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ちゃす!るーあです!
続き!
まあ見ていって!
家に朝ご飯が届いた様で弐十くんが受け取って来た。
「トルテさーん、ご飯来た、起きて」
あくまでも冷静ででも面倒くさそうで少し気怠い声。
なんだかいつもの弐十くんじゃなかった。色気や彼氏感を持つ弐十くんだった。
俺が起きず(起きれず)にいると、耳元でそっと囁いた。
『起きないと食べちゃうぞ?』
俺は何を言ってるんだろう…
無意識のうちに出ていたその言葉
通に気持ち悪い。
イタズラでも罰ゲームでもなくこんな事言うヤツなんていない。
トルテさんはビックリして起き上がった。
『気持ち悪い!』って言われるかと思った。
でもその表情は俺が思っていたよりもずっと驚いていた。
ビックリした。
俺がどう思っているかなんてアイツは知る由もないから絶対バレてはいないと思う。
この証拠に今日初めてまともに見たアイツの顔はキョトンとした顔だった。
「おはよう、トルテさんそんなにビックリした?」
「急に耳元で言われたら誰だってビックリすんだろ…」
寝起きで上手く声が出なかったけど、少し早口で言った。
「ふーん」
返ってきたのは素っ気ない返事で、何事もなかったかの様に机の上の朝ごはんを皿に取り分けた。
「これトルテさんのね、あっ、食器借りたから」
「ん…」
クラクラというかフワフワというかなんとも言えない気持ちで弐十くんが選んでくれた朝ごはんを食べた。
「この後どうすんの?」
隣で洗い物をしている弐十くんが話しかけてくる。
「別になんもしねーよ」
素っ気なく突き放した。けどそんな扱いに慣れている彼は続ける。
「みたい映画あるんだよね、トルテさんネトフリ入ってる?」
「入ってるけど…お前と映画みんの…?」
ジトっとした視線でこっちを見るけど、口元には少しの笑みがこぼれている様に見えた。
「えぇ!いいじゃん!見ようよ!」
半ば無理やり一緒に映画を見ることにした。
俺はジュースとお菓子をウーバーで頼んで届くのを待った。
「ねぇ、近い暑い」
文句を言うトルテさんに諭す様に言った。
「しょうがないじゃん、トルテさん家テレビまでの距離狭いんだから」
それでもブツブツなにか言ってるのでそっとしておく事にした。
しばらく映画を見ているとウーバーが来たので取りに行った。
台所でコップやお皿に取り分けてると、トルテさんもこっちに来て手伝ってくれた。
俺の家が狭いからくっつくのはしょうがない。分かっているけどドキドキするのは抑えきれくて、勝手に一人で意識してるみたいで本当に嫌になる…なんでいるんだよ…
そんな事を思っていても、いないと寂しいもので少し席を外す弐十くんの手伝いをした。
映画を見ている最中にトルテさんは寝てしまった。
俺の肩に顔をのせて、映画どころではなくなってしまった。
起こすのも可哀想だから、俺はなるべく動かない様にトルテさんの寝顔を眺めた。