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[氷雨視点]
敵の基地の薄暗い廊下を二人で走る
任務はすでに終わってあとはおとなしく帰るだけだ
認証が必要なゲートなどは音のしないサイレンサー付きの銃で撃ってショートさせて通り抜ける
このまま行ったらさっと逃げられそうだ
「文也。最後そこ」
最後のゲートを撃って貰うべく声をかけると文也は一瞬の思案のあと指示した所から数cm程ずれた所に銃弾を撃ち込んだ
瞬間警報が鳴り響き赤いランプが点滅する
「文也···てめぇ···」
「ごめんごめんw”うっかり”」
文也を睨みつけるとへらへらとして言い訳とも言えない言い訳をのべる
文也は300m以上離れた所からでも敵の頭を撃ち抜く事が出来る程の銃の腕前をもっている
要するに”うっかり”ではなくわざとだ
俺が再び口を開こうとしたところでドタドタと大人数の足音が近づいてきた
「くるよ」
文也は明らかに楽しんでいる
やはり静かに任務をこなすだけでは満足しなかったようだ
曲がり角に先頭の人物が見えた瞬間俺も銃を取り出し、構える
敵の肩や足を撃ち足止めしている間に文也がゲートを開け非常階段に出る
近くまできた敵を蹴り飛ばし距離を取る
敵を撃ちつつ左手で手榴弾を取り出し口でピンを引き抜く
文也と視線をかわしてからその手榴弾を敵たちへ投げつけて非常階段から二人で飛び降りた
爆発音とともに地上に着地した俺らは車に乗り込んで現場を後にした
[文也視点]
「っあー楽しかったぁ!」
二人でシェアしてすんでいる家に戻り、ぐっとのびをする
ふと氷雨の方を見ると冷ややかな目線を俺に向けていた
「おい、文也。さっきの明らかにわざとだろ」
氷雨の言葉にへらっと笑って口を開く
「だって静か過ぎてつまんなかったじゃん?氷雨は真面目だなぁ。俺より3つも年下とか信じられないw」
「文也がいい加減すぎるんだろ」
やば。怒ってる氷雨可愛い。
俺のこと見上げてるの萌えるわ
内心全く別のことを考えながら喋る
「今回も臨機応変な対応すごいね氷雨」
俺がにやにやしながら氷雨の頭を撫でると氷雨は照れたように目をそらして緩慢な動きで俺の手を押し退ける
「文也が突飛な行動ばっかするからなれたんだろうが」
俺は悪態をつく氷雨の肩を壁に押し付ける
「さすが俺の氷雨」
耳元でそうささやくと氷雨はぶわっと頬を赤らめた
「···ふざけんなよ/////」
氷雨は赤くなった頬を腕で隠してそうつぶやく
「ふふっいいねその顔」
「馬鹿野郎///」
氷雨を解放してやると頬にまだ赤みを残したまま悪態をついてきた
うわ可愛い。
「夕飯作っとくからお風呂入ってきな」
「ん。」
少しふてくされつつも、おとなしく浴室に向かった氷雨を見送る
「···俺の彼女可愛すぎ」
思わずつぶやいてから食事作りに取りかかった
からっと揚がったエビフライを油から取り出し、炊き上がったご飯をお茶碗によそおうとしたところで氷雨が浴室から出てきた
「あっエビフライじゃんうまそ」
近づいてきておれの手元を覗き込んだ氷雨の頬は風呂上がりで血色がく、そこを髪から落ちてくる水滴が伝う
「髪の毛まだ濡れてるよ?かわかさないの?」
「後でいいだろ。ハラへった」
本人は早く夕飯を食べたいようだが濡れたままはよくない
「さっと乾かしちゃうからソファ座って」
「んぇーめんどいだろ」
「すぐ終わるから」
不服そうにしている氷雨をソファに座らせてドライヤーをコンセントにつなぐ
氷雨の濡れたつややかな黒髪をてぐしでとかしながらドライヤーをあてて髪の毛をかわかしていく
おおかたかわいてきたところでふと氷雨の白い首が目にとまった
思わず口角があがる
すっと氷雨の首筋をなぞるとびくりと反応した
「っひ」
氷雨の情けない声が可愛い
「っ何すんだよ///」
「まだかわかしてる途中だからだーめ。前向いてて。早く晩御飯食べたいんでしょ?」
ぱっと振り向いて睨んでくる氷雨に前を向かせる
やはり空腹で早く晩御飯が食べたいようでその話を持ち出すとおとなしく前に向き直った
氷雨の髪の毛をまんべんなくかわかしながら時々首筋をなぞったり撫でたりする
「ひぇっ···っん///」
ちょっといたずらしてるだけなのに艶かしい声を出していて本当に可愛いしエロい
本当に氷雨は反応がよくて意地悪したくなっちゃうなぁw
「いいかげんに///···」
「っはい。かわいたよ!」
氷雨に怒られかけた所を声を被せてごまかす
すると氷雨は一旦開きかけた口を閉じて自身の髪の毛をてぐしでとかす
「···ありがと」
少し不満そうにそう口にする氷雨の頭を撫でる
「晩御飯食べよ」
「ん。////」
晩御飯を食べ終わって氷雨が皿を洗っている間にさっと入浴を済ませる
リビングに戻ると氷雨はソファーに寝そべってスマホをいじっていた
「ねーぇ俺すわれないんだけどw 」
「床に座ればいいだろ」
ドライな返事に思わず苦笑が漏れる
「ははっ仕方ないからもう寝よっかなぁ」
わざとそんなことを言ってソファから離れようとするとTシャツの端を引かれた
「んー?どうかしたー?」
思わずにやけそうになるのをこらえて振り返る
「···いや···もう少し居ればいいじゃん///」
「でもソファ座れないしなぁ」
俺がそういうと氷雨は少し悔しそうな顔をして照れつつも足を曲げて座れる隙間を作った
「んふ。ありがと。氷雨はほんと良い子だねぇ」
氷雨の頭を撫でてその隙間に座ると氷雨は目を反らして口を開いた
「あのさ···明日···なんも予定ねぇし···///」
何を言わんとしているのか何となくわかったけどせっかくならちゃんと言って欲しい
「···今から···///」
「なあに?ちゃんと言って?」
誘っているらしいがもごもごと言いよどんでいるので先を促すと顔を真っ赤にした氷雨がばっと体を起こしてきっとにらんできた
「察しろよ///!わかってんだろ///?」
「んー。ちゃんと言ってくれないと分かんないなぁw」
必死な氷雨が可愛いので気づかないふりをする
「~っ!誘ってんだよ///」
真っ赤な顔を羞恥心に歪めた氷雨をソファに押し倒す
「誘ってくれてありがと♡じゃあ遠慮なく、滅茶苦茶にしてあげる♡」
[氷雨目線]
目を覚ますと俺は文也に抱き締められていた
どうやら文也の腕の中で眠っていたらしい
いつもは別々の部屋で寝ているため一瞬混乱したが昨日の夜を思い出して猛烈な気恥ずかしさと共に納得する
そうだ昨日俺から誘ってヤったんだ
相変わらずクソドSな文也に色々やられてさんざん恥ずかしい姿を晒したからこんな明るい所で顔を合わせるのが恥ずかしくなってくる
頭を動かして見ると文也はまだ眠っているようだ
もう陽はのぼっていて、すでに9時過ぎだったが心地よい温かさと安心する文也の匂いにベッドから抜け出す気力が失せる
いつもなら頑張ってベッドから抜け出すし、昨日ヤったことも恥ずかしいけど、たまには甘えて···もう少しくっついていたい
文也もまだ寝てるし、いいよな
俺は再度重くなってきた瞼を閉じて文也の細身の癖に包容力のある胸板に顔を埋めた
[文也目線]
目を覚ますと俺の腕の中で氷雨がすやすやと眠っていた
その表情は昨夜のまるで健全ではないエロくて艶かしい表情とは真逆で、あどけなさの残る子供みたいな表情だった
その幸せそうな寝顔に思わず頬が緩む
ふと時間を確認するともう10時過ぎで寝すぎちゃったなと思う
「氷雨」
こんな可愛い寝顔の氷雨をおこすのはもったいないと思ったが、寝てる氷雨はかまってくれないのでそっと名前を呼ぶ
「氷雨。起きて」
再度呼びかけると氷雨はゆっくり目を覚ました
「おはよう」
「んん···はよ···」
声をかけると少しかすれた寝起きの声で返事をしてくれた
「もう10時みたいだよ」
「ん。」
短い返事をして起き上がった氷雨と一緒にベッドをでる
「遅くなっちゃったけど朝ごはんにしよっか」
「ん。俺目玉焼き作る」
リビングに向かうほんの短い間で目が覚めたらしい氷雨は早速冷蔵庫をあさり始めた
今日の寝起きのふわふわした氷雨をしっかり記憶してから俺も朝食の支度にとりかかった