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管野アリオ
875
#オリジナル
重田💋(omoda)
886
「――ッチ、今度はどこのどいつだよ……」
至が苛立たしげに吐き捨てた言葉に反応した優來が隣へと視線を向けるけれど、至は優來の方を見ることなく前を向いたまま口を開く。
「優來、少しだけドライブしよう」
「いや、私はもう帰りたいんですけど……」
「少しだけだから。な? いいだろ?」
先程までと変わらない口調で言われたものの、これ以上至と一緒にいたくなかった優來がもう一度帰りたいと告げようとしたその時だった。
何気なく目を向けたサイドミラーに後方を走る一台の車が映り込む。
(この車、ホテルを出てからずっといるような……もしかして、あの車……ついてきてる?)
確信はないけれど不安を感じた優來が至に声を掛けた。
「あの、後ろの車……」
「気づいたか。悪いな、そういうわけだから、まだ帰すわけにはいかねぇの。とりあえず撒くから少しスピードを上げるぞ」
「えっ……?」
詳しい説明を求める間もなく至は小道を抜けて大通りへと出ると一気に車を加速させた。
「ちょ、そんなにスピードを出したら捕まるんじゃ……!」
「今は警察より奴らの方を警戒しなきゃならねぇの。ったく、しつこいな……このままじゃ撒けねぇか……」
独り言のようにぶつぶつと呟きながら至は前方を見据え、車は高速道路の入り口へと向かっていった。
「えっ、こ、高速!?」
「一般道じゃ限界があるからな」
「いや、そういう問題じゃ……!」
「大丈夫。俺、運転上手いから」
「そんな心配をしてるわけじゃなくて……!」
優來が慌てて訴えても至は自信ありげに答えるだけ。
ただでさえ追われているという恐怖がある中で大した根拠の無い「大丈夫」という言葉だけを口にされても信じられない優來に至は言い切った。
「お前に危険が及ぶようなことにはしねぇから、心配すんな。まぁ万が一何かあっても俺は負けたりしねぇし、必ず守るから」
「……っ」
その言葉を聞いた優來は思わず息を呑む。
少なくとも至が自分を危険に巻き込まないようにしようとしていることだけは伝わってきたし、今はとにかく任せるしかないのだと納得した優來はそれ以上何も言わなくなる。
そんな優來を見た至は高速道路へと合流すると、後方を確認しながら更に速度を上げていく。
「……っ」
窓の外を流れる景色が先程までとは比べものにならない速さで後ろへと遠ざかっていくのを横目に、優來は何事もありませんようにと祈ることしか出来ずにいた。
至が更にスピードを上げても後方から追ってくる車が離れる気配は無い。
時刻は夜十時を過ぎた頃でこの区間は車が少ないことから追っ手を振り切ることもできないまま至は車を走らせ続ける。
そんな中、優來はふと後方から猛スピードで近づいてくる何かに気づいた。
(もしかして、相手の仲間……?)
新たな追っ手かもしれない。
そう思った優來の胸に不安が広がるも、その隣でハンドルを握る至は迫り来る何かを確認するとニヤリと口角を上げた。
「お、ようやく来たか」
「……蘇枋さん?」
思わず声を掛けると至はちらりと優來に視線を向ける。
「安心しろ。今近づいてきてるのはうちの組のモンだから」
「えっ?」
驚く優來が後方へ目を向けた直後、二台の大型バイクがあっという間に追いつき至の車に並んだ。
「よし、もう少しスピードを上げるから、怖かったらどっかに掴まってろ」
そう告げた至がアクセルを踏み込むと車は再び速度を上げていき、その直後一台のバイクが車線を変えて至の車と追っ手の車との間へと滑り込んだ。
まるで壁になるかのように行く手を阻まれた追っ手の車は思うように距離を詰められなくなり、その隙に至は走行を続けて後方の車が見えなくなったことを確認すると徐々にスピードを落としていった。
「よし、ひとまず捲けたな」
追っ手を振り切ったことに安堵したのか至は小さく息を吐く。
「悪かったな、怖い思いさせて。もう大丈夫だから心配すんな」
先程までの緊迫した様子とは打って変わって気遣うような声に優來は身体の力を抜いた。
コメント
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うわああ最新話読み終えたよ〜!!😭💕 最初は至くんの「ワガママドライブ」かと思いきや、まさかの追跡劇に発展して一気にスリリングになったね!!(ドキドキが止まらなかった…) 優來ちゃんが後ろの車に気づくシーン、私も一緒に「えっ!?つけられてる!?」ってなったよ…。至くんの「必ず守るから」のセリフ、強引だけどカッコよすぎて悶えた(笑)高速でのバイクの援護も熱かったし、至くんの組の仲間が頼もしくて嬉しかった! ひとまず安心できて本当によかった…次回、2人の距離がどう変わっていくのか気になるよ〜!!🌸✨