ボコッドカッ
暴力の音が聞こえる。
「あんたなんか産まなきゃ良かったッ!」
よく聞く母親の捨て台詞。
tg )……。
何も言わない俺。
これがよくある家の聲。
俺は世界で言う、家庭内暴力を受けている。
要するに、虐待。
別に辛いとは思わない。
痛いことに、慣れてしまったから。
そのはずだけど、たまに胸がズキッとする。
病気でも、痛みでもない、なにかのせいで。
誰かに相談すると楽になる。
世の中ではそんな風に言われているけれど、俺はそうは思わない。
ただバカにされ、嘘つき扱いをされるだけ。
意味なんてなくて、さらに傷つくだけだ。
だから俺は俺に手紙を書くようにしている。
〜拝啓、10年後の俺へ〜
必ずこの文字から始まる手紙を。
辛さを綴った手紙は何通、何百通もある。
幸せとはなにか最後に必ず俺は自分に問う。
その手紙に、いつも返事をしてやれない。
まだ、答えを見つけていないから。
夏になっても俺は常に長袖で生活している。
青い痣や切り傷、包帯が見えてしまうから。
登下校中その傷が見えたら面倒になるから。
もう義務教育は終わったが学校には行かなきゃ行けないらしい。
虐めを受けているがまだマシなため、学校に行っている。
tg )行ってきます…
親に虐待されていたって挨拶はする。
マナーだからだ。
テクテク
独りが1番生きている心地がして、人といるといつ殴られるかカウントする。
それがいつの間にか俺の特技になった。
それ以外に得意な事なんてない。
個性なんてとうの昔に捨ててしまった。
持っているだけで殴られる。
そんな俺にとって迷惑な存在だったから。
生きている心地なんて、ある時は少ない。
大体、死んだほうがマシだと思う。
ってかこの状況で生きてるのは我ながらすごいと正直思う。
自殺未遂をしたのは数え切れないほどあるが、親に止められるか、通行人に止められるか。
その二択だった。
虐待して来るくせに死んで欲しくない。
そんなわがままな親のせいで苦しみ続ける。
早く死ねるという答えは探しても出てこない。
苦しみながら寿命で死ぬか、親に殺されるかの2択で、俺は幸せに死ねることなんてない。
たまに、子供が親におもちゃを買ってもらい、笑っているのをみる。
あれが親子というものなのかな?と思う。
あれが幸せなのかな?と思う。
最近はやめてくださいかごめんなさい、あと挨拶しか声を出していない。
だからか喋り方はぎこちない。
それに対人の喋り方なんてもう忘れた。
学校に着くとやっぱり笑われる。
クスクスクス
必ず聞こえてくる笑い声。
俺は学校から虐められている。
先生、クラスメイト、後輩、先輩。
勉強もろくにできない環境。
俺の何が気に食わないのか。
よく疑問に思う。
クラスメイトや先生からは
「声、性格、顔とかともう全て」
そう言われるが、そんななのだろうか?
ガラガラ
扉を開けると必ず
バッシャーン
やっぱり水をかけられる。
「おっはよ〜ちぐさ」
スマホを向け、声をかけてくる虐めっ子。
tg )おはよう、ございます…
朝の光が机に反射している。
どこか俺を追い詰めるかのように…
「チッ、汚ねぇ、ちぐさ、早く拭け」
担任の先生が命令する。
tg )ごめ、なさい…
「あとさっさと着替えろよ」
「転校生待たせてるから」
転校生か、また面倒なのが増えたな…
どうせそいつも虐めてくるんだろ。
はぁ、着替えよ。
コメント
4件
ホントに凄い✨ なぜノベルの方でもかけるんだ((( 『誰かに話しても嘘とされる』みたいなやつだっけ?ごめんちょっと忘れた、、でもほんとにそれな過ぎる、 誰かに話しても、どのみち心は苦しいままだし、ホントに世の中腐ってるよね〜www 次の作品も楽しみにしてるよ〜🫶🩵
こんな時間にありがと!今回もめっちゃよかった!続きが楽しみ