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ゆっくりだけど、

少しずつ話せるようになってきた日のこと。

僕は未鳥に補聴器を前々から買ったこと。

喋ることを練習したこと。

明日、補聴器をつけてくること。

そう話した。

明日、未鳥の声が聞けるかもしれない。

そう思うとなんだか心がワクワクして、

夜眠れそうになかった。



やっと今日、補聴器をして未鳥に会う日。

そんなことを思いながら、

あの場所に向かった。

が、未鳥の姿は無かった。

もしかしたら体調を崩したのかもしれない。

そう思って今日は諦めた。


だが、2日3日経っても未鳥の姿は無かった。

そこで、あることに気づいたんだ。

『もしかしたら未鳥は耳が聞こえない僕を求めていたのかもしれない』って。

嘘だと思いながらも、

それが本当だったらどうしようっていう

思いが、ごちゃごちゃになった。

気づいたら僕は未鳥の家の前に立っていた。

ピンポンを押すか3分ほど迷った後、

意を決して押した。

少ししてから玄関の扉を開けたのは未鳥だった。

ほぼ数日ぶりの未鳥。

でも、僕の知ってる未鳥となんだか違う。

どこか怯えたような目をしていた気がしたんだ。

〔久しぶり〕

僕は手話でそう伝えると、

未鳥は小さな動きで

〔久しぶり〕

と言ってくれた。



𓈒 𓏸𓈒 𓂃



未鳥side


私は夏と約束したあの日、

あの場所には行かなかった。

いや、行けなかったんだ。

家を出ようとしたら足が進んでくれなかった。

まるで夏に会うのを拒否しているかのように。

世の音に耳を傾けて

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