コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私は旅に出た。父の財布から3万円を抜き取った。目的地は既に決めている。駅に向かっている途中、ふと生暖かい風が頬を触れた。季節は初夏になっていた。駅に着くと不思議に解放感があった。私は切符を買って、電車に乗った。
電車の中は空いていて、初老の男と私だけが居た。男は新聞を読んでいた。男は此方に気付いたようで、私に向かって微笑んだ。唯微笑むだけだった。気味が悪くなった私は、男を無視し、目を閉じた。
目が覚めると男は居なく、電車の中は人で賑わっていた。夢を見ていただけか。いや、本当に夢なのか。
駅から出ると、目の前には美しい景色が広がっていた。太陽の光が辺り一帯を照らし、湖の水面が山々を写していた。まるで水彩画のようだっだ。