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俺は黒尾鉄朗。ちょっと霊感のあるだけのバレー部部長だ。
ん?なんだ。霊感って存在するのか?
この世界には幽霊なんつーもんは残念ながら存在する。害のあるやつもいれば別に特段気にする必要のないやつもいる。
まあただ、俺や研磨みたいな霊感あるけどある程度しかお清めとか祓うってのが出来ないやつってのは悪霊のカモだ。俺と研磨は意外と霊気が多いらしい。だからそんな俺らの体を乗っ取ろうと色んなやつが憑いてくる。 所謂幽霊ホイホイだ。
毎日お清めは必須だし、色々と大変だ。霊感ないやつが羨ましいぜ。
まあ、そんなとこだな。急に言われてもびっくりするだろうがな。
おっと、
1番大切な事を忘れていた。零だ。
この世界には幽霊に対抗できる勢力が居る。祓い屋。つまり、除霊師だ。金を払えば憑いた悪霊とかを祓ってくれる。除霊師の中でも御三家と呼ばれる三大勢力がいる。
天ヶ瀬家
西園寺家
九条家
である。零というのは俺と研磨の幼なじみなんだ。天ヶ瀬 零(あまがせ れい)は霊能力を受け継いでいて、除霊の出来る奴だ。
今出したこの御三家ではそれぞれ得意な事が違う。例えば
西園寺家は霊獣が仕えていて主に獣退治のような事をする。得意なのは憑依だ。
九条家は札とかの小道具を使って除霊をすることが多い。封印することが得意だ。
そして天ヶ瀬家。ここはハッキリ言って異常だ。天ヶ瀬家は呪具、つまり武器を使って祓う事の多い家系だ。そして結界を貼ることも得意とする。結界つーのは霊気の壁みたいなもんだ。それを何回も貼る芸当は恐らく天ヶ瀬家だけだ。他も霊からの恩恵が貰えれば貼れるらしいが、それでも限界はすぐ来るらしい。つまり1番霊気が多いのは天ヶ瀬家なんだ。
まあ霊気が多いからいいって訳でも無いがな。
霊にも除霊師にも強さの区分がある。
下から
下級霊
中級霊
上級霊
特級霊
となっている。除霊師はこの霊がついてない呼び方だな。
そして霊はもう一段階区別がある。怪異だ。怪異はほかの霊とまたちょっと特殊な奴だ。
はあ。
そろそろ体がしんどいからこの辺で説明は終わりな。
今、俺は午前の授業が終わり、バレー部の奴らと昼飯を取っている。今は6月上旬で暑い上に蒸し蒸ししている。それも全て連日のように降る雨のせいなのだが。部活でも心無しか調子が上がりきらない。まあ、もう少しで梅雨もあけるワケだからジメジメした体育館の中練習する必要は無くなる。これからも暑くなるが仲間で一生懸命練習するのは悪くない。アレさえなければ。
そう何を隠そうこの時期はやたら幽霊が活発的になるのだ。この前も研磨と夜コンビニに寄ろうとしただけで路地裏から沢山の幽霊の熱い視線が突き刺さったのだ。アレは絶対狙ってる眼だった。結局その日は危ないからと寄るのは早々に諦め自宅へ帰ったのだ。ここで無理に行こうものなら恐らく気を抜いた隙に引きづり込まれかねない。音駒のバレー部の中で幽霊が近づきたがらない海などが居ればなんとかなるんだが。その日は生憎と俺ら2人しかいなかった。
更に現在進行形で3日前程から体調が優れない。普段なら適当に休めば回復するもんだが霊が絡んでいるとそうもいかない。
「……お。 」
にしても体が重い。
「くろお!」
「うおっ。やっくんか。」
「うおっじゃねえよ。どうした?またアレか?」
「ん〜。まあそんなとこ。」
「クロこの前もお祓い行ったばっかじゃん」
「そーゆー研磨はどうなんですか〜?」
「俺はまだ大丈夫。」
「マジか。」
そう。何を隠そうアレというのは霊の事だ。
ん
すると、突然研磨が俺ほうをじっと見て
「クロ結構顔ヤバい。」
「その言い方黒尾さんの顔がブサイクみたいじゃん!」
「うるさい。」
「なに!?研磨ちゃん反抗期!」
「クロうざい。」
「酷い!そこまで顔をディスならくても!」
やべぇなんか視界がぐらぐらする。
「そうじゃなくて、」
「そろそろ昼休み終わんぞ。」
その夜久の一言で今日の昼休みの集まりは終わった。
そして弁当を片付けて終わり俺は研磨と廊下を歩いていた。すると突然研磨が
「クロ大丈夫?」
と聞いてきた。
「なんだ〜?らしくねぇじゃん。研磨が心配するなんて。」
「別に」
「おやおやおや〜?もしかしてデレ期?笑」
「クロ、隠さなくていいよ。」
やっぱりバレてたか。幼なじみっつーのは厄介なとこもあるな。
「バレてたか笑」
「だってクロの後ろにいる奴、明らかにいつもと違う。」
「正直言って結構しんどい。」フラッ
「ッ!クロ!」
あっぶね〜。研磨が支えてくれなかったら思いっきり床とキスするとこだった。
「わり。 」
「ねえ。クロ今日休みなよ。」
「いや、まだいける。それに後でお清めしてくるし。」
「はぁ。クロの意地っ張り。」
「へーへー」
わかってる。これ以上は体が危険だと。でもそれでも、出来る限り部活に出たいんだ。
俺がこうなったら絶対に言うことを聞かないって研磨はわかってる。だから何も言わない。大丈夫、まだ。