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【能力者名】 妖怪沢どろり
【能力名】 メルト
《タイプ:擬態型》
【能力】 手の平で触れた相手をどろどろに
とかす能力
【以下、細菌達の記録】
今日のボランティア部の活動は、妖怪沢どろり 一人による猫探しだった。
ボランティア部の一員である海街深蔵は最近推してる歌い手のLIVEを見るためと部活を休み、もうひとりの部員の 恋原表裏一体は、
『ごめーん☆今日友達と予定あるからー。』
と他の女友達と遊びに行った。
(薄情ものどもめ。)
どろりは心の中で悪態をついた。
さて、今回の依頼人、米津学園の二年生女子、 猫又嫉妬は 二つの鈴のついた猫の写真を渡してきた。
家出をして一週間が経ちまだ戻らないそうだ。
どろりは自分の作ったホームページと
SNSに猫の写真と名前を乗せ、情報を募った。
そして自身も、自転車に乗って猫を探して、
探して、探して、探した。
途中襲ってきた能力者を《メルト》で抹消したり、コンビニ強盗をメルトで抹消したりして猫を探し回った。
そして、どろりはようやく猫を見つけた。
……..しかし、猫は車に轢かれていた。
猫の腹から腸と大量の血が流れている。
猫は力なく、ひどく苦しげに鳴いていた。
どろりにはどうすることも出来なかった。
どろりの能力《メルト》で苦しまずに溶かして消してやりたかった。
しかし、《メルト》は人間にしか使用できないため苦しんでる猫をどうにもしてやれなかった。
どろりは 自分の無力さを呪った。
ほどなくして猫は息を引き取った。
どろりは市役所役場に連絡して、そして
飼い主である猫又に連絡をした。
駆けつけた猫又は猫の死体を見るなり へたりこんで涙を流した。
「……本当にすまない。こんなことになって
しまって……..。」
どろりは力鳴く項垂れた。
「妖怪沢くんは悪くないよ……….。
ごめんね、みーちゃん、ごめんね……….。」
猫又は猫の名前を何度も呼びながら泣いた。
どろりは猫に長いこと手を合わせた後、
家路についた。
どろりはかなしいことが嫌いだった。
どろりは自分の無力さをただ呪った。
自転車を漕ぎながらどろりは月に手を伸ばした。