私が小学校4年生の頃だったかなぁ。暑い熱帯夜の夜でだった。
盆踊りの準備で両親は公民館にいくといい。僕と5歳上の姉で留守番を頼まれた。
姉も僕も両親が3人目を計画してるのを薄々気付いてたから、何も言わなかった。
なんで勘づいていたかって。盆踊りの準備で公民館で泊まり込みなんで聞いたことがなかった。
両親はリポビタンDを飲み干して楽しそうに出て行った。私が玄関で「行ってらしゃい」といった瞬間
姉は私を突き飛ばしてリビングへと走って行った。当時はですね、テレビは一家に一台しかなかったものですから、チャンネル争いが激しかった。
毎日ように、左にガチャガチャ、右にガチャガチャ。楽しい時代でした。
僕はドリフが見たくて仕方がない。姉は音楽番組が見たくて仕方がない。
(会場がザワメキ始めた。僕は大きなミスに気づいた。時代背景が合わない。。。ニナ川氏とドリフは同年代だ。。。子供の時に、カラーテレビは一家に一台のはずがない。。。
このまま行くしかない!)
一息付き怪談を続けた。
当時、心霊界レジェンドと言われていた宜保さんと織田無道さんのコラボ企画!
これを見るという事で姉との和平条約は結ばれた。
これは分かる人にはわかりますが、決して交わることのない、水と油、新日と全日のような関係でした。
姉は怖がりなので怖いシーンになるとチャンネルをひねって変えてしまう。
たまたま変えたチャンネルが映画のベットシーン、最近じゃ考えられないですけど。
エッチなシーンが全国放送されていたんですよ!あの時代は。
姉も私も、激しい喘ぎ声に開いた口が塞がらない。ヒロインの開いた股も塞がらない。男は歯を食いしばる。
「あぉ、あぁ、いゃ~ん」
姉はチャンネルを回そうとした。事もあろうかスイッチが抜けてしまった。
テレビ画面いっぱいにおっぱいが映される。
激しさが増していく喘ぎ声。アクセル全開に腰を動かす俳優
「えぃどりぁ〜ん」
姉はテレビを切ろうとスイッチに手を回した。
当時テレビのスイッチと音量が同じつまみで、押して引くのが電源、左右に回すと音量が変わる。姉はあせって右いっぱいひねってしまい、大音量のベットシーンが響き渡った。
僕は慌てて「スポーン」とケーブルを抜いた。抜いてしまった。。。
会場の前列のおばちゃんたちの唾を飲み込む音が聞こえる。
「ゔぁあぁーぁあ」
僕はまた床に右手を突き、叫んだ。
観客は完璧演出だと思い込んでいる。
僕のオープンドアまで1センチなんとかなんとか、この場をもたせのば。
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