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タイトル《菫コ縺溘■のせい》
「全部あいつのせい 」
俺には親友 兼 幼馴染の瑞己っていう奴がいる
そいつは俺にそっくりで髪型と話し方を変えたらまんま俺になる
そんな俺たちは双子のように仲良くしてたんだけど、あいつは俺にそっくりの容姿を利用して、悪事を働いたんだよ
そしたら、その疑いが全部俺に向く
そういうところはほんとに嫌いになる
そう考えている間にあいつがきた
『おはよ 悠音』
「ああ はよ瑞己」
『元気ないね どうしたの?』
「なんもねぇよ…」
『…ちゃんと寝なよ〜じゃあね』
…..やっぱり嫌いになれねぇ
次の日になってまたあいつが来た
「はよ なぁ瑞己?今日って16日だよな?」
『何言ってんの?17だけど…?』
…次の日だと思ってたら2日後だった
俺おかしくなったかなぁ…
[おい!お前俺の彼女奪っただろ!]
「は?何言ってんのお前?」
[お前がだよ!俺の彼女が言ってたんだよ!「悠音に惚れた」「好きって言われた」って!!]
「だから俺じゃねぇって!そもそも俺昨日の記憶がねぇんだよ!」
[じゃあそん時に言ったんじゃねぇの!?]
急に瑞己が後ろから現れてきた
『どうしたの?悠音』
「…黙ってくれ」
『黙る訳にもいかないよ。』
[おい!なんだよ!俺の言いたいことを言わせろよ!!]
『ほらお相手さんも言ってるよ?』
『ゆっくり落ち着いて話したらどう?』
「(お前がやったくせに…)」
「…ごめん熱くなりすぎた。落ち着いて話さねぇ? 」
[!?]
[お前から謝るなんて珍しい…!]
[こっちこそごめん。落ち着いて話そう]
「あぁ」
それから俺は仲直りをして誤解は解けた
彼女には振られたらしいけど…
それから数日後
俺は全く瑞己と話さなくなった
あいつの悪事は増えるばかりでほんと嫌になる
『僕のこと避けてるんだね…』
『もうどうなっても知らないよ?』
そう言ってあいつは一切話しかけなくなった
そして俺は度々記憶が消えることが多くなった
しかもあいつが悪事を働く時は俺の記憶が無くなっている日だ
そう考えている時に家の電話がなった
俺は思わず驚いて立ち上がってしまった
「うおッびっくりした…」
その時に母が電話に出た
[はい、もしもし竹垣です]
[え!?…はい、はい…分かりました少々お待ちください…]
母が電話を誰かと変わるらしい。どうせ父だろうと思っていたら、母の怒声が聞こえた
[悠音!!あんた今すぐ降りてきなさい!!]
[”警察”からの電話よ!!!]
俺は思わずえ?と言う声が出た。
一瞬フリーズしたがすぐに下へ向かった
「え?え?なに?」
[いいから。はい。]
俺はわけも分からず電話に出た
「…竹垣悠音です。」
[あ、悠音くんだね。実は君が人を殴ったらしく、その被害者から被害届を貰ってるんだよね ]
「はぁ!?俺が?」
[まぁ認めたくないのもわかるよ。でも顔がまんま君で名前も本人、君自身が言ってたんだ]
[これで認めないはさすがに無理があるんじゃないかな?]
「いや!俺は素行は悪いけどそんな人を殴ったりは…ッ」
俺は誤解を解こうと弁解しようと思ったが急に足の力が抜けそのまま床に倒れ落ちた
[悠音くん?どうした?大きい音がしたけど…]
少しの沈黙があったが口を開いた
『大丈夫ですよ。ちょっと膝の力が抜けただけです』
その瞬間、”俺”は”僕”になった
[そっか良かったよ]
[それじゃ話を戻すよ]
[人を殴ったっていうのは事実?]
『…そうです。僕が殴りました』
[やっぱりそうだったんだね意地を張ってたのかな?年頃だもんね ]
『まぁ多分…?w』
僕は俺を演じるために少し苦笑した
[どうする?今なら土下座で謝ってくれたら被害届取り消しにしてくれてるって言ってるけどどうする?]
『あー…俺はぜひそうしたいんですけど母と話し合ってから決めます』
[あぁそっちの方がいいと思う
じゃあまた決まったら折り返し掛けてきてくれ]
『はい、分かりました 』
僕はそこで電話を切った
そして母に話しかけに行った
『母さん、さっき警察と話してきたよ』
[ねぇ…?嘘だよね?殴ったって嘘だよね?悠音、今はちょっと反抗的だけど根は変わらず優しいもんね?]
僕は肩を力強く掴まれた
『ごめん…母さん。事実だよ』
[なんでよ…!?ねぇ!?私そんな子に育てた覚えないよ!?]
[また私から奪わないでよ…ッ]
そう言って母は泣き崩れた
既に奪われたものは僕だろうか
『母さん、被害者さんが土下座すれば許してくれるらしくて…行ってきてもいい?』
[もう好きにしなさい…]
『…ありがと』
『じゃあね。おばさん』
[!? ]
[みず…くんッ]
僕はその言葉を聞き流し扉を閉めた
『はーぁ…僕も甘くなったなぁ…w』
それから数日後、僕は土下座をし許してもらった
そして家に帰り、悠音に変わった
「母さん心配かけてごめんなさい」
[いいのよ別に]
[それにみずくんにも会えたし…]
『瑞己?あいつ家に来てたの?』
[…は?あんた何言ってんの…?]
母は少し寂しそうな顔をして口を開いた
[みずくんなら、5年前に亡くなったじゃない…]
「は…?」
「い、いやいや!俺、だってこの前まで普通に瑞己と話してたぞ…!?」
[なんでよ!?]
「知らねえって!う…ッ」
俺は急に頭痛がし、頭の中に幼い俺と瑞己が流れ込んできた
『ねぇねぇ!悠音!』
「なに?」
『見てぇ!ダンゴムシ! 』
「ぎゃあ!んなもん見せんなよ!!」
『え?なんで?』
「俺が虫嫌いなの知ってんだろ!?」
『あ、そうだったwごめんねw』
「許さねぇよ!」
俺の頭の中にいる瑞己は俺と容姿なんか全然似てなくてなんなら真逆だ
瑞己は俺とそっくりなんかじゃない
「おーい!瑞己!早く来いよ!」
『ねぇ!ちょっと待ってよー!』
「早く来ねぇと先行くぞー?」
『待ってー!!』
『!! 悠音後ろ!!』
「え?」
…そうだ。俺は瑞己を待っていてその時に信号無視の車が突っ込んできて…
「瑞己!!瑞己ッ!!」
俺を庇った瑞己は車に跳ねられそのまま息を引き取った
俺はそれからそれがトラウマになって、記憶から消し去ろうとしたんだ
記憶から消して完全に忘れたと思った俺の前に瑞己が現れた
だが、俺は瑞己が亡くなったという事実を忘れ普通の親友として話していた
だけど全部俺の妄想だったんだな…
待って、俺の中に瑞己が現れたのも、俺が作った瑞己が悪事を働くようになったのも、全て俺があの時道路に出たせい…?
じゃあ…じゃあ…ッ!
「全て俺のせい…?」
《菫コ縺溘■のせい》
〜完〜