らっだぁさんが置いた松明のおかげで周囲は明るい。
「真面目でしっかりしてて礼儀正しいのに、天然で抜けててバカ口悪くなるとことか…なんてーの?ギャップ萌え?」
「褒められると同時に貶されて何だが複雑な気持ちなんですが…」
「褒めてるって」
こっち、とらっだぁさんに指差される。
そこを覗き見る。
「おー、確かにありそうな深さですね」
「トラゾーの豪運であいつらよりたくさん見つけてやろうぜ」
「任せてください!既に35個も見つけてきたんですから!」
「いや、凄すぎか!俺、まだ12個よ?」
「らっだぁさんも充分凄いですよ」
「トラゾーにゃ負けるよ」
苦笑いするらっだぁさんに問いかける。
「てか、いつの間に勝負になってんですか?しかもチーム戦みたいな。…あれ?これ、ドッキリ?俺だけ知らない感じ?」
1人困惑していると、らっだぁさんさんにほっぺを抓まれた。
「ぃへ」
「俺としてはそっちがいいけど、黙ってない奴らがいるからなぁ。ま、真面目に掘ろうぜ」
パッと手はすぐ離れ、薄暗い穴の中へらっだぁさんは降りて行った。
「?、ん?え、なんで、ほっぺ抓まれた?」
また1人困惑しながら先に降りた彼の後を追ってとん、と自分も地面に降り立った。
降りた先も松明を置いてもらってるお陰か明るい。
「らっだぁさん、ドッキリじゃないですよね」
「そんなんじゃないって。寧ろトラゾーは仕掛ける側だろ」
「まぁ、確かに…」
ぼんやり明るい洞窟内にキンッという音が響く。
「仕掛けられんのはぺいんとじゃん」
「リアクション面白いのはぺいんとですけど」
しにがみさんは仕掛ける側に回ることが多い。
クロノアさんには、しづらさがある。
「他2人とグルになってぺいんと騙したりすること多いもんなー」
「…なんか語弊のある言い方です」
「トラゾーはなんか簡単に騙されそうだよな」
「俺、結構疑り深いですよ」
掘り進めては松明を置いていく。
「…うーん、…まぁ、そういうとこも含めてだよなぁ」
「なんのことですか」
深さ的には出そうなのになんて頭の隅で思いつつ、ピッケルで掘っていく。
「トラゾーはそのままでいてほしいってこと」
「?、らっだぁさんって時たまよく分からないこと言いますよね」
「そっくりそのまま返すぜ、エッグorチキン」
ピッケルを振る手を止めた。
「ちょっと!それ言わんでくださいよ!」
脳内がゲッシュタルト現象起こしていた時の迷言だ。
未だに忘れることができない。
「あははは!顔、真っ赤じゃん」
「誰のせいですか!」
大笑いしているらっだぁさんに流石に肩パンをするのは良くないと思って持っていた石を投げつけた。
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