音のしない、安心できる空間で俺は爆睡していたらしい。
岩本は大きなビーズクッションに埋もれて寝ていた。
家に帰らなかったら、『ちゃんとみんなで集まらないと!家族なんだから!』と親が煩い。
母親なんて集まった末に父親と喧嘩して昼間に浮気相手を連れ込んでるんだから世話ない。
岩本が俺を連れて出る時、拘束されてるのを見て『何それ!?』と驚いて浮気相手に詰め寄っていたからきっと大喧嘩しただろうな。
岩本に近づいて揺する。
💙「起きろ、風邪引く」
💛「ん〜…大丈夫です」
ふにゃふにゃ起きた岩本は、本当にさっき俺を抱き上げて連れ出してくれた岩本と同一人物なのかと思うくらい幼い顔をしていた。それなのに
💙「俺帰るから」
と言った途端、急に鋭い目になって『ダメです』と制止した。
💛「人の家を悪く言いたくないですけど、あんな危ない目に遭ったのわかってて帰らせられない」
💙「岩本…俺帰らないと、家族がうるさいから」
💛「だから何ですか?俺いつでも助けられるとは限らないですよ?見捨てるような真似できない、もう遅いし今日は絶対に帰しませんから」
インテリヤンキーモードになってる岩本に反論なんてできない。
何だよこいつ。どっちに転んでも強く出られないじゃんか。
💙「…わかった」
諦めた俺を見て穏やかな顔に戻る。
💙「でも、俺がそっちで」
💛「じゃあ一緒に寝ます?何もしませんから」
💙「は?」
何でこうなった。
岩本が拘ってバイト代を貯めて買ったという大きなベッドに2人。
しかも寝られない俺をよそに岩本はさっさと寝息をたてていた。
コメント
8件
どっちに転んでも逆らえないのいいよねー
何もしませんから、かあ🙂いいね、なんか、優しいし、しょっぴー💙の周りにいないタイプだよね。
清いねー! センシティブ書いてたから反省したわw