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#prtg
@ きみ以外なんて選ばないよ
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このまま、彼の誤解に乗っかって「お出迎えしようとして待ってたんだ」と言えば
わざわざ彼の部屋を確認しに行かない限り
きっと敦は僕の失態にすぐには気づかないかもしれない。
その場をやり過ごすことはできる。
だってきっと、いくら底なしに優しい敦でも
自分が人生をかけて勝ち取った
1番大事にしているトロフィーに傷をつけられたなんて知ったら、絶対に怒るし深く傷つくと思う。
それでも、嘘を隠す方がきっとしゅんを裏切ることになるし
何より後から知ったとき、もっと彼を傷つけてしまう。
(…やってしまったことを、正直に白状しないと……っ)
そのために、ここで待ってたんだ…。
僕はギュッと拳を握りしめ
意を決して、声を絞り出すように口を開いた。
「ち、違うの!しゅんに、謝らないといけないことがあって、ずっと待ってたの…っ」
下を向いたまま告白する。
「へ?」
驚きで敦の瞳が大きく開かれた。
ケーキ箱を持つ手がわずかに揺れる。
「どうしたの…?悲しい顔して…なにかあった?」
敦に促されるようにして、一呼吸置いてから、震える声のまま言葉を続けた。
途中で涙が出そうになるのを必死に堪える。
「……実は…っ、今日ね…気分が良かったからしゅんのためになにかしたくて…どこか、お部屋のお掃除しようと思ったの」
「それで、しゅんのお部屋掃除してて…」
「え、俺の部屋?」
「そ、その…ちょっとテーブル拭いたりしてて、トロフィーとかも、綺麗に拭いてたんだけど…」
そこまで話したとき、敦は怒るどころか、ぱっと表情を明るくした。
「本当?ありがとうひろ」
「え」
予想外の感謝の言葉に、僕は思わず顔を上げる。
「最近あんま手入れできてなかったからさ、助かるよ」
敦は本当に嬉しそうにそう言ってくれる。
その優しさが、僕の胸をさらに締め付けた。
「で、でも…っ!僕、トロフィー…ひとつ、床に落としちゃったの」
言った。
ついに言ってしまった。
「え……大丈夫なのそれ?」
敦の声のトーンが変わる。
「ご、ごめんなさい……っ!脚に傷、ついちゃって…しゅんの大切にしてたトロフィーなのに、余計なことして…っ」
震える声で一気に言いながら、床に擦りつけるように深く頭を下げる。
敦の大事な歴史を、宝物を傷つけてしまったことへの申し訳なさで胸がいっぱいで
この後訪れるであろう彼の返事を聞くのが、怖くて怖くて仕方がなかった。
激しく怒られるかもしれない。
呆れられて、嫌われるかもしれない。
でも、自分がやったことだ。
謝らなければいけない。
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