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帰りに途中のビルでパンを買って、ついでに野菜も少々買ってマンションに帰る。
夜遅くなったので、夕飯は簡単に出来るサンドイッチだ。
あの特製シーチキンを使おうと思ったからだ。
「それにしても、どうしてこう魚ばかり大量に持っているのだ? だれか、漁業でもやっている知り合いがいるのか?」
「課外活動で無人島に行って、色々取ってきたんです。その時に食べなかった分を加工して、こうやって持って帰ったんです」
というところから、課外活動の話になって、夏休みの無人島行き等を話したところで。
「そう言えば、秋津学園の事も聞いた事があるのだ。転入前の試験で、もう少し点数が高ければ、秋津学園に入るはずだったのだ」
亜里砂さんが言った。
「どういう事?」
僕も疑問に思う。
「彩香は、聞かれなかったか?」
「私は、特に」
「希望で、街が近い方がいいとか、完全閉塞環境は苦手とか、チェックしたか」
「両方ともチェックしたと思う」
「なら、そのせいなのだ」
亜里砂さんは頷いた。
「魔女や特殊な人種に対し、入学の優遇措置を取っていたり、配慮があったりする学校があるのだ。深草もそうだし、秋津もそう。全寮制か半寮制で居所の心配が無くて、先生も理解ある人で揃えているのだ。あとは埼玉と静岡と兵庫、九州にもあったと思うのだ」
「なるほど、それで深草も、狐の他に魔女とかいる訳か」
道理で一般人以外が多いと思ったら、そんなからくりがあった訳か。
「国際的な支援機構があって、入国から国籍変更、学校の選定から入学、奨学金取得支援等を、色々やっているのだ。うちの父も、支援機構に連絡して、適当な学校を選んだのだ」
「私の場合は、緊急保護だったから」
「それは大変だったのだ。でも、ここは安全なのだ。心配いらないのだ」
その“緊急保護”が、どういう意味かは僕にはわからない。
でも、“安全”という言葉を、亜里砂さんが口に出したという事は。
安全じゃない場所もあるのだろう。
逃げざるを得なかった状況も、あるのだろう。
僕が知らない世界が、きっとあって。
「まあそんな訳で、日本には確か年100人余りの魔女や狼男や吸血鬼が難民扱いで入ってきていて、そんな学校で生活しているのだ」
「知らなかった」
本当に知らなかった。
そんな現実があるとは。
「知らなくても現実なのだ。だから場合によっては、さっき聞いたような特殊人種ばかりのサークルや、課外活動があったりするのだ。深草の主流は狐なのだが、残りほとんどもそういう人間なのだ。一般人は悠を含め数人程度なのだ」
そうだったのか。