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登場人物
僕(庶務): 淡々と、どこか冷めた視線で事態を見守る生徒会役員。
生徒会長: 情熱的だが空回り気味。承認欲求と正義感が強い。
生徒会役員たち: 校門前で声を出すガヤ。
僕: 僕の学校には、生徒会が設置した「お気持ち箱」というものがある。学校生活でも個人的な悩みでも、困っていることを書いて投函してほしい。そんな建前でスタートした取り組みだ。ただ、先生たちはなぜか微妙な顔をしていた。理由はよくわからない。
生徒会役員たち: (校門前、元気よく)「ご意見くださーい!」「お悩み、何でも書いてくださーい!」
僕: 水曜と金曜になると、生徒会の人たちが校門前で声を張り上げ、お気持ち箱を抱えて立つ。しかし結果は毎回ゼロ枚。箱はいつも空っぽのままだった。それが面白くなかったのか、生徒会長は権限を使って全校集会を開くことにした。
生徒会長: (壇上でマイクを通し、エモーショナルに)「私みたいな人間でも、こんなに悩みがあるんです! みなさんにも、ありますよね? 隠さずに、その声を聴かせてください!」
僕: 壇上に立った会長は自分がどんな気持ちでいるのか、何に悩んでいるのか――それを延々と語り続けた。集会は微妙な空気のまま終了した。そして次の日。
僕: (驚きを含んで)「……なんだこれ」
僕: お気持ち箱はあふれ返り、箱のふたが閉まらないほどの“お気持ち表明書”でいっぱいになっていた。庶務の僕はその箱を生徒会室まで運び、錠前を外して中身を確認する。正直、内容は想像できていた。「生徒会長をやめさせろ!」そんな手紙がぎっしりだと思っていた。ところが、一枚目を開いた瞬間、僕は予想を裏切られた。
僕: (手紙を読み上げながら)「……『自己中心的でいい感じに滑稽な生徒会長さんの演説、動画サイトに投稿して小遣い稼ぎしてもいいですか?』」
僕: (堪えきれずに)「……ふっ」
僕: 思わず、笑ってしまった。