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西川side
(あ”ーーー!もう疲れた!)
私は疲れて体育館の隅っこに座る。
今は日向たちのわがままによりまさかの練習試合3回目。いくら体力がある方の私だって毎回走り回るのはきつい。
(バレーだったら全然大丈夫なのに!)
(日向たちは何者なのー!!)
ぼーっと休憩中のみんなを見ていると、谷地さんがこちらに走って寄ってきた。
谷地「西川さーーん!😭」
『んー・・・どうした、?』
谷地「お、お疲れのところ大変申し訳ないのですが、、タオルの補充を・・・!」
谷地「すみません西川さん私より沢山やってくれてるのに、!」
(まじか・・・でも谷地さんが疲れちゃうし、)
『あー、うん!行ってくるね!』
谷地「ありがとうございますー!😭」
か弱い谷地さんを働かせる訳にもいかず、私はタオルを持って体育館を出た。
(えーと戻ったらー・・・)
歩きながら次やることを考えていると、あるものを発見する。
(あ?!あれは猫ちゃん!!)
大の猫好きの私はすぐに駆け寄った。
(・・・周りに誰もいないよね・・・!)
周りを確認して猫ちゃんを撫で始める。
『ねーこちゃーん!』
『どこから来たのー?可愛いねー!』
(ほんと可愛いなー!)
私は愛おしくなると話しかけるタイプだ。
『猫ちゃんのお名前はー?』
(まあ返ってくるわけ・・・)
黒尾「黒尾鉄朗デース(裏声)」
『えわっ?!』
突如として後ろから声がし、上から顔が覗かれる。さっきの黒髪の人だ。
(き、聞かれた・・・!恥ずかしすぎる、!)
黒尾「ちょ、え、」
びっくりした私はその人のお腹に頭突きして2人とも後ろに倒れ込んだ。しかもなぜか黒髪の人のあぐらにすっぽり収まる。
黒尾「ご、ごめんごめん笑」
黒尾「そんなびっくりすると思わなかった笑」
『うー・・・どなたですかー・・・?』
私は恥ずかしさのあまり顔を隠して喋る。
黒尾「黒尾鉄朗と申します。」
黒尾「あ!てか俺汗臭いですから、離れ・・・」
『こ、腰が抜けちゃって・・・!』
黒尾「・・・あー、まじ?笑 ちょっと刺激が、」
黒尾「てかなんで顔隠すの?」
『く、黒尾さんは臭くないんですけど、ちょっと恥ずかしくて、!』
黒尾「・・・・・・えー、」
『く、黒尾さん?』
黒尾「ん、ちょ今俺の顔見ないで。ゼッタイ」
『え、なぜに・・・?!』
やっと顔から手を離せたと思えば、大きな手で目を覆われる。
黒尾「と、とにかく起き上がれマスカ、?」
黒尾「俺が運ぶから、ゆっくり。」
『は、はい・・・!すすすみませんん!』
腰に手を回され起き上がれされる。
(絶対そんな場合じゃないけど・・・!ちょっと恥ずかしい!!)
黒尾「フー・・・考えるな俺・・・無心無心・・・」
『黒尾さん、?』
黒尾「ちょっとあそこのベンチに座りましょ」
私を支えながらゆっくりと歩きベンチに座らせてくれる黒尾さん。
黒尾「ホントごめんね。」
『い、いえ!私こそすみませんお恥ずかしいところを見せてしまって・・・!』
黒尾「・・・夜久とは昔から仲良いの?」
『はい!もうちょーかっこよくないですか!』
『一生憧れです!』
黒尾「そうねぇ、かっこいいかなぁ、」
黒尾「俺もかっこいいけどねぇ」
(なんでみんなかっこよさを私に訴えるのだ)
『・・・?はい!黒尾さんもかっこいいです!』
『手も背も大きくて素敵です!』
黒尾「あーー・・・うん、ありがと、」
(自分から言ったのになんか引かれた・・・?)
『黒尾さんは夜久さんと仲良いんですか?!』
黒尾「仲、は良くないかなー」
黒尾「あいつとは昔から合わないんですよ」
『へー!羨ましい!!』黒尾「何が?」
少し雑談していると大切なことを思い出す。
『あ!私タオルやらなきゃです!!』
黒尾「あ、そうなの?お邪魔しちゃってごめんなさいね。」
『いえい・・・いや、お手伝いしてください!』
黒尾「ん、いいよ。笑」
『えへへー、ありがとうございます!』
(音駒の人はみんな優しいなあ、)
私と黒尾さんは水場でタオルを洗い体育館にもどった。
練習試合が終わり、タオルをみんなに渡しているとノリで夜久さんが音駒の人達とバレーをし始める。
(疲れてないのかな?!すごい!!)
(水も滴るいい男ってやつだ!)
相変わらずかっこいいなあなんで考えていると、再度夜久さんと目が合う。
すると夜久さんがこちらに駆け寄ってきた。
夜久「おーい西川!」
『夜久さん!どうかしましたか?!』
夜久「お前目ぇキラキラさせてしてこっち見てただろ!一緒にバレーやるか?!」
明るいにこにこな笑顔で喋る夜久さん。
(まっ、眩しい・・・!!)
(かっこよくて見てましたなんて言えない、)
『やっ!やりたいですけど私全然バレーできないんです!!』
夜久「良いんだよ!俺が教えてやる!」
胸を張る夜久さんに私はほっこりする。
『じゃじゃあ・・・レシーブ教えてください!』
(男前!!さすが夜久さん!!)
夜久「ふっふ!いいだろうー!!!」
そう言うと夜久さんは私の腕を掴み体育館の隅の方に連れていく。少し恥ずかしいが、誰も見てないからいいか。
夜久「じゃ!俺が投げるからやってみろ!」
『は、はい!!』
(う、上手くできるかな・・・!) パンッ
夜久「・・・は、」
私は緊張しながらもなんとかレシーブでボールを返す。すると夜久さんは固まって足元に転がったボールを拾わない。
『・・・え?!ちょ!何かしましたか?!』
(ままままさか失礼なことを・・・?!)
私が焦ると、夜久さんは驚いたような顔で私に駆け寄る。
夜久「西川おまっ!めっちゃ上手いじゃん!」
夜久「今のすっげー綺麗だったぞ、!!」
『えぇ?!そ、そうですか?!!』
夜久「お前・・・バレー出来たんだな、!」
夜久「すげー上手いよ!努力したんだな!」
『え?え・・・・・・?』
夜久「? 西川どうした?」
今まで上手いと言われたことは何回かあるがみんな才能、ずるいだのと言ってくる。
が、夜久さんは違う。私を見てくれている。衝撃で私は自然とポロポロ涙が出てきた。
(ああ・・・もうほんとにこの人は・・・)
(どれだけ憧れさせるんですか、)
『や、夜久さんにバレーで褒められるなんてすごい嬉しいです、!!😭』
夜久さんを見てバレーを始めた私だ。これ以上に嬉しいことなどない。
夜久「ちょ!!西川?!なんで泣くんだ?!」
突然のことに混乱している夜久さん。
夜久「俺がなんかしちまったか?!?!」
『い、いえ・・・!嬉し泣きです、!!』
『わっ私、夜久さんに憧れてバレー始めたから、!すごい嬉しくて、、』
『ここまで頑張ってきてよかった・・・!』
私がそう説明すると、夜久さんは少し驚いた顔をしてから腕を広げ明るい笑顔を向ける。
『・・・?夜久さん、?』
夜久「そうか・・・そうだったんだな!」
夜久「褒めてやるからこいっ!!」
今まで見た事もないような明るく暖かい笑顔の夜久さん。
(こいって・・・え、?!そーいうこと?!)
意味を理解した私は夜久さんに飛び込んだ。
夜久「うおっ!」
『夜久さーーん・・・😭』
夜久「お前勢い強いんだよー!笑」
『うー・・・すみませんー・・・😭』
夜久「はは!そろそろ泣きやめよ西川!!笑」
いつもとは違い強い力で私の背中を抑える夜久さん。驚きつつも凄く嬉しい。
『大好きです夜久さんー!!😭』
夜久「っ・・・!はいはい、俺もですよー、!」
顔を見せてくれない夜久さんだが、私はすごく満足して夜久さんから離れる。
そこには真っ赤になっている夜久さんが。
『え?!夜久さん?!』
『ひょっとしてお熱でもあるんですか?!』
夜久「いゃ・・・なんもない、」
腕で顔を隠し目を合わせて貰えない。
(ひょ、ひょっとして・・・!!)
(飛びつく勢いが強すぎて嫌われたとか?!)
大焦りな私は夜久さんに顔を寄せる。
夜久「お、おい、近っ、・・・」
『す、すみません夜久さん!!』
夜久「な、なにが・・・だよ、」
『次からは絶対気をつけます!』
『私!次からはもう少し勢い落として飛びつきますから!!』
(き、嫌われたくないよー・・・!😭)
そう大声で言い切ると、顔の近さを今自覚して顔が熱くなる私。夜久さんは固まってから深くしゃがみ込んだ。
(むっ無理!!かっこいい!!!)
恥ずかしくなってそのまま逃走する私。
夜久「つ、次もあるのかよー・・・!///」
終わり.