TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

サイド アミ


やっと、犯人の居場所が分かる。やっと、両親の仇を取れる。

「……どこにいるの」

私はダブルMにそう問う。

「アミ、一ついいか」

「……何」

「……俺は今からこいつの住所を教える。ただ、これだけは覚えていてくれ」


「復讐は何も生み出さない、それを踏まえて自分がどうするのか決めろ」


…………知ってるわよ、そんなことくらい。それでも、分かりたくない。

先に復讐という種を蒔いたのはあっちで、それが復讐していい理由にはならないことだって、知ってる。

私は、もうずっと前から決めていた。

幸せも、家族も、もう何もないのよ。……それは、あなたも同じだったかもしれない。

けど、命さえ投げ出せる強さという脆さが、私にはある。両親が教えてくれた、武道の心得。だから私は復讐を選ぶの。

ダブルM。その気持ちはあんたには分からないわよね。


私はダブルMからメモを受け取って走り出した。ひったくった、といったほうが正しいかもしれない。

自宅からそう遠くない住所に腹立たしさを覚えなる中、私はやり場のない思いが浮かんでは消えるのを感じていた。

自分が思うよりダブルMの言葉が突き刺さっていたのかもしれない。

それでも、後戻りなんて出来ない。

『復讐は何も生み出さない、それを踏まえて自分がどうするのか決めろ』

「……決めたから、進むしかないのよ」

暗い道をただ進む。進んで進んで、私は足を止めた。憎い、犯罪者の家が目の前に立っている。

カァカァと、黒く光る烏が私の決意を嘲笑うかのように鳴いていた。

弾んだ息を整えるため、そして、これから対峙するであろう人物に理性を保つため、私は大きく息を吐く。


玄関先のインターホンを鳴らす。

ついに、両親を殺した人と会えるのね。

モンダイジ団 真実と嘘編

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

39

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚