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ザザザザ――
セレン「すごい雨ね。一旦、ここで休みましょうか」
数時間後――
セレン「お! 雨がやんだ!」
???「たす、け、て……」
黒猫(カレン)「こっちだ!」
私は、カレンの後を追った。
セレン「洞窟……?」
視線の先には、倒れている男性。
この洞窟はすり鉢状の地形の底に位置しており、周囲の山に降った雨水がすべて集まる、まさに『天然の貯水槽』と化していた。
黒猫(カレン)「雨はやんだけど、山に溜まった水がもうすぐここへ流れ込む! 逃げろ!」
セレン「嘘でしょ……」
ゴロゴロ――
黒猫(カレン)「慌てず、急げ!」
私は男性を魔法で浮かび上がらせ、必死に洞窟の出口へ運んだ。
なんとか外まで出し、すぐに救急車を呼ぶ。
救急車の中――
男性「う、ん、ん……」
セレン「大丈夫、もう安心です」
男性「妻は、私の妻はどこに……!」
セレン「私が見つけたときは、あなたしかいませんでした」
すると男性のポケットから、夫婦の写真が転げ落ちる。
男性「す、すまない……」
セレン「何があったのですか?」
男性「妻は、昔亡くなったんだ。私は冒険家でね。急な豪雨で洞窟に取り残されてしまった。それで、妻の声が聞こえて……」
セレン「辛かったですね」
男性「あ、あ、本当に地獄だった……」
私は思った。もしも再び、大切な人に会えるのなら、同じことをしていただろう。
彼が愛したこの世界を守るために、今日も私は歩き出す――と。