テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

若き覇王に、甘くときめく恋を

一覧ページ

「若き覇王に、甘くときめく恋を」のメインビジュアル

若き覇王に、甘くときめく恋を

34 - 第二章 恋の分岐は、ありやなしや? EP.2「三度目の出会いは、何かが起こる予感」⑦

♥

4

2025年01月03日

シェアするシェアする
報告する


ホテルの前でリムジンを降りると、ふいに腕が差し出されて、


「えっ、なんですか?」


その整った横顔を、わけもわからずに仰ぎ見た。


「腕を組まないか? 君は、私のパートナーなのだから」


まさかの提案に一瞬びっくりするけれど、こういう場ではそれも当たり前なのかもしれないと、腰にあてられた彼の腕の間へ、おずおずと自分の手を差し入れた。


彼の纏ったシルクのスーツの滑らかな手触りがじかに肌に伝わって、ドキドキとしてくる。


すると、「……そのドレス、似合っているな」と、彼が低く呟いた。


急な褒め言葉にハッとして、目を移すと、彼の耳が心なしか赤らんでいるようにも窺えて、思いも寄らない様子に、私の方も胸の高まりが増してくるみたいだった。


レセプション会場へ入ると、KOOGAの新たなトップである彼の元には、たくさんの人々が集まってきた──。


「久我社長、お初にお目にかかります」


「ええ、こちらこそです」


柔和な笑みを浮かべる顔を、横目にちらりと流し見る。


そんなソフトな笑い顔もできるのなら、私にもしてほしいかも……。きっと営業スマイルなんだろうとは察しながらも、自分にはまだ向けられたことのないにこやかな表情に、少しだけやっかみを感じていると、


「そちらの方は、どなたなのでしょう?」


取り巻きの中から、ふいにそう問いかけられた。


「ああ、彼女は香水メーカーのカッチェのお嬢さんで、」


そこまで話して言葉を切り、私の方を見やると、


「私の、婚約者だ」


彼は突然に、思ってもみない一言を口にした──。

loading

この作品はいかがでしたか?

4

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚