。
机の上には飲みかけのペットボトル。
制服は椅子に掛けたまま。
窓の外では、三日前と同じ蝉が鳴いている。
ありえない。
昨日の景色だ。
いや、違う。
昨日じゃない。
三日前だ。
カレンダーの日付を何度見ても変わらない。
震える指でスマホを開く。
最後のメッセージ。
辰哉とのやり取りも、三日前で止まっていた。
💜『今日の帰り暇?』
喉の奥が冷たくなる。
俺は走った。
靴もまともに履かず、玄関を飛び出す。
まだ間に合う。
事故は三日後だ。
なら、変えられる。
変えられるはずだ。
その考えだけが、俺を動かしていた。
💛「三日後、外出るな」
💜「急になんだよ」
💛「理由はいい」
💜「いやよくないだろ」
💛「頼む」
辰哉は困ったように笑った。
💜「熱でもある?」
違う。
熱なんかじゃない。
未来を知っているんだ。
お前は死ぬ。
だから外へ出るな。
そう言えば済む話なのに、言葉は胸の奥で絡まり、現実味を持たないまま崩れていく。
誰が信じる。
俺だって信じられない。
三日後。
俺は朝から辰哉の家へ行った。
鍵なんて持っていない。
インターホンを何度も鳴らした。
💛「辰哉!」
💜「うるさいって」
眠そうな顔で出てきた辰哉の腕を掴む。
💛「今日は家から出るな」
💜「なんで」
💛「お願いだから」
💜「照」
困った顔。
それでも笑っている。
その笑顔が憎かった。
こんな時まで笑うな。
💛「頼むから!」
俺は叫んでいた。
辰哉の母親が驚いて玄関へ来る。
説明なんてできない。
ただ、出さなければいい。
それだけだった。
夕方。
事故の連絡が来た。
家の階段から落ちた。
頭を強く打ったらしい。
病院へ向かった時には、もう遅かった。
目が覚める。
三日前。
また。
次は喧嘩をした。
💛「嫌いだ」
💜「……は?」
💛「もう関わるな」
怒れば家から出ないかもしれない。
そう思った。
辰哉は何も言わず帰った。
三日後。
俺の知らない街で、一人で歩いていた辰哉は、工事現場の足場が崩れて亡くなった。
三日前。
今度は旅行へ連れ出した。
事故の場所から何百キロも離れた海。
青い波。
潮風。
夜空。
全部変えた。
帰らなければ未来も変わる。
そう信じた。
宿へ戻る途中。
対向車がセンターラインを越えた。
視界いっぱいにライトが広がる。
気づいた時には、辰哉だけが息をしていなかった。
三日前。
三日前。
三日前。
数えなくなった。
何回目か分からない。
朝が来るたび胃が痛い。
蝉の声が嫌いになった。
夕焼けを見るだけで吐き気がする。
カレンダーの日付を見るだけで、手が震える。
世界が俺を嘲笑っている。
何をしても同じだと。
何度も。
何度も。
何度も。
辰哉は死ぬ。
ある日は部屋に閉じ込めた。
窓にも鍵。
玄関にも椅子を積んだ。
💜「照!」
💛「出るな!」
💜「意味分かんねぇって!」
💛「頼む!」
💜「説明しろよ!」
💛「できない!」
怒鳴り合いになった。
壁を殴った。
自分の拳から血が流れる。
そんなことどうでもよかった。
夜になった。
安心した。
今日は生きてる。
初めて。
初めて変えられた。
そう思った。
その瞬間だった。
部屋の中で倒れた辰哉は、急性の発作を起こして、そのまま目を覚まさなかった。
三日前。
俺は眠らなくなった。
眠れば三日前になる。
眠らなければ時間は止まる気がした。
目を閉じるのが怖い。
食べることも忘れた。
鏡を見ると、自分の顔だけが少しずつ知らない人間になっていく。
目の下は黒く落ちくぼみ、頬は痩せ、瞳だけが異様に光っていた。
部屋中に紙が散らばる。
事故になる可能性。
死亡原因。
時間。
場所。
天気。
ルート。
食事。
睡眠。
何百枚も書き殴った。
全部、意味がなかった。
ある日。
辰哉が俺を見た。
長い沈黙のあと、小さく笑った。
💜「最近さ」
💛「……」
💜「泣きそうな顔してる」
胸の奥が軋んだ。
💜「俺、なんかした?」
違う。
違うんだ。
何もしてない。
何も悪くない。
悪いのは。
何度やっても、お前を助けられない俺だ。
俺だけだ。
また三日前。
また同じ朝。
また蝉が鳴く。
また空は青い。
世界は何も知らない顔で回り続ける。
俺だけが壊れていく。
少しずつ。
静かに。
取り返しのつかない音を立てながら。
コメント
1件
「何度も何度も、それでも前を向こうとする照くんの痛みが胸に刺さりました。同じ朝が来るたび、少しずつ壊れていく描写が細かくて、読んでいるこちらまで息が詰まるようです。それでも助けたいと思い続ける執着が、切なくも美しい。この先、もし希望の光があるなら、照くん自身も救われてほしいと強く願います……🌷」