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10話目もよろしくお願いします!
スタートヽ(*^ω^*)ノ
キヨが狙いを定め引き金に力を込めた——
その瞬間、
「忌々しい一族め」
低く歪んだ声。
「私の邪魔ばかりしやがって……!」
次の瞬間——
ドバッッ!!!
魔女の体から黒い影が噴き出した。
地面を這い、木を登り、空を覆う。
一瞬で 森が闇に飲み込まれる。
「殺してやるーーー!!!」
叫びと同時に 無数の影が逃げ場を塞ぐように全方位からキヨ目掛けて降り注いだ。
“避け切られない”
そう思った時だった。
ゴオォォォォッ!!!
背後から凄まじい突風が吹き荒れた。
木々が根こそぎ揺れ、何本かはそのままなぎ倒される。
暴風が一直線に駆け抜け キヨに向かっていた影をすべて吹き飛ばした。
影が霧のように散る。
🧙♀️「な、なんだっ……!?」
魔女の表情が歪む。
キヨが後ろを振り返ると、
そこに——
🦅「よ〜!キヨ!!お待たせ!!」
夜空を背に軽い調子の声と 無数の影が舞い降りた。
青く光る大きな翼で 風を操る羽ばたきが森に響く。
ガッチマン率いる鳥人族ざ キヨの後ろに一斉に並んだ。
🧑🦰「ガッチさん……!?」
思わず声が漏れる。
🧑🦰「他の魔女達は……?」
その問いに——
🦅「え?もう全部倒したよ」
ガッチマンはきょとんとした後、あっさりと笑った。
🦅「俺ら鳥人族、舐めてもらっちゃ困るよ〜?」
ニヤッと笑う。
キヨは一瞬ぽかんとしたあと——
🧑🦰「……ガッチさん、すげぇな」
と素直に感心した。
そのやり取りを見ていた魔女は 言葉を失っていた。
🧙♀️「まさか……私の手下たちを、全て倒した…だと?」
信じられないという顔で 余裕はもう完全に消えている。
ガッチマンはすっと手を上げ合図を出した。
鳥人たちが一斉に動く。
バサッッ!!!
空へ舞い上がり 大きな翼が何度も羽ばたき、そして 風を生む。
ゴオォォォォッ!!!
渦を巻くような突風。
雲が押し流され、集まり——
やがて、 すぅっと 満月が隠れた。
森が一気に暗くなり魔女の周りで蠢いていた 影が動きを止めた。
🧙♀️「……っ!?」
魔女の目が見開かれる。
影が動かない。
広がらない。
完全に——封じられた。
その様子を見て ガッチマンは、にやりと笑う。
🦅「大好きな満月も隠れちゃったし〜」
ふふふと肩を揺らす。
🦅「影の攻撃、できないよ〜?どうするの〜?」
完全な挑発。
🧙♀️「……っ」
魔女の顔が、ぐしゃりと歪んだ。
「くそ……こざかしい鳥供め……!」
理性が剥がれ落ち悔しさに顔が歪む。
🧙♀️「焼き殺してくれるわぁぁぁ!!!」
次の瞬間——
ゴオォォォォォッ!!!
魔女の口元から業火が吹き出した。
炎はただの火じゃない。
渦を巻き、うねり、意思を持つかのように木々を焼き払って 一直線にキヨとガッチマンへ襲いかかる。
熱風が森を焼く。
木々が一瞬で焦げ空気が歪む。
🧑🦰「っ……!」
キヨは咄嗟に腕で顔を庇う。
(熱い——)
肌が焼ける感覚。
距離を取らなければ——
だが、その瞬間、
🦅「キヨ!!危ない!!」
ガッチマンの声がキヨの上で響く。
バサァッッ!!!
巨大な翼がキヨを包み込むように覆い被さった。
🦅「ゔっ…ぁあ。…ぐ、ぅ。あつ…い」
バチバチと火花が上がり、炎で羽が焼かれる匂いがキヨの鼻を突き抜ける。
🧑🦰「ガッ、ガッチさん、なにやってんだよ!?やめろ!!お願いだから!!どいてくれ!!」
キヨはガッチマンの体を退かそうとしたがびくともしない。
🦅「ダメだ、キヨ。お前だけは…お前だけは…..死ぬな!うっ、ぅ。魔女を殺せるのはお前だけなんだ….森を、世界を、守ってくれ」
🧑🦰「いやだ!!ガッチさん、お願いだから!退いてくれ!!」
キヨは絶叫する。
迫り来る炎の渦。
すべてを焼き尽くす勢いで火力はどんどん上がっていく。
その時だった。
ドゴォォォォンッ!!!
空から 巨大な水柱が炎めがけて叩きつけられた。
ジュウウウウウッ!!!
凄まじい蒸気が立ち上る。
火と水がぶつかり合い視界が真っ白に染まる。
🧙♀️「なっ……なんだ!?」
魔女が目を見開く。
炎が押し返される かき消されていく。
🐟「おいおい、森を燃やすじゃねーよ!」
どこか呆れたような響き。
キヨとガッチマンが振り向く。
そこにいたのは—— うっしー
全身に水を纏い静かに水柱の上に立っている。
その周囲には水が渦を巻くように漂っていた。
腕を軽く振りかざす。
それだけで——
ゴオォッ!!!
水の渦が唸りを上げ 残った炎へと襲いかかり
完全に打ち消した。
ジュゥゥウゥウ….
白い煙が上がり焦げ臭い匂いが当たりに充満する。
🐟「ったく……何やってんだよ。焼き鳥になってんじゃねーかよ」
うっしーはガッチマンの肩に手を回す。
🦅「ははは。うっしー….ごめん。生きててくれて良かった..」
🐟「俺が死ぬわけねーだろ。あんな雑魚ども、瞬殺だったわ。」
🦅「でも、尻尾が….火傷してる。うっしーの綺麗な尻尾が…」
🐟「こんなのかすり傷だわ。それよりガッチさんの方がヤバいだろ。」
うっしーが指を鳴らすと水の渦がガッチマンを包み木の影へと運んでいく。
🐟「よくも俺のガッチさんを。…ぶっ殺してやる!!!」
うっしーの目が魔女を捉える。
冷たく。
鋭く。
そしてキヨの隣に並ぶ。
頭に血の昇ってしまったうっしーが腕を振り上げ魔女の方へ振り下ろした。
ゴオォォォォッ!!!
巨大な水柱が、一直線に魔女へと向かう。
押し潰すような圧。
だが——
🧙♀️「甘いわねぇ」
魔女は不気味に笑った。
炎が消えたその手を、ゆっくりと持ち上げ 両手を空へとかざした。
そして ブツブツと何かを唱え始めた。
空気が変わる。
ざわりと森がざわめく。
次の瞬間。
ゴロゴロゴロ……
空に、灰色の雲が広がり始めた。
月を隠していた雲とは違う 重く、淀んだ雲。
バチッ……バチッ
灰色の雲の隙間に雷鳴が走る。
🧙♀️「水に電気を通すと——どうなるのかしら?」
魔女が、ニヤリと笑う。
その瞬間。
バリバリバリバリ….
雷が 真っ直ぐに うっしーの放った水柱へ落ちた。
バチィィィィィッ!!!
水を伝い、電流が一気に走る。
🐟「うっ…がぁぁあぁ!!!」
うっしーの体がビクビクと大きく痙攣する。
逃げ場のない水柱の中で 全身に電撃が走る。
🦅「うっしー!!!」
ガッチマンが叫ぶ。
🦅「やめろ!!やめろーーーーー!!!」
ガッチマンは体を引きずりながらうっしーの元へと進んでいた。
しかし、間に合わない。
うっしーの水柱には絶え間なく雷が落とされ続けた。
🧙♀️「死ね!死ね!死ね!魚人の分際で魔女に楯突くとどうなるのか分からせてあげるわ」
絶え間なく水柱へ落ちる雷。
ドォンッ!!!
バチィィィィッ!!!
うっしーの体には水を伝い何度も流れ込む電流が直撃する。
🐟「ぐっ……あっ!!」
歯を食いしばる。
だが、限界は近い。
全身から煙が上がり始める。
そして、力が抜け—— そのまま水柱から地上へと落ちていく。
🧑🦰「くそっ……ダメだ……間に合わねぇ……」
だが、その瞬間。
ザッ——!!
森の奥から影が走った。
目にも止まらない速さで 落下するうっしーに一直線に向かってくる。
そして——
ガシッ!!!
空中でうっしーを受け止めた。
🐺「ごめん、キヨくん!!遅くなっちゃった!」
聞き慣れた声に キヨの目が見開かれる。
🧑🦰「レトさん!!!」
そこにいたのは——
レトルト。
腕の中でぐったりとしたうっしーの顔を すぐに覗き込む。
🐺「うっしー?」
🐟「う、う……レ、トル、ト。」
かすかな声でうっしーはレトルトを呼んだ。
全身は焼け焦げている。
だが——
息はある。
🐺「……よかった」
レトルトは小さく息を吐いた。
その瞬間。
バチッ——!!
再び、空が光る。
レトルトは顔を上げ ゆっくりと魔女を捉えた。
🐺「よくも……うっしーを。」
低く唸り声を上げ毛を逆立てた。
レトルトはうっしーをしっかりと抱き抱えたままガッチマンの元へ走る。
🐺「ガッチさん、ごめんね。遅くなって」
そう言って、そっとうっしーを差し出す。
🐺「うっしーのこと、お願い」
ガッチマンはすぐにうっしーを優しく抱きしめた。
🦅「レトさん、ありがとう」
その声は、いつもの軽さとは違っていた。
どこか安心したような響き。
うっしーの呼吸を確かめながら——
🦅「……あとは任せたよ」
と、小さく呟いた。
レトルトは頷き、すぐに踵を返した。
一直線に——キヨの元へ。
キヨの隣にレトルトが並ぶ。
🐺「キヨくん、俺が魔女の気を引くから。キヨくんがとどめを刺して。」
視線はまっすぐ 魔女を捉えたまま静かに言う。
🐺「キヨくんにしか出来ないから」
迷いのないその言葉にキヨはゆっくりと頷いた。
🧑🦰「……任せろ」
次の瞬間——
レトルトが地面を蹴り 一直線に魔女の元へと走り出した。
🐺「おーい、こっちやでー」
ニヤリと笑う。
わざと大きく 目立つように動いて魔女を挑発する。
魔女の視線が 完全へとレトルトへ向いた。
その隙に キヨの姿が消える。
音もなく。
気配もなく。
森に溶け込んでいく一一。
🧙♀️「おや、獣人。お前、生きてたのか」
魔女はレトルトを見て口元を歪めた。
🧙♀️「赤ずきんにやられたかと思ってたよ」
その言葉に レトルトは鼻で笑う。
🐺「あんなちっこいのにやられるわけないやろ。 串刺しにしてやったわ」
あっさりと言い放つ。
🧙♀️「くそ…まさか、 赤ずきんまで……」
怒りが滲む。
だが——すぐに笑った。
🧙♀️「まぁいいわ」
ゆっくりと手を広げる。
🧙♀️「お前の仲間の獣人も全部喰ってやったわよ。獣人の エネルギーに満ちた私に——敵うと思う?」
挑発するような声。
レトルトの目がキッと吊り上がった。
🐺「……許さない」
低く、押し殺した声。
次の瞬間——
全身の毛が逆立った。
🐺「殺してやる!」
レトルトは地面を勢いよく蹴った。
レトルトの姿がぶれ始め 視界から消えるほどの速度で魔女の周りを駆け抜ける。
円を描くように 何重にも。
そして残像だけが残る。
🧙♀️「はははははは!! そんな走り回って何をしてる。本当に獣人は——」
言い終わる前に。
🧙♀️「うっ……!?」
体が、強張る。
ドスッ。
背中に 銀の杭が深く突き刺さっていた。
🧙♀️「っ…!!!」
レトルトの声がどこからか響く。
🐺「魔女って銀が苦手なんやろ?」
また一つ一一
ドスッ。
今度は肩。
🐺「赤ずきんもこの杭で串刺しにしてやったで?」
さらに一一
ドスッ、ドスッ。
足、脇腹。
レトルトが動くたびに銀の杭は魔女の体に刺さっていく。
レトルトの姿が一瞬だけ見えた。その顔は楽しそうに ニヤリと笑っている。
🐺「さーて、何本まで耐えれるかな〜?」
レトルトは止まることなく 地面を蹴り、風のように魔女の周りを駆け巡った。
ドスッ。
ドスッ。
ドスッ。
銀の杭が次々と魔女の体に打ち込まれていく。
🧙♀️「ぐっ……!!」
🧙♀️「やめろ……!!」
苦痛の声が森に響き、 刺さった箇所から じわりと黒い霧が溢れ出す。
🐺「まだまだやで〜」
さらに一本。
ドスッ。
膝に命中し魔女が バランスを崩してよろめくその瞬間もレトルトら見逃さなかった。
ドスッ。ドスッ。
肩、腕、腹。
もう 数えきれない程の銀の杭が魔女の体に突き刺さっていた。
🧙♀️「こんな……はずじゃ……」
魔女の動きが完全に——止まった。
その時。
風が止む。
レトルトの動きもぴたりと止まる。
🐺「キヨくん、 今やで」
木々の隙間に身を潜めていた キヨの視界には 動けなくなった魔女の姿が映る。
キヨは魔女の心臓を狙った。
外さない。外すはずがない。
鋭く見据え、ぶれない視線で標準を合わせる。呼吸をゆっくりと整え、余計な感情をすべて押し殺す。
そして——引き金を引いた。
乾いた銃声が森に響く。
放たれた弾は一直線に空気を裂き迷うことなく魔女の胸へと突き進む。
次の瞬間、鈍い音とともに弾は魔女の心臓を貫いた。
🧙♀️「ぎゃあぁぁぁぁぁああああああ!!!」
魔女の絶叫が森中に響き渡る。
その体はびきびきとひび割れ、レトルトに打ち込まれた無数の杭の傷口から黒い霧が一気に噴き出した。
🧙♀️「こんな……こんなことで……私が….やられる….なんて….」
黒い霧へと変わりゆく魔女をキヨはすぐそばで見下ろしていた。
崩れ落ちていくその姿にはもう先ほどまでの威圧感はない。
それでも——
🧙♀️「こんな……こんなはずじゃ……」
かすれた声が漏れる。
🧙♀️「魔女一族は滅ばない……人間如きに……やられるわけない……」
崩れゆく体を必死に押さえつける 指の隙間から黒い霧が溢れ続け空へと消えていく。
もう止められない。
キヨはそれをただ冷たい目で見ていた。
🧑🦰「終わりだ」
低く感情を抑えた声。
🧑🦰「魔女一族は、一人残らず駆逐する」
その言葉に 魔女の目がぎらりと光る。
崩れゆく体で顔を上げた その瞬間、
🧙♀️「お前も……道連れだ」
にやり、と歪んだ笑みを浮かべ、
シュッ。
指先から、細い影が放たれた。
あまりにも速く あまりにも静かに。
キヨが反応するよりも先に——。
そして魔女は高笑いと共に黒い霧となって消えた。
ドスッ。
影はキヨの心臓を貫いた。
🧑🦰「ぅ……っ……」
時間が止まったように静まり返る。
そして——
キヨの体が、わずかに揺れた。
🧑🦰「う……う……」
キヨの体は そのままふらふらとよろけるようにして地面へと崩れ落ちた。
🦅「キヨ!!」
🐟「キヨ!!!」
ガッチマンとうっしーの声が重なる。
🐺「キヨくん!!」
レトルトはキヨの元へすぐ駆け寄りすぐに抱き起こす。
🐺「うそ……うそやろ……!」
震える手で、キヨの頬に触れる。
🐺「しっかりして!キヨくん!!」
声が崩れる。
涙が ボロボロと溢れ落ちていく。
キヨの意識はもう朦朧としていた。
🧑🦰「……レト……さん……」
その直後——
🧑🦰「ゴフッ……!」
口から血が溢れる。
🐺「やだ……やだやだやだ……!」
レトルトの声が震える。
レトルトは首を何度も横に振りながら、必死に叫ぶ。
キヨは 弱々しく どこか安心したように笑った。
🧑🦰「レトさん……ごめん……」
途切れ途切れに、言葉を紡ぐ。
🧑🦰「 一緒に……暮らすって……約束したのに……」
🐺「何言ってんの……約束、破る気なん……?」
🧑🦰「….ごめん」
🐺「いやや!俺、許さへんからな……!一緒に暮らすんやから!やっと……やっと……キヨくんと一緒におれるって思ったのに。」
キヨの焦点が揺れ視線がずれる。
レトルトはキヨの頬を両手で挟んで 無理やり目を合わせた。
🐺「キヨくん!ちゃんと見てや……俺のこと……」
声が震える。
🐺「置いていかんといて……お願いやから……」
ぐしゃぐしゃに泣きながら、額を付ける。
🐺「俺、キヨくんおらんと無理だよ……」
キヨはかすかに息を吐いた。
ぼやけた視界の中で、それでもしっかりとレトルトを見つめる。
🧑🦰「……レトさん」
弱々しい声。
それでもはっきりと言葉を紡ぐ。
🧑🦰「愛してる」
一度、息をつく。
途切れそうになりながらも——
🧑🦰「ずっと……愛してる……から」
その言葉を残して ふっと力が抜ける
瞼がゆっくりと閉じていく。
レトルトの腕の中で——
静かに。
本当に静かに。
キヨは目を閉じた。
🐺「……キヨくん?」
レトルトの声が震える。
返事はない。
🐺「……なあ、冗談やろ?」
頬をぺちぺちと軽く叩く。
🐺「起きてや……なあ……」
温もりだけが少しずつ失われていく。
🐺「お願いやから……お願いやから….戻ってきて……」
次の瞬間——
🐺「うあぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」
絶叫が森を裂いた。
レトルトはキヨを抱きしめたまま地面に崩れ落ちる。
🐺「約束したやん……!!1人にしないって……言ったやん!…なんで…なんでよ…」
必死に温もりを探すようにキヨの胸に顔を押しつける。
🐺「置いていかんといて……」
🐺「一人にせんといて……」
震える指でキヨの手を握る。
もう、握り返してはくれない手。
🐺「……いやや……」
ぽつり。
🐺「いややぁ……」
崩れるように泣きながらレトルトは何度も何度もキヨの名前を呼ぶ。
🐺「キヨくん……キヨくん……」
その声は——
もう、届くことはなかった。
冷たくなっていくキヨの体をレトルトは強く抱きしめていた。
🐺「お願い、起きて……」
声は震え、涙で言葉が途切れる。
🐺「行かんといて……」
何度も、何度、も繰り返す。
嗚咽混じりに名前を呼び続ける。
その時だった。
ふわり、と。
森が淡く光り始めた。
木々の隙間から差し込むようなやわらかな光が ゆっくりと広がり、やがてキヨの体へと集まっていく。
🐺「……な…に…?」
レトルトが顔を上げる。
光が——キヨを包み込んでいる。
その頃一一
キヨの意識は深い闇の中にあった。
何もない。 音も、温度もない。
ただ暗闇へと沈んでいく感覚。
何も見えない暗闇の中にキヨはぽつんと立っていた。
「キヨ……」
声がした。
やさしく包み込むような声。
「キヨ……起きて……」
どこかで聞いたことがある 懐かしくて、温かい声。
(……この声……)
ぼんやりとした意識の中で、思い出す。
(俺を……導いてくれた……あの時の声だ)
森の抜け道を探してる時に。
レトさんを探している時に。
俺を導いてくれた声だ。
「キヨ……戻ってきて……」
その声に引き寄せられるように。
沈んでいた意識が、ゆっくりと浮かび上がっていく。
「……お前は…..誰だ?」
キヨは声のする方へ問いかけた。
暗闇の中で 姿は見えない。
それでも確かにそこに“何か”がいる。
すると——
やわらかな声が静かに応えるた。
「私は、森よ」
すべてを包み込むような、優しい響き。
「ずっと、あなたを見ていたわ」
キヨの胸の奥にすっと入り込んでくる。
「あなたはいつも、この森を守ってくれていたわね」
森は静かに語りかけた。
「あなたの一族も、ずっとそうだったわ」
「本当に……ありがとう」
その言葉にキヨの心が揺れた。
「キヨ」
森の声が強くなる。
「生きて」
はっきりとした言葉。
「生きるのよ」
優しさの中に、確かな意思が宿る。
「さあ——」
「目を開けなさい」
その言葉と同時にあたりは光に包まれた。
そしてキヨは、はっと息を吸い込んだ。
🧑🦰「……っ!」
キヨの閉じていた瞼が勢いよく開く。
視界に飛び込んできたのは——
涙でぐしゃぐしゃになった、レトルトの顔だった。
🐺「キヨくん!!」
🦅「キヨ!!」
🐟「キヨ!!!」
名前を呼ぶ声が重なる。
キヨはゆっくりと瞬きをして、ぼやけた視界の中で三人の顔を見渡した。
涙でぐしゃぐしゃのレトルト。
安心したように息をつくガッチマン。
そして、ぐったりしながらもこちらを見ているうっしー。
その光景を見て——
キヨは、ふっと力を抜いた。
🧑🦰「……へへ」
かすかに笑う。
🧑🦰「魔女一族、絶滅大成功だな」
軽い調子で言う。
次の瞬間。
🐺「アホーーーーーー!!!」
レトルトが叫んで そのまま思いきりキヨに抱きついた。
🐺「よかった……よかったぁ……!」
声を震わせながら、何度も繰り返す。
🐺「ほんまに……よかったぁ……!」
キヨは苦しそうに顔をしかめた。
🧑🦰「レトさん……痛いって……」
そう言いながらも—— どこか嬉しそうに笑っている。
強く抱きしめられる腕の中でレトルトの温もりを確かめるように。
(あぁ……この感じ)
ふと思い出す。
(前と、逆だなぁ)
あの時は、自分が抱きしめていた。
今は——抱きしめられている。
そのことがどうしようもなく愛おしくてキヨはそっと目を閉じた。
🐺「……もう、どこにも行かせへん!!」
レトルトは力一杯抱きしめて声を張り上げた。
🧑🦰「行かねぇよ」
キヨは少しだけ力を込めてレトルトを抱きしめ返す。
🧑🦰「ずっと一緒にいるって、約束しただろ」
その言葉に、レトルトは何も言わず——
ただ、静かに頷いた。
その後、森にはゆっくりと平和が戻っていった。
焼け焦げた木々には新しい芽が顔を出し、荒れていた大地も少しずつ元の姿を取り戻していた。
かつて魔女の気配に怯えて姿を隠していた動物たちも、また森へと戻り始めた。
風は穏やかに木々を揺らし、葉の擦れる音がやさしく響く。
まるで森に生きる全ての命を包み込むように一一
キヨとレトルトはそんな森の中の小さな洞窟で2人だけの時間を過ごしていた。
時に笑い合い、時に言い合いをしながらも同じ場所で同じ景色を見ている。
それだけで、十分だった。
命を懸けて守ったこの森で、またこうして日常を過ごせていることが——
何よりも、尊いものだった。
魔女討伐の後、4人は再び森の中に集まり穏やかな空気の中で話をしていた。
🐺「森が平和になって、ほんまによかったなぁ」
レトルトがぽつりと呟く。
その言葉に、皆がどこかほっとしたように息をついた。
すると隣で——
🦅「うっしーの綺麗な鱗がぁ……」
ガッチマンが項垂れるよう しょんぼりとした顔で、うっしーの体を覗き込んでいる。
🐟「うるせぇな」
うっしーは呆れたようにため息をつき、軽くガッチマンを小突いた。
🐟「すぐ治るわ、こんなん」
ぶっきらぼうに言いながらも、その声はどこか安心しているようだった。
そのやり取りに、キヨとレトルトは顔を見合わせて小さく笑う。
四人はお互いに顔を見合わせる。
そして、それぞれが一歩前へ出た。
空を見上げる者。
水の流れを感じる者。
動物達に触れる者。
森を守る者。
それぞれが、自分の守るべきものを胸に刻む。
もう二度と、奪わせないために。
この森と、この世界で——
彼らはこれからも生きていく。
🦅「俺は空を」
🐟「俺は水を」
🐺「俺は動物たちを」
🧑🦰「俺は森を」
🧑🦰🐺🦅🐟
「これからも支配(守る)する!!」
“Top Four Dominion”
トップフォーが支配する世界
終わり
最後まで読んで頂き本当にありがとうございました🙇♀️!
長編+文字数多めで読みにくい所もあったと思いますが、是非感想を頂けると嬉しいです🥹
また、リクエストも募集していますのでご希望の方はリクエストBOXへ💌
今回はととばなな様からのリクエストをもとに
ストーリーを描かせて頂きました。
ととばなな様もとても素敵なイラストを描いていらっしゃる方で、FAも何枚か描いて頂いてます🫶🩷
是非見てみて下さい!
素敵なリクエストを本当にありがとうございました🙇♀️🩷
そして、次回は、、、、みなさんお待ちかね笑
レトルトとキヨのイチャラブシーンを描く予定です😏🐺×🧑🦰
お楽しみに🩷
コメント
11件

駄目だ…涙腺が…るいせんがぁ……😭 レトさぁぁん゛ッ!!よかったねぇ!!キヨ生きてたぁ!!バッドエンドじゃなかったぁっ!!!ガッチさんうっしーが心配なのはわかるよ??分かるけどそんなに悲しまないで…うっしー!あんたったらツンデレなんだからも~!!(?)ほんとはガッチさんに心配されて嬉しい癖に!! じ、次回いちゃラブシーン、だと…!?!?!?期待大正座待機します。 魑魅魍魎さんの作品好きすぎる💘

一緒に暮らせてよかったぁぁぁあ 最後は涙腺ゆるゆるで読んでました... こんなにも素敵なお話が読めるなんて幸せですෆ.*・゚ いちゃらぶシーンも楽しみにしています😏
カラスみたいな声出ましたけどどうしてくれるんですか!!!!天才でしかなくて…もうなんかやばすぎて!!!! 語彙力も無くなってますよこの通り 途中のガッチさんがかっけえすぎてもう溶けます🫠🫠