※甚だしい捏造
※非日常な日常話
※実在の人物、団体とは一切関係ありません。
※軍パロです。
※以上をふまえて大丈夫な方のみおすすめください。
ゆっくりしていってね
※イラスト 低カロリー様※
濃霧のように充満を始める粉塵に、エーミール…正確にはエーミールに取り憑いた寄生体がもがき苦しみ始めた。
恐らくは死を覚悟したのだろう。
それでも枯死する前に情報を飛ばそうと、一気に成長を促進させる。
白塵の世界に咲く、大輪の赤い薔薇がエーミールの右目に美しく咲き誇る。
「くっ!」
エーミールの人差し指が、再度手榴弾のピンにかかる。
その時
エーミールの眼前に現れたのは
大きく口を開いたゾムの姿。
右目の視覚は寄生体に奪われているはずなのに、何故かエーミールの“両眼”は、間近に迫るゾムの姿が見えていた。
右目の花を一気に喰らうゾムの顔が、エーミールの右目が見た、最後の光景。
それはまた、エーミールの右目に取り憑いた花が見た、最後の光景でもあった。
「……まっず」
口に入れた花を数回咀嚼し嚥下すると、ゾムは苦い顔をして吐き捨てるように呟いた。
「! ゾムさん、逃げてッ」
花はゾムに食いちぎられたが、右目の蠢きは終わってはいなかった。
花びらを散らし、風に乗って情報と共に去ろうとした大輪の花は、すべて目の前の男に喰われた。
異能の寄生体が、許すはずがない。
エーミールの中に残る寄生体の残滓が、再び蔓を伸ばしゾムに襲いかかる。
だが
「! ゾムさんッ」
遅い。
蔓の勢いに、コネシマを襲った時の力強さも素早さもない。
しかしその分、殺意は強い。
花を喰らった“敵”と“宿主”だけでも殺すとばかりに、エーミールの右目から複数本の蔓を伸ばしてきた。
「だからどうした」
ゾムの右腕が一閃すると同時に、エーミールの右目から生えてきた蔓はすべて切り落とされた。
「フーン。さすがは、しろへび先生のナイフや。使いやすさもさることながら、切れ味も抜群やな」
ゾムはエーミールの口元に、持ってきたガスマスクを当てた。
「つけとけ、エミさん」
「打ち込まれた粉は、くられ先生が作った超強力除草剤や。ビオランテもどきには効果バツグンやが、人間にもまあまあ有毒やからな」
エーミールがガスマスクを装着したのを確認すると、ゾムもまたガスマスクを着けた。
強力除草剤の効果か、切られた蔓も苦しそうにのたうち回ていたが、同時にエーミールの中に残る寄生体もはげしく蠢いていた。
「あ、ぐぅ…ッ」
「エミさんッ!?」
「ッ! だ、大丈夫です…。目ン中の寄生体が…苦しんどるだけです」
「除草剤が効いとる証拠です」
「せやけど、今までのコト考えると、エミさんも相当参っとるやろ。亜留間先生も来とる言うし、早よ戻って診てもらおうや」
そう言うとゾムはエーミールを担ぎ上げ、扉に歩み寄り押し開けようとしたその時。
ピンッ。
扉に仕掛けてあったトラップが、手榴弾のピンを外した。
「「あ」」
仕掛けられた手榴弾は一個ではない。
更に落ち着いてきたとはいえ、室内には粉塵が舞い散っている。
誘爆と、粉塵爆発の危険性。
何も起こらぬはずもなく。
「ゾ、ゾム、さん……?」
「やっべッ」
ゾムは叫び声と同時に、赤の信号弾を二発、天井に向かって発射した。
ーーーーーーーーーー
「中はどうなっとるんやろかな」
トントンが心配そうに中の様子をうかがおうと、体を左右に動かしたり背伸びをしたりを繰り返す。
「煙くなるほどの除草剤をブン撒いた。少なくともビオランテもどきは、瀕死でしょう」
車からのっそりと出てきたくられが、そう言った。
「はっはっはっ。我々vsビオランテもどきは、どうやら我々の勝利らしいな」
グルッペンが誇らしげに勝利宣言をしたその時、教会内部から赤い光が二回点滅した。
緊急事態を告げる合図だ。
信号の意味を知る全員が、顔を強張らせ固唾を飲む。
「そ、総員、対ショック姿勢!!」
「伏せろーーーーーッ!!!!」
グルッペンの号令と同時に、教会から閃光が放たれ爆音と共に建物は吹き飛んだ。
爆発オチなんてサイテー☆
でも続く
コメント
4件
z、zニキ〜〜〜!!!(歓喜) 花を喰いちぎる...?🤔💭 ほーーーん...。いいですねぇ...。 まだ続くの最高ですな...✨✨✨
爆発オチ好き〜︎🫶💓 続き楽しみです!