ΩヤンキーくんとドSなα
奇跡なんてものは
(あらすじ)
自〇を試み、生〇をさまようΩヤンキーくん。自分が自〇に追い込んだのだと転校生君は負い目を感じる。しばらくヤンキー君の鑑賞に浸っていると嫌な過去の思い出を振り返らせるような夢を見てしまった。苦しんでいる矢先夢で少年ヤンキーくんが転校生を助けると…なんと、現実でも目を覚ましていた。
これは奇跡だ、最高だと話し合う。
でもヤンキーくんはもう時間が来たみたいと言うと再び目を閉じてしまった。
その瞬間俺のせいだと嘆く。
屋上へと急ぎ、飛び降りようとしたその時…
(本編)
「いかないで」
そう言いながら真剣な顔をして助けてくれたのはやはり彼だった。
自〇は俺が決めた事、なのに助けて貰って笑ってパーなんて俺のプライドとして有り得ない。
『…ごめん。離してくれ。
自〇は俺が決めた事。今更辞められない。
男としてのプライドってもんがあるからな笑
お前もわかるだろ?今回起きたことは全て俺のせいだ。お前は何も気にすることない。』
「チッ…お前のせいなわけあるかよ!?
俺が勘違いをして勝手に自〇しようとしただけだぞ!?それをお前は俺のせいだとか言って…助かった俺の気持ち考えた事あるか!?それに
俺たちは運命の相手なんだろ…?
なんでも話し合うんじゃねぇのかよ!」
『っ…!
俺は無脳だ。せっかく将来有望なαに産まれて母にも父にも期待されて育ってきたのに
自分で相手の人生も自分の人生も棒に振るって。結局誰かの力を借りてしまう。
挙句の果てに誰かを傷つけて。
俺はそんな性格なんだよ…!!』
「なっ…!!!
そんな事…言うな!!!!」
グイッ
彼は俺の手を引っ張って自分の方へ引き寄せると俺の背中を抱いてギュッと抱き締めた。
何故だ分からないが彼の身体は非常に寒い。でも暖かい。
きっと、寒いならここまで心配して走ってきてくれたんだろう。
そう思うと感謝してもしきれなかった。
自分が本当に情けない。
『っ…うぅ(泣)ごめん…ごめん。情けないな俺…。ありがとう…(泣)』
そういう俺の頭を彼は優しく撫でた。
その撫でる手もとても冷たい。
彼は俺の顔を見て安心したかのような笑顔を見せると
「俺…お前の事がやっぱ好きだ」
と言った。
『何回も言うな。前の照れ屋なお前はどこに行ったんだよ笑』
前まではあんなに照れ屋だった彼が、こんなことを言うようになったから少しびっくりしてしまった。
「もう、全部吹っ切れた」
なんだよ…吹っ切れたって笑お前らしくない。
『…なんか、お前らしくないな』
「はは、そうかな?」
『なぁ、噛んでも…いいか?』
「…ごめん。でも、その前に…目、閉じて」
『ん…』
俺は静かに目を閉じる。
何をされるのかドキドキしながら。
しかし、彼は何分経っても俺に話しかけてもくれないし、何もしてくれなかった。
『なあ、もう目開けていいか?』
俺は彼に、オドオドしながらそんなことを聞くしか出来なかった。
10分後、20分後…。
いくら時間が経っても彼は何もしてこない。
俺は段々、自分の中身が少しづつ減って最後には何も無くなってしまうのではないかと不安になった。そして『開けるぞ』この一言だけを言い残し目を開ける。
するとそこには彼の姿はなく、一通の手紙と赤くて可愛い箱にリボンが結んである、女子力高めの箱が置いてあった。
俺は彼がどこに行ったのか不思議に思いつつも、その中身を確認する。
中から出てきたのは、茶色の包みに包まれた飴だった。
『なんだ、?飴…?食べても大丈夫なのか?』
俺は疑心暗鬼になりつつもそれを口に放り込んだ。
『甘い…。』
思わず声に出してしまうほど、甘くて
口に入れた瞬間とろける。
彼としたキスを思い出す。
そしてほんのり暖かくて。
とても安心出来る味だった。
そして今までの事を全て思い出して辛かったことも、悔しかったことも、失敗した事だってみんなみんな思い出して。
その場で数分泣いた。
次に手紙。
これが本題と言ってもいいだろう。
俺は飴を食べ、泣いた余韻に浸りながら手紙を開く。
そこにはこう書いてあった。
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急に消えてごめん。
もう時間が来たみたい。
最後にあなたを救えて良かったです。
最初に君と会った時は、なんだコイツ、俺の学園生活が台無しだって、そう思ってました。
でもそれは違った。
君と接していくうちに俺は本性を見せることができるようになっていったんです。
そして最後には君に夢中になってた。
不思議ですよね笑
短い間だったけど、色々ありました。
辛いことも、ムカつくことも
君といたから乗り越えれました。
本当に、ありがとう。
そして、今回の事件
あまり、自分を責めないで。
残りの人生俺の分も楽しんでください。
自〇なんてしたら許しませんからね!
という事で、伝えたい事はまだまだ沢山ありますが俺はもうダメみたいなのでお別れです。
今まで最高の夢を見させてくれて
ありがとうございました。
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あいつって、こんな性格だったか?それを疑う余裕はなく書いてある文字が全て滲んで見えなくなるほど泣いた。手紙を持つ手が震えて、声を出して泣いた。
数分泣いて我に返るとどうも「時間が来たみたい」という言葉が気になって、病室に戻ることにした。
もしかしたら先に戻っているのかもしれない。
今まであいつの事を忘れて夢中で手紙を読んでいた自分が馬鹿みたいだ。
ガラガラガラ…
『おい…!!!』
俺が彼を呼び止めても返事はない。
代わりに、40を超したおじさんのような声が返ってきた。
「この子の友達さんかね?」
そう優しく聞いてくるおじさんに嫌な予感がしたかと思いきや、彼はベッドで静かに眠っていた。
不安が全て消え、安心してまた涙が出てきてしまった。
「残念だけどこの子はもう…」
そんな事を言うおじさんの目には涙が浮かんでいた。
「この子はもう…なんですか!?」
安心したのはつかの間、嫌な予感は的中していた。
その先の言葉を聞くより先に俺は屋上へと走る。
屋上へ着くと俺は大きな声で
「おい!!!どこに行ったんだよ!!!」
と叫んだ。
当然俺の声が響くだけ。なんの声も聞こえない。おれはそんな状況に頭を抱えうずくまった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あなたは何も悪くないのよ。」
「気にするんじゃありません。」
彼の葬式。俺は初めて大切な人のシを目の当たりにして、頭が真っ白になっていた。
もちろん何を言われても精神が安定する訳がなかった。自分が〇してしまった。そんな思いが強くなって、溢れ出してパンクしそうになって。しょうがないからこの気持ちを紛らわそうとポケットに入れてあったハサミを頭に叩きつけた。
「やめなさい!」
「気持ちを抑えるんだ!」
そんな周りの言葉は一切聞こえず、勢いを付けると頭に振りかざす。
誰もがダメだと思った瞬間
「やめろ!!!」
という彼の声が聞こえたような気がした。
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最終話までご覧頂きありがとうございました。
今回の話はどうでしたでしょうか?
今回はBADENDになってしまいましたが、
新シリーズはHappyENDになるように作ると思います!笑ので、楽しみにしていてください。
前回の小説1000↑♡ありがとうございます🥺本当に嬉しすぎて飛び跳ねました…。
本当に毎回ありがとうございます。
最終話なのに適当ですみません。
それでは
ありがとうございましたーー。
コメント
1件
涙が…(;ω;`*)最終話寂しいけど、最高でした!