行った先はお好み焼き。
深澤先輩はここでもお好み焼きを頬張る俺をニコニコと見ている。
🖤「そんな見られると恥ずかしいんですけど」
💜「あぁ、ごめんごめん」
深澤先輩は笑いながら自分も食べ、追加の鉄板焼を頼んでいる間に切り出してきた。
💜「目黒は、阿部ちゃん好きなんでしょ?」
🖤「えっ」
💜「みんな知ってるよ」
顔がブワッと熱くなった。
🖤「みんなって…噂になってるんですか」
💜「まぁまぁ、悪い意味じゃないよ」
🖤「なってるんだ……」
頭を抱える俺に深澤先輩は言う。
💜「阿部ちゃん、ずっと大恋愛してたんだけど最近失恋して」
🖤「え」
💜「見てらんないくらい落ち込んでたからさ、どうやって励まそうかみんな悩むレベルで」
🖤「それっていつ頃の…」
💜「お前ら入ってすぐくらいかな?」
ちょうど阿部さんが校舎の隅で泣いていた頃だ、なんて考えていると『でもさ』と深澤先輩は続ける。
💜「目黒のおかげで、阿部ちゃん確実に立ち直ってるよ。だからうまくいくといいなって、応援してるよ」
🖤「あの、みんなって誰なんですか」
💜「阿部ちゃん界隈」
🖤「界隈…」
深澤先輩を含め、阿部さんと付き合いの長い人たちが3年生にいるらしい。
🖤「ちなみに、その大恋愛の相手って」
💜「前の生徒会長ね。阿部ちゃんのこと買ってて、会長に推したのもその人」
どこから見てもいい感じだったけど、相手がお偉いさんの息子だったからなんか縁談が決まってたとか何とかで…と聞かされた。
🖤「お互い嫌いになった訳じゃないんですね…」
💜「心配すんなって、もう会わせてももらえないから」
まぁでも恋の傷は恋で癒やせってね、と笑ってから深澤先輩は真っ直ぐに俺を見た。
💜「だから、目黒さえ良ければこれからも阿部ちゃんの傍にいてやってよ。よろしくね」
🖤「はい…」
深澤先輩はご飯も奢ってくれた。
阿部さんを知る人たちが応援してくれているんだと思うと、恥ずかしいけど心強かった。
更に別れ際、『ここだけの話、阿部ちゃんも満更でもない感じだから』と言われ、俺は浮足立つのを抑えられなかった。
コメント
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ふっか、いい仕事しとる
みんなあべべの事見守ってくれていたんだ優しいね(*^^*)そしてこのままめめくんとお付き合いになったらいいなぁ~♡
いいね、いいね🥹