私と妹と一緒に作っている為、語彙力&文章力が変わる可能性があります。
似たようなお話が別にあるかもしれません。もしあったらすみません
1話は嫌がらせで過呼吸起こしちゃったりするお話
身長 160cm
体重 45kg
クラス 1話:C2 2話:B1
喘息持ち。
(三角視点)
仕事がやっと終わり、帰ろうとした。帰るためにあまり人通りのない廊下を歩いているとヒュッ、ハッなどという音がした。
音の方へ行くと、震えながら過呼吸を起こし、泣いている桐山の姿があった。
「真似しろよ?吸って、吐いて、吸って、吐いて…」
「ヒュ…ハーッ…ハーッ…」
「大丈夫か?」
「…は…い………すみま……せん……」
掌で目元をゴシゴシと擦りながら言う。
何があった?と聞くと黙り混んでしまった。
「大丈夫だ。ここは誰もいない。俺達だけしか居ないから。ゆっくりで良いから、話して。」
と言うと、少しずつ話始めてくれた。
俺は腹が立った。未成年に酒をませたこと自体、悪い事だがそれに加え暴力をふるい、、暴言を放った。腹がたったからやった、そんな言い訳通用しない事をされていた。
一旦家に連れて帰ろう。そう決めた。
「桐山、もう遅いからそこの部屋で寝てろ。」
「ぁ…はぃ…」
桐山はぺこりとお辞儀をして部屋に行った。
深夜(三人称視点)
零は急に、昔の事を思い出した。
懐かしい寝室が頭に浮かび、苦しくなる。9年前のこの頃は…まだみんな生きていたのに。隣を見てもあの優しかった母は居ない。夜になれば横で眠る母に、母を挟んで眠る妹のちひろ。母とは逆側の零の隣には、仕事に行けば零が起きている間に帰ってくることの少ない父の布団。和室に布団を並べて敷いて、家族4人一緒の部屋で寝た。いつかの晩の寝かしつけを遂げた母と仕事帰りの父にそっと頭を撫でられた優しい感触をぼんやりとだが覚えている。零を見つめる両親の穏やかな眼差しは目を閉じていても感じられて、何故かとても気恥ずかしくて、そのまま目を閉じて寝た振りをしていた。
「お母さん…」
口から何気なく声が漏れた。微かに空気を揺らすだけの小さな呟き。およそ9年ぶりに口に出したその言葉でそう呼べる人は今はもう零の傍に居ない。あまりにも突然すぎる、家族を失った痛みに対処の術も持たず戸惑ううちに、気が付けば葬儀場で。悲しみは周りの親戚のざわめきに押しやられ、行き場をなくし、幸田の家で蓋をした。しかし今母を呼ぶ度、固く閉めたはずのその蓋の紐が緩んでしまった。
冷えきっていた手足が嘘のようで、急激に目頭が熱くなる。じわじわと湧き出る熱いくらいの熱に耐えるように瞼をきつく閉じても無駄で、緩んだ涙腺のせいで零の目から大粒の涙がぼろりと溢れた。
「お母さん……」
いくら呼んでももう来ないと頭では分かっていたはずなのに。
詰まる胸から吐き出す吐息。零は堰を切ったように何度も母を呼んだ。声に出すと、応えてくれる声はもう無いのだという事実が胸を締め付ける。
母に会いたい。悲しくて、恋しくて仕方が無かった。
「おかあさぁんッ…おかあさッ……」
喉が引き攣れうまく言葉にならず、嗚咽混じりの鼻声で母を呼ぶ。その度に引き絞られるように胸が痛んだ。本当はずっとずっと痛かった。あの日、遺体安置室で並んだ3人を見たその瞬間からずっと、その刃物は零の心に突き立てられたままだ。
「おいてかないでよ…」
ひとりにしないで。僕だけをおいていかないで。迎えに来て。僕もそっちに連れて行ってほしかった。ひっきりなしにしゃくり上げ、まともに息継ぎができなくともひたすらに恋しい母を呼び続ける。他愛ないことで笑ってくれた自分の母親を思い出してしまう。それどころか父と言い合う姉にすらも羨望を零に抱かせた。零はそれらから逃げるように背を向けて布団にくるまったのだ。羨ましかった。狡いと思った。家族を失った子供として目を掛けてもらっているのは分かっている。親族からの引き取り手がなかった零に伸ばされた手の存在はとても幸運なことだと理解している。しかし、両親の注目を第一に集めるのはやはり実子で。幸田の父の香子へと向かう目線に追い縋りたかった。幸田の父が欲しいんじゃない。父親という存在が純粋に悲しい程に羨ましかったのだ。
どうして自分が家族を喪わなければならなかったのだろう。どうしてみんなは僕だけを置いていってしまったの。母に会いたい。父に会いたい。妹にまた兄と呼ばれたい。また皆で一緒の部屋で眠りたい。微睡むほどの温もりが確かにあった、あの頃の家に戻りたい。
どこに行っちゃったの。
零は腕を交差し、微かな声も漏らさぬようにと丸く、小さな身体を更に縮こまらせた。このまま消えてしまえたらいのに、そんな事を考えてしまう。そんな時だった。
「ー桐山…?」
小さな嗚咽が部屋から漏れてしまっていたのか、不意にカチャリと音がした。びくりと小さな肩が跳ねる。音の鳴った方向を見ると開いた隙間から廊下の明かりが細く入り込み、その眩しさに少し目がくらんだ。
のどが渇いてつい起きた。
桐山を寝かせた部屋の前を通った。
部屋から子犬が切なく鼻を鳴らすような啜り泣きが聞こえる。聞く者の胸を締め付けるような、切なく訴えるような泣き声だった。
「ー桐山…?」
そっとノブを回した先の光景に、三角は思わず息を呑んだ。
三角のつけていた廊下の電気に照らされ、驚きに目を見張り、頬に光る二本の線がはっきりと見える零と目が合った気がした。
泣いていた。
「三角さッ…なんでも…ないので…ッ」
零は泣いているのを隠すように言った。
「大丈夫だ。泣きたければ泣いていいんだ。俺は誰にも言わないから」
と三角は優しく言った。
大丈夫、泣いても良いと言い聞かせるように何度も繰り返し言った。
零は小さな子供のように泣きじゃくった。
激しくしゃくりあげる桐山に内心満足に息が吸えていないのでは無いだろうか、また過呼吸を起こさないか心配な三角。
10分程たった頃。
「落ち着いたか?」
「ごめ…なさい……」
「大丈夫だ」
(桐山視点)
なんて事が去年あったから…なんとなくスミスさんには逆らえない……
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