🎲水白
女体化、ほのぼの、不穏
水「しょーちゃんっ、ぎゅっ!」
白「ぉわぁっ?!」
僕の親友は、距離感がおかしい。
まるでカップルかのようにボディタッチをしてくる。
それを見て、クラスの人は早く付き合えと囃し立ててくる。
正直、僕は困っている……
水「えへへ~っ♪」
白「全くいむちゃんは…w」
水「いいでしょっ♪」
こうやって、ことあるごとに僕にくっついてくる。
休み時間なんかはずっと僕と一緒。
ここまでくるともう恐怖の領域なのだが……
やめてと言うのも可哀想なため、言うことができない。
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~放課後~
6限目が終わって、放課後。
下駄箱の中に一枚の手紙を見つけて、
本当に僕宛なのか疑いながらも開いてみる。
書かれている文字は「校舎裏へ来てください。」という
古典的なラブレターにありそうなものだった。
白「…取り敢えず…行くか……」
校舎裏へ行くことを決心し、生徒玄関を出る。
後ろの方から多数の生徒が会話をしているのが聞こえるが
気にせず道を進む。
白「……っ、?!」
校舎裏着くと、そこに居たのは僕の大事な親友。
…の、はずだった。
水「っ、…ぁはっ、…来てくれたんだぁっ、…♡」
白「いむ…ちゃん、?」
彼女の目は、いつもみたいに輝いておらず、
ただ、ドス黒い嫉妬が渦巻いていた。
水「ねぇッ…ぼくのことすきっ、?」
白「そりゃ、大切な親友やし……」
水「違う」
僕の言葉に否定を入れると、
彼女は僕の顔を自分に寄せてキスをしてきた。
白「…は、?」
水「こういう好き…ぼくは……」
水「でも、受け入れてくれないの…?」
僕とっては親友だ。
これ以上の関係になるつもりはない。
白「…ごめん」
水「………恋人になってくれないなら殺してやる。」
白「へ、…?」
今の彼女は、僕の知ってる親友ではない。
本能がそう言った。
いつもの明るい笑顔はどこだろう?
いつもの上機嫌な声はどこだろう?
わからない、見つからない。
ここに居る彼女は、嫉妬に狂った王女のようだ。
本で読んだ、あの王女と似ている気がする…
水「…いつも周りに女の子ばっかで、ぼくのことどうでもいいの?」
水「ぼくの頭も撫でてよ、あの子達みたいに可愛がってよ」
水「……体だけでもいいから関係もってほしい…」
白「っ…ほんまにごめんっ、親友やし、そんなことしたくないねんっ…」
どうやら感じていた嫉妬の正体はクラスの女子達へ向けたものだったらしい。
僕が好きだからと一方的な感情だけで動くのは間違いだと分かっていると
彼女はいつもより真剣な眼差しで言う。
水「………おねがいッ…」
喉の奥から出る掠れて息が吸えないような声で言われる。
こんなとき、どうするのが正解なのだろうか。
建て前でも、『いいよ』と了承すべきか、
どれだけ言われても、断るべきか……
女子の気持ちがわからない僕には彼女の求める答えがわからない
水「……」
白「………ごめん。」
水「っ…ぅッ……、」
再度、断ると彼女はボロボロと泣きながら
顔を覆い隠す。
そうして、崩れ落ちて酷く悲しむ。
水「ッッ、ぐ、ぅあッ、……」
白「い、いむちゃん…」
水「ひぐっ…いぃッ……、さわッ、ないでッ”、……」
白「ぃや、…な、泣かせるつもりは……!」
水「ぐすっ……ひッ…ぅぐッ…、」
涙を流す彼女をそっと抱き締める。
こうすれば、少しは落ち着くのではないか。
そう本能が言っていた。
……なんて、儚い思いも束の間。
知らぬ間に僕の腹には小さめのナイフ、果物ナイフほどの長さだろうか。
凶器が刺さっていた。
白「ッッ…っかはッ……?」
水「…言った、よねッ……ころッ、す、って…」
彼女はまだ少し泣きながら告げる。
確かに、そんなことを言っていた気がする。
冗談だと、受け取ってしまっていた。
水「ねッ……来世、ではッ…恋ッ人に…なっ、てッね……?」
白「ぁ”…………」
言われた言葉に対して、『うん』や『わかった』と
応えることができずに、僕の意識は薄れていった。
翌日、起きたときにいた場所は病院。
母親が見舞いに来ていた。
後から知らされたことだが、あの後
いむちゃんも腹を切って一緒に病院に運ばれたそうだ。
…残念、という表現は合わないだろうが……
彼女は、亡くなった。
『来世では恋人になってね』
そう言ってくれた彼女の願いを叶えられず生きてしまった。
今からでも遅くない。
親友の頼みだ、叶えられなくてどうする。
~数週間後~
僕は退院後、自室で首を吊って自殺した。
友情なのか、愛情なのか定かではないが
重いのは、僕の方でもあったと死んだ今では思う。
コメント
1件
うお~、すげえ、、 しょうさんが自○したのは 罪悪感のせいかそれとも、うん