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「カラオケ行くぞー！！」「おぉー！」「やったぜ！」「行こうぜ行こうぜ！」
？？？「放課後集まりがあるって言うから何かと想えば……」
？？？「いるよね。クラスを動かせる特権を持ってるスクールカースト上位者」
「雨花」、「桃時」はクラスに染まりつつあるこのノリに少し嫌気をさしていた。
「雨花ちゃんは行かないの？」
「きっと楽しいよ？」
雨花「ん？あなたたちは調理実習の……」
桃時「こんなクラスの大衆の目の前でなんて好きな曲も歌えないし、やりにくいのよ。だからパスを……」
すると……
「もう人数分予約してあるから早く行こうぜ」
「やるじゃんお前！！」
カラオケに行く発案者がトドメの一撃。
桃時「えぇ……」
雨花「マジでか」
「ははは……まぁ行ってみよ？面白いからさ！」
「ぜひとも雨花ちゃんと桃時ちゃんの歌声聴いてみたいな！」
雨花「もう二度とクラスの集まりには行かない」
桃時「アタシも」
「そんなぁ……」
「ははは！二人らしいね。とりあえず今日は行ってみようよ！」
雨花・桃時「はーい……・へいへい」
こうして、雨花と桃時はカラオケに行くことになった。
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雨花「そういえば桃時ちゃんと随分前にカラオケ行ったことあったよね？」
桃時「あぁ。あったわね」
「へぇ！どんな感じだったの？」
「上手かった？」
雨花「それが全く覚えてない！」
桃時「アタシも。あの頃は色々必死だったから一々覚えてらんないわ」
「……一体桃時ちゃん何があったの？」
桃時「さぁね。雨花もあの頃は今みたいに明るくなかったわよ。それこそみんなが恐いと想ってた「黒い彼岸花」って言われていた頃だし」
「雨花ちゃんも色々大変だったんだね……」
雨花「別に大変じゃないよ〜大丈V！」
「そういう人に限って大丈夫じゃなかったりするけど……」
雨花「はいはい。この話お終い。カラオケ屋さんみえたよ」
雨花たちはカラオケ屋さんに入った。
「では、まずはこの曲から……」「おぉ！十八番の奴！」「頑張れ！！」「ふぅ〜！」
「雨花ちゃん桃時ちゃん！何か食べたいものある？」
桃時「じゃあパフェで」
雨花「わたしはポテトで」
「了解！……すみません！パフェとポテト下さい！」
受話器で注文をしてもらい、雨花と桃時はますます真面目に楽しもうとしなくちゃいけないと想うようになった。
「なぁ！せっかくだし歌の判定システム使おうぜ！」「良いなそれ！」「みんなもそれで良いよな？」「異議なーし」
雨花「帰って良い？」
桃時「アタシも」
「ちょっと待って！！帰っちゃダメ！！」
「実はさ。二人って結構謎めいたところあるから二人だけには絶対歌を歌ってもらうって前もって決めちゃってるんだよね」
雨花「はぁ……」
桃時「ちょっと！何勝手に決めてんのよ！！」
「ごめん！！」
「よぉし！次は雨花さんの番だぞ！」
雨花「えぇ……わたしは……」
「ほら！早く！」
雨花はクラスのみんなの前に立つことになった。
雨花「じゃあこの曲で……」
「その曲って……」
「こんなしっとりした切ない曲歌うのか……？」
「黒い彼岸花が？」
「こういう曲聴くんだな……」
雨花は歌った。
•*¨*•.¸¸♬︎
雨花「…………はい終了」
採点結果
94点
「「す、すげぇ！！！！」」
クラスのみんなが驚く。
雨花「はぁ……」
「「はぁ……」じゃねぇよ！！めっちゃ透き通ってる綺麗な歌声だった！！」
「こんな歌声出せたんだな！」
「雨花ちゃん凄く綺麗だったよ！今にも消えそうだけど芯があるっていうか……！」
「うん。あったかい感じだった」
雨花「…………どうも」
雨花は席に座る。
桃時「また国歌歌うかと想ったわよ」
雨花「みんなが知ってる人気ソングを歌っただけだよ。国歌もみんな知ってるでしょ？自分の好きな曲なんて知られたくないからね〜」
桃時「でもまぁ？上手かったんじゃない？」
雨花「はいはいどうも〜」
雨花と桃時が話していると……
「次は桃時ちゃんの番だよ！」
桃時「えぇ〜……まぁいいわ。歌ってあげる」
桃時もクラスのみんなの前に立つ。
桃時「この曲にするわ」
「この曲はアイドルソングだな！」
「桃時さんらしい曲だね」
「やっぱぶりっ子らしく萌え声で歌うのかな？」
「こらぶりっ子なんて言ったら聴こえるぞ？」
桃時は歌った。
•*¨*•.¸¸♬︎
桃時「……どう？」
採点結果
94点
「「か、かっけぇ！！！！」」
先程の雨花の時と同じくらいクラスのみんなが驚く。
桃時「アタシこの歌声苦手なのよね……」
「え！？どうして？！」
桃時「アタシは萌え声が出したいのに、どうしても歌おうとするとこういう歌声しか出ないのよ……」
「確かにロックボーカルみたいだった！」
「でも力強くて素敵だよ！！」
桃時「はいはい」
桃時も席に着く。
雨花「桃時ちゃんの歌声も可愛いよ？もし自分の歌声がコンプレックスなら少しずつ頑張っていけば良いんじゃない？萌え声の桃時ちゃんも今の桃時ちゃんも素敵だよ」
桃時「あんたって奴はホント人の気持ちに敏感ね……」
雨花「そんなことないよ」
桃時「はいはい。そう言うのを否定するのはあんたの悪い癖ね」
雨花「あはは！」
それから歌に自信のあるクラスメイトが歌に挑戦したが、誰も雨花と桃時には勝てなかった。
「うぅ……悔しい……」
「あの二人が歌上手いなんて予想外だ」
「いつもスカしてるから笑ってやろうと想ってたのに……」
「でも……」
「「二人の優勝です！！」」
クラスのみんなが、雨花と桃時の座っていた場所をライトで翳すと……
「あれ？」
「「い、いない！？！？」」
雨花と桃時は居なくなっていた。
「あの二人なら帰ったよ？」
「何でも「歌ったんだからもういいでしょ〜」だって」
「じ、」
「「自由人！！！！」」
「やっぱ変わってるなぁ……」
「変人まみれの生徒会の一員なだけあるな」
「でも憎めないんだよね〜」
「憎めないところが憎いというか……」
雨花「うぅ〜んこれからはもっとクラスの情報を探っておかないと」
桃時「もう勘弁だわ。クラスで何かするなんて……あっそうだ！二次会行かない？クラスの奴らとの思い出が一日の最後だなんて絶対嫌よ」
雨花「良いよ！じゃあどこかファミレス行こ！」
やっぱりクラスのみんなで過ごすより、生徒会のメンバーや後輩たちと過ごすのが楽しいと想う雨花と桃時であった。
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