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篠田と冥王の激戦が続く中、激しい攻防の末に篠田の体には無数の切り傷が刻まれ、血が滴り落ちていた。だが、篠田の目は鋭く、闘志はまったく衰えることがなかった。
一方で、冥王の虚無の手も篠田の剣技に翻弄され、効果的な一撃を与えられずに苛立ちを見せていた。その瞬間、冥王はニヤリと笑い、言い放つ。
「どうした、サラリーマン剣士よ。その血は、無意味に流れているだけではないか?」
冥王の言葉に、篠田は薄く微笑んだ。その表情には迷いも恐れもなく、むしろ覚悟と決意がにじみ出ていた。
「血とは、ただ流れるためにあるわけじゃない。流した分だけ、この命は輝くんだよ。」
その言葉を聞いた鋼谷もまた、篠田が放つ気迫に息を呑む。篠田は血で染まった掌を握りしめ、再び鉄鎖を構えた。その手には、自分の生命を削っても守り抜く覚悟が込められていた。
「いくらでも流してやる。お前に俺たちの『覚悟の血』を、思い知らせてやるよ!」
篠田はそのまま渾身の力を込めて冥王に突進した。血で濡れた鉄鎖が冥王の虚無の手と衝突し、二人の間で激しい衝撃が走った。その瞬間、篠田の背後から鋼谷も一緒に飛び込み、力を合わせて冥王に立ち向かう。
篠田の血で染まった鉄鎖と、鋼谷の強靭な意志が交わることで、ふたりは絶望的な状況の中で一筋の希望の光を見出していた。彼らの決死の戦いは、ただの戦闘ではなく、命を賭けた覚悟の象徴として、燃え上がっていた。
それでも冥王は、冷酷な笑みを浮かべながら最後の力を振り絞る。
「ならば、その血も覚悟も…虚無に返してやる!」
闘いの結末がどうなるか、今は誰も知ることができなかったが、篠田と鋼谷の決意が、冥王を僅かに揺らす兆しが感じられた。